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2018年12月18日 (火)

2018年の思い出①

少し早いけど、ネタ切れ気味なので、今年の思い出を掲載します。一番目は、何と言ってもヤツシロラン類の栽培実験です。

【ヒメヤツシロランの開花】

2016年8月下旬、自生地の土と根状器官を取り除いたヤツシロラン類の塊茎を少し頂き、赤玉土+煮沸した竹林の部材の栽培容器に入れました。一年経った頃、掘り起こして見ると、塊茎は全て枯れていました。でも、菌糸だけでも繁殖させようと、そのまま保管して置きました。

そして・・。 

Aap6160271 Ap6250526

今年の6月半ばに、不明な植物の塊茎が伸びて来たのに気付きました。右は6月25日の様子です。

Ap6260550 Ap6260588

6月26日に、白い花が咲きました!

私は、当初ユウレイランだと思っていました。でも、コメントを頂き調べて見ると、唇弁の形状などからヒメヤツシロランである事が分かりました。以前、両者は同じものと考えられていたようです。

A1533194109

南国に生えるヒメヤツシロランを、静岡県で見る事が出来るなんて夢のようです。

夢は、まだ続きます。

Ap9280437 Apa120624

花が終わって少し経つと(7月末頃)、別の場所から根状器官が伸びて来ました。その根状器官を、菌糸の所へ誘引しました。8月半ば頃には、接触部分にイボのようなものが出来ました。

Ap8110001 Ap8110004

こちらにも・・。このイボ状の部分は、ヒメヤツシロランが菌糸から養分を吸収する組織のようです。11月頃になると、根状器官は枯れて休眠に入りました。

枯れてしまったと思っていた塊茎が生き残っていたのか、それとも土に紛れていた種子が発芽したのか分かりませんが、この実験容器は来年にも期待が持てそうです。

【ハルザキヤツシロラン実生栽培実験】

クロヤツシロラン、アキザキヤツシロランと、実生~開花に成功しました。そして、静岡県に自生が確認されているもう一つのヤツシロラン類、ハルザキヤツシロランの実生栽培に挑戦しています。

Ap7110109 Ap7110111

塵のような微細種子を蒔きました(6月中旬)。

Ap7110083 Ap7110082

プロトコームが姿を現し、一部変形を始めていました(7月11日)。

Ap7210438 Ap7210447

根状器官が伸び始めました(7月21日)。

Ap8010939 Zp9010804

更に根状器官が伸びて来ました(7月31日)。この撮影の後、常緑広葉樹の部材で覆いましたので、この場所での成長の観察は出来ません。

Apb200226

こちらは、葉上にある塊茎です。菌糸との共生は、意外な場所でも行われるようです。

師匠のハルザキヤツシロランは、既に花茎が伸びて来たそうです。私の方は、常温より少し加温しているだけですので、2~3年後を目標に、自生地と同じ5月頃の開花を目指します。不安なのは、自生地を模した現在の実生床の場合、今までやって来たスギや竹林の部材より、菌糸の生育が劣るように感じている事です。

A1533194201

オレンジ色の袈裟を纏ったお坊さんを、無事見る事が出来るだろうか?

その後の夢も、幾つか持っています。

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コメント

ヒメちゃん、お早うございます。
コメントありがとうございました。

縁あって、今秋よりローカル新聞の岳南朝日に「楽しい自然」というテーマで、記事を書くようになりました。
慣れない事なので四苦八苦していますが、少しずつ書き溜めています。
来年また花が咲いたら、この植物の紹介をしようと思っています。

共生菌の増殖、頑張ってみます。
来年、研究者が南国に行ったら、お土産を頼むつもりです。
腐生ラン栽培は、いろいろな夢を広げてくれますね。

何と云っても今年の収穫は
ヒメヤツシロランの開花ですね
偶然にしろ凄いことやったと思いますね。

記者が駆けつけてくると思ったのでが
知らぬものと知るものの違いでした。

竹林の部材をミキシング殺菌して寝かせ
共生菌の増殖を狙って欲しいです。
究極の奥義ですから、来年はシシの如くに。

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