セッコクとフウラン
他県で、同じ日にセッコクとフウランの大株に出会いました。園芸分野では、変異のある個体を長生蘭(セッコク)、富貴蘭(フウラン)と呼んで古くから親しまれています。
【セッコク】
ここは郷土植物園の一角です。立派な株でしょ?植樹後、着生させたものだと思いますが、遠目に見たらヤドリギのようです。
こちらにも・・。
生育状態の良さそうなこのセッコクには、さぞ見事な花が咲く事でしょう。植栽ですが、以前撮った花の写真を掲載します。
こちらは、父親がイヌツゲに着生させたものです、このようなピンクの花が咲きます。園芸用に作出された、外国産のデンドロビュームとの交配品ではないかと思います。
富士市植物仮目録にも記載されていますが、私はまだ富士市内では野生と思われる個体に出会った事はありません。
こんな果実をつけます。こちらは遠州一之宮小國神社で撮影しました。
ラン科セッコク属セッコク(Dendrobium moniliforme (L.) Sw.)。
こちらも植栽ですが、かなりな大株です。フウランは、とても成長の遅い植物で、このくらいになるには、相当な歳月がかかるものと思われます。
注目は、果実の多さです。こんなに沢山ついているのは、初めて見ました。
こちらは、富士宮市某所の寺院で撮ったものです。沢山の果実を見ながら、思い浮かべた事があります。
以前、フウランの花にやって来る送粉者を撮ろうと、インターバルカメラを仕掛けた事があります。でも、残念ながら小さなアリくらいしか映っていませんでした。フウランの送粉者は、スズメガの仲間だそうです。きっと、夜な夜なスズメガが訪れていたのだと思います。不気味でしょ?
フウランは、小さな白い花が咲きます。ヤマユリのような甘い香り、白い花色、とても長い距・・夜行性の送粉者を呼び寄せる花の特徴だそうです。
一番上の果実を、接写してみました。ラン科植物特有の塵のような種子が飛散し始めていました。
富士市では、一ヶ所だけ自生の確認されたところがあります。静岡県内では、中西部で幾度か出会った事があります。
ラン科フウラン属フウラン(Neofinetia falcata (Thunb.) Hu)。Ylist標準学名は、左記となっていますが、日本のランハンドブックによると、DNA情報を用いた解析の結果、Vanda属とする事が妥当だそうで、Vanda falcata (Thunb.) Beerの学名が記載されていました。
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