2018年の思い出②
二番目も、光合成をしない植物・・寄生植物と菌従属栄養植物です。
【寄生植物】
オニクの無事を確認して来ました。ミヤマハンノキの根に寄生する一稔性(一回結実性)の植物です。強壮効果があるとの事で、根こそぎ採取され、出会う事は極めて稀です。
周囲にもミヤマハンノキがありますが、特定の樹下にだけ生えていました。種子発芽に特殊な条件があるのかも?
ヒメノヤガラです。富士市植物仮目録に記載されていますが、記録と違う場所で確認しましたので追記しました。
一般的なギンリョウソウは、全体が透明感のある白色ですが、稀にこのようなピンクのギンリョウソウを見る事があります。
こちらは、更に稀な鱗片まで色づいているベニバナギンリョウソウです。
シャクジョウソウ科やイチヤクソウ科に分類されていましたが、APG分類体系では、ツツジ科に分類されています。
共生菌から養分をもらって生きていますが、その共生菌は樹木が光合成によって作った有機物を得て生きています。これを、三者共生と呼ぶそうです。
県内では、比較的出会う事の多いムヨウラン類・・エンシュウムヨウランです。ただ、通常は左のように萼片や花弁が殆ど開かず、右のように開くのは稀です。タイプ産地は、天竜区春野町です。学名(Lecanorchis suginoana (Tuyama) Seriz.)に注目です。
こちらは、富士市では未確認のトサノクロムヨウランです。今迄は、図鑑などでもクロムヨウランとされて来ましたが、研究者によって別種である事が調査・報告されました。花の構造の違いもありますが、開花する方はトサノクロムヨウランで、開花しない方がクロムヨウランだそうです。
富士市では確認されていない植物・・マヤランです。共生菌に依存する植物は、地味な花色のものが殆どですが、こちらはご覧のように観賞価値の高い花を咲かせます。でも、光合成をしない植物ですので、通常では栽培出来ません。採取は止めましょう!
アキザキヤツシロランです。竹林に生えるものは見た事がありますが、スギ林に生えるアキザキヤツシロランを初めて確認しました。とても興味深いです。
この場所には、スギ林に多いクロヤツシロランも生えていました。菌糸を採取して、実生床として増殖中です。
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