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2018年10月

2018年10月31日 (水)

静岡県立森林公園①

家族の用事に付き合って、浜松へ行って来ました。同じ県内とはいえ、かなり遠い・・。帰り道、健康のためとごまかして静岡県立森林公園に立ち寄りました。

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ウラジロとコシダです。富士市でも見る事は出来ますが、遠州方面では林床を埋め尽くすようなところを良く見かけます。

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ヒカゲノカズラかと思ったのですが、少し様子が違います。

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これは、マンネンスギでしょうか?富士山で見るものと感じが違うけど・・。右がヒカゲノカズラです。林道愛鷹線では、ヒカゲノカズラが彼方此方で見られます。先日見た時は、胞子葉が伸びていました。

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左はソヨゴ、右はトチノキの葉です。ソヨゴは、山梨県や遠州方面では良く見かけますが、富士市周辺ではあまり見かけません。

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左はムクロジでしょうか?果実を探したけど見つかりませんでした。右はノリウツギです。タマアジサイもそうですが、枯れてからも翌年まで残っています。

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派手な色彩で目を惹くのは、クサギの果実です。

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綺麗という人もいますが、私は不気味な色だと思っています。右はオトコヨウゾメの果実でしょうか?

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ベンチの上に転がっていたのは、オオウラジロノキの果実です。美味しいとだまされて食べたら、とても酸っぱかった思い出があります。

この園内には、ナンキンハゼの大きな木が沢山植えられています。

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紅葉しているものもありましたが、見頃はもう少し先のようです。右は、樹下に生えていた実生のナンキンハゼです。

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隣同士でも、この葉色の違いはどうしてでしょう?

この公園を訪れるのは、3度目だったと思います。この日は、いつもと違う第七駐車場から入りました。かなり大きな公園で、季節を変えて訪問したいところです。

2018年10月30日 (火)

果実いろいろ

家の周りで見られる果実を撮ってみました。

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ゲンノショウコの果実です。これは、種子を飛ばした後の姿です。

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左が種子を飛ばした後で、右が飛ばす前。

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種子は基部にあります。そして、ゼンマイバネのような部分が捲れ上がって種子を飛ばします。右は、種子の収まっていた器の部分です。

面白い仕組みですね。

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こちらは、ツユクサの果実です。

熟すと・・。

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乾燥した果皮が裂け、石粒のような種子が姿を現します。変わった種子でしょ?

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こちらは、ハゼランの果実です。赤い果皮が乾燥すると手前のように裂け、種子を撒きます。

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ちょっと似た感じですが、左はニラで、右は小葉のギボウシです。

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マルバノホロシとヒヨドリジョウゴの果実です。野鳥に種を運ばれ、いつの間にか裏庭植物園の住人になりました。

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サンショウの種子も殆ど無くなり、少しだけ残っていました。サンショウは果皮が赤く、イヌザンショウは、褐色に熟します。

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こちらは、タマスダレの果実です。昔は、どこの家の庭先でも見られたのですが、最近ではあまり見る事が出来ません。

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ヤブランとジャノヒゲの種子(※)は、まだ緑色でした。ヤブランは黒紫色に、ジャノヒゲはコバルト色に熟します。

※果実のように見えるのは種子です。果皮は薄くて早く脱落し、種子が露出して熟します。種子であるため、花柱の跡がありません。皮を剥いた中の種子に見えるのは胚乳です。

二日続けて、肉体労働でした。一人作業は、殆ど休憩無しでやるので、尚更疲れます。今夜はサロンパスが必要かな?

2018年10月29日 (月)

近くの山林探索②

今日も良い天気でした。富士山が良く見えていましたが、最近オイデオイデをしてくれません。気が進まない時は、出かけない事にしています。

再生畑①の除草とソラマメの植え付け、再生畑②の笹刈を行いました。一日、肉体労働をするとかなりきつい!歳には勝てません。

山林探索の記事の続きです。

【キノコ類】

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ヒノキの小枝に生えていたとても小さなキノコです。姿形から、ホウライタケの仲間のようです。

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以前も掲載した、ヒメロクショウグサレキンがまだ残っていました。子実体の寿命が長いキノコのようです。

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この赤い粒粒は、アカツブタケ科のキノコだと以前教えて頂きました。

【クロヤツシロラン】

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また新たなエリアで発見しました。左はヒノキ林で、右は落葉広葉樹林内で撮りました。

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「みどりの学校」で、子供たちにヤマユリの果実の話をしました。ヤマユリは、花の重みで茎が撓り、横を向いているものがあります。でも果実はどれも上を向きます。もし横を向いたままだと、種子が一気に零れ落ちてしまうから、修正されるのです。

同じように、クロヤツシロランも、何らかの原因で果柄が横を向いても、果実は上を向きます。植物達は、どういう仕組みでこういう事が出来るのでしょう?

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クロヤツシロランの果柄はとても弱々しく、少し無理をすると曲がってしまいます。折って見ると、ストローのように中空です。同じく光合成をしないムヨウラン類の花茎や花柄は中空ではありません。果実の寿命(果実期)が長いため、ヤツシロランのような構造では、長持ちしないからだと思います。

ところで、ヤツシロランとムヨウランの果実の寿命の違いはどうして?

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まだ果柄が伸び始めたばかりのものもあれば、このように種子を飛散させ始めたものもありました。

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こちらは、塊茎を覆っていたヒノキの落ち葉を取り除いた様子です。殆どの塊茎は、このように浅い所にあります。場合によっては、茎や柄を軽く摘まんだだけで、塊茎ごと抜けて来るものもあります。

何度も同じような記事が登場して恐縮ですが、私にとってクロヤツシロランの果実は、植物観察を始める切っ掛けになった特別な存在なんです。もし家の裏に、この変わった果実が生えていなかったら、そして、それを前ブログに掲載しなかったら、その後の植物観察や、それに関わるいろいろな方との出会いは無かったと思います。

同じように、我が静岡県には、この植物に特別な思いを持たれている植物学者の先生がおられます。「静岡県のムヨウラン類とヤツシロラン類」・・縁あってこの著書を拝読する機会を得ました。「静岡県にも凄い人がいる!」その内容をまとめるために費やされた時間や労力が、素人の私にも容易に想像できました。場合によっては、クロヤツシロランの学名が今と違っていたかもしれません。

2018年10月28日 (日)

近くの山林探索①

今日は、地区の文化祭でした。年度初めに配布された総会資料には、交通誘導の業務が記載されていますが、不要との事なので近くの山林を探索してみました。私にとって山野を歩くのは、散策ではなく探索です

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コウヤボウキの咲く雑木林に入りました。日照の関係か、もう少し標高の高い林内では花盛りでしたが、ここは蕾が目立ちました。

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彼方此方探すと、少しだけ咲いていました。

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こちらは、開花から少し時間の経過した花のようです。

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筒状花の花弁の先端がカールしているところが、この花のチャームポイントです。

ところで・・。

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葉の付き方の違う枝がありました。左は一年目の枝で、右が二年目の枝です。コウヤボウキは左の枝に花が咲き、ナガバノコウヤボウキは右の枝に花が咲きます。富士市では、ナガバノコウヤボウキも見る事は出来ますが、個体数はずっと少ないと思います。

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葉の表面の毛と端の突起を接写してみました。これらも、観察要素だそうです。

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イケマ?かと思ったら、少し感じが違います。葉をむしると、イケマのように白い汁が出ないで、クサギに似たような臭いがありました。この植物は何でしょう?

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左は、葉の基部の開き具合などからヒメチドメで、右は、オオバチドメでしょうか?

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蒐場発見!この林内、夜は魑魅魍魎の巣窟かも?センサーカメラを仕掛けたら何が写るだろう?

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お気に入りの苔・・ヒノキゴケがまとまって生えていました。薄暗い林内では、フユイチゴの果実も所々で見る事が出来ました。

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ヒノキゴケの葉には鋸歯があります。でも、手触りは萌の毛より柔らかです。

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フユイチゴは、食用になります。美味しそうでしょ?

近くの山林探索②へ続きます。

地区の文化祭では、小中学生~大人たちの力作がいろいろ展示されていました。各町内の露店も、とても賑わっていましたよ。一番印象に残ったのは、山林探索で上の蒐場を見た後だったこともあり、来年の干支であるイノシシの作り物でした。

そして、山野草の寄せ植えで予期せぬものを見付けました。ダイモンジソウの傍に、シダ植物・・ハナヤスリの仲間が生えていたのです。

静岡県で記録されているハナヤスリの仲間は、ハマハナヤスリ、ヒロハハナヤスリ、コヒロハハナヤスリ、コハナヤスリなどがあるようです。静岡市内の寺で見るものは、春に胞子葉が出ており夏には姿が見えませんでしたから、ヒロハハナヤスリだと思います。この日見たハナヤスリの仲間は、まだ緑の栄養葉があり、胞子葉も出ていましたので、ヒロハハナヤスリ以外だと思います。出展者の方の話では、植えた覚えがないとの事でしたから、その方の自宅近くに自生しているものと思われます。後日調査予定です。

2018年10月27日 (土)

園芸品種のダイモンジソウとおすすめソフト

【園芸品種のダイモンジソウ】

数年前、ホームセンターの園芸コーナーで、ディスカウントのダイモンジソウを買って来ました。最近では、自生種から想像もつかないような変わった花が作出されています。

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通常は、上部3個の花弁が短く、下部2個の花弁が長い5弁花ですが、このダイモンジソウは花弁の数に変異があります。

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6弁花に9弁花・・同じ株でも花弁の数がいろいろです。

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12弁花もありました!咲き始めの花は、右のように鮮朱色です。

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ダイモンジソウは、実生発芽率が良く、零れ種が発芽して鉢の表面が苗で一杯になる事があります。ただ、開花に至るまで育てるのには、少しコツが要ります。

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こちらは、送粉者(ポリネーター)任せで交配し、初花を咲かせるに至った株です。上の赤花品種と白花品種の交配によるものだと思います。

山野の植物観察も楽しいですが、オリジナルの花を夢見るのも楽しいものです。

【おすすめソフト】

今日は、WordとExcelで作成した書類を、PDFデーターに変換しました。現役時代は、Adobe Acrobat Pro を使用していましたが、バージョンが古いのと、編集などをする必要がなくなりましたので、最近ではFree Softの「Cube PDF」を使っています。使い方としては、パソコンにインストールして、印刷するプリンターの指定を「Cube PDF」にするだけで、簡単に変換してくれます(解像度の指定もあります)。

例として、1.66MBの画像入りWord文章を変換してみると、907KBになりました。Word、Excelデーター以外にも、写真帳作成ソフトの「蔵衛門」データーや、CADソフトで作図したデーターなど印刷可能なものは変換できます。

※ダウンロードおよびインストールは、個人の責任でお願いします。

2018年10月26日 (金)

カラスウリとナンバンギセル

【カラスウリ】

カラスウリの果実が色付き、目につくようになりました。

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熟す前は、緑色に白い模様の入った果実です。雌雄異株ですので、雌株という事になります。

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やがてオレンジ色になって来ます。右の柿と似た色ですね。ガビチョウが熟すのを狙っています。人馴れしていて、脅かしてもすぐに戻って来ます。困った奴だ!

そして・・。

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やがて、綺麗な朱色になって完熟します。

種子を観察すると・・。

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打ち出の小槌に似た形をしています。果肉を取り除いたばかりの頃は、左のように艶のある黒っぽい色ですが、やがて右のように変色して来ます。

ところで、再生畑で初めてキカラスウリの果実のドライフラワーを見ました。カラスウリより一回り大きく、種子の形も違います。今迄、葉の艶や花が少し違うくらいだと思っていました。まだ写真がありませんので、チャンスがあったら比較してみたいと思います。

とりあえず、花の比較だけ・・。

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左がカラスウリで、右はキカラスウリの花です。キカラスウリは、早朝の写真なので萎み始めていました。

ウリ科カラスウリ属カラスウリ(Trichosanthes cucumeroides (Ser.) Maxim. ex Franch. et Sav.)。

【ナンバンギセル】

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ササを刈り取った場所に、ナンバンギセルの残り花がありました。他の個体は既に果実期を迎え、種子を撒こうとしていました。

ナンバンギセルは、イネ科の植物の根に寄生するとあります。この場所で、イネ科と言えばチヂミザサが少し見受けられます。でも、ササが密生して下草の無い場所でも果実が見つかりました。

以前、沼津市某所のササの下でもナンバンギセルを見た事があります。ササもイネ科ですので、宿主となるのでしょうか?

ハマウツボ科ナンバンギセル属ナンバンギセル(Aeginetia indica L.)。

夕方会合がありますので、少し早めの投稿です。

2018年10月25日 (木)

不法投棄監視パトロールで出会った植物(10月下旬)

今月二回目の不法投棄監視パトロールに行って来ました。この日は、いつものコース以外に、ゲートで仕切られた区間も含めました。

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林道愛鷹線某所から見た富士山です。

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スギやヒノキの林ばかりなのが寂しい・・。関係機関で、広葉樹の植林も推奨してほしいものです。

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もう花の季節は終わり、果実期に入っているタマアジサイの、咲き始めがありました。人も植物も、早咲きと遅咲きがありますね。

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リンドウ科の植物から・・。

この林道沿いでは、センブリやアケボノソウが多く見られます。でも、今回は台風被害の整備で、倒木除去と除草が行われ、殆ど刈り取られていました。アケボノソウは蕾ではなく、既に果実になっていました。

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リンドウ科の本家・・リンドウの花も咲いていました。

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こちらはシソ科、セキヤノアキチョウジです。下界で見る個体より、小型のものが多い・・。

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近くの渓でも見られるリュウノウギクの花が盛りでした。花期が終わりに近づくと、舌状花が淡いピンクを帯びて来ます。

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シロヨメナも、所々で晩秋を告げていました。

右は、渓で沢山見られるダイモンジソウです。

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子房が膨らみ始め、開花してからの時間の経過が窺えます。

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愛鷹山系では、トリカブトも良く見かけます。

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ゴンズイとガマズミの果実の赤色が目を惹きました。

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果皮に皺が寄ったサルナシの果実です。このくらいが一番美味しい!雌雄異株ですが、林道沿いでは、雌株が多いように思います。

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果実の色、葉の様子からイヌザンショウだと思います。サンショウの果皮は、緑から赤く熟し、やがて褐色になって黒い種子が姿を現します。

最後に・・。

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コンクリートブロックの擁壁をオレンジ色に染めていたのは、スミレモの仲間のようです。

普通に見られる植物ばかりですが、季節を感じながら探索するのも楽しいものです。この林道から見上げる気になる場所があります。かなり急勾配だけど、歩ける内に探索してみようと思っています。

最近コンデジばかり使っていたので、収納庫で留守番していたデジイチと16-300mmの望遠マクロレンズで撮ってみました。PCに取り込んでみると、ピンボケばかり・・老眼の上に腕も悪いから仕方ありません。

2018年10月24日 (水)

クロヤツシロラン果実の頃

クロヤツシロランの果実が、姿を現す頃になりました。花は地際に咲き見付けにくいので、花柄が伸びたこの時期に自生地を探します。

本日、不法投棄監視パトロールで行った新たなエリアで発見しました。先日、笹刈をして延長した萌の散歩道にもその姿がありましたので、撮ってみました。

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この周辺は、ヒノキの林です。

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上の果実を別々に撮ってみました。左は8個、右は5個の果実が付いています。8個の果実が付いている個体は、初めて見たと思います。

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この周辺には、結構生えていました。来年は、花を見に行かなくては!

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鞘が割れ、種子を飛散し始めた果実です。種子の飛散が終ると、鞘や花柄は間も無く枯れます。果実(ドライフラワー)が、来年の芽出し頃まで残るムヨウラン類とは対照的です。

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花茎と花柄の境目を撮ってみました。花はこの境目辺りに咲きます。花径は短く、受粉すると花柄が伸びて来ます。

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受粉出来なかった花柄の痕跡があります。

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雪洞の骨組のような帯が見えます。このラインで裂けます。

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種子を放出し終わった果実。雪洞の骨組みが6本あります。

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赤道の中央付近にに生えていた個体を、標本用に持ち帰りました。まだ花柄が伸び切っていないようです。

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塊茎を接写して見ました。この時期には、根状器官が無くなっています。

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塊茎にはこのようなイボが見受けられることがあります。根状器官のイボとは違うのだろうか?

花の時期には、気がつきませんでしたので・・。

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クロヤツシロランは、こんな花が咲きます。スギやヒノキの林床で、この色彩ですから花の時期に見つけるのは至難の業です。果実期に見つけて置いて、翌年の花期に探すのが一番です。

群生を見付けても、数年するとポツポツになってしまう事が多々あります。そのエリアの菌糸を食べ尽くして、他へ移動していくのかもしれません。

ラン科オニノヤガラ属クロヤツシロラン(Gastrodia pubilabiata Y.Sawa)。この学名、少し時期がずれればGastrodia pubilabiata suginoanaとなっていたかも?

2018年10月23日 (火)

朽木の観察

また、女子受けのしない記事ですが・・。再生畑で、朽木の観察をしてみました。変形菌かキノコか分からないものばかりです。ご存知の方教えてください。→フジタケさんに教えて頂き、10/24に追記しました。

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これは、以前も掲載した事があります。マカロニのようなものは、変形菌でしょうか?→パイプタケ属のキノコのようです。

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こちらも、キノコか変形菌か分かりません。→左はキノコらしい。

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薄緑色の物体・・何だろう?

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こちらは、小さなキノコのように思えますが・・。

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これもキノコ?右はその幼菌かな?→ムラサキゴムタケ。

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変形菌だろうか?

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とても小さな生き物・・トビムシの仲間のようです。左に写った動物の足のようなものはヒノキの葉の先端です。このトビムシが、如何に小さいか分かると思います。

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こちらは、少し大きい・・。図鑑で見ると、シママルトビムシに似ています。

トビムシは、森林土壌中に数万個体/㎡と高密度で生息し、落ち葉や腐植を食べ分解する役割を果たしているそうです。不気味な奴ですが、役立っているようですね。

今日で、派遣依頼を受けた「みどりの学校」などは、全て終わりました。みんな、思ったよりずっと大人で、とてもしっかりしていました。私自身も、良い勉強をさせて頂きました。

2018年10月22日 (月)

御殿場口の植物

今年は、あまり富士山へ行きませんでした。訪れる人も殆どいなくなった御殿場口で、気になった植物を集めてみました。

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フジアザミは、もう花期も終わりドライフラワーになったものもありますが、まだ咲き残った花を見付けました。

スコリアの大地にポツンと佇む姿は、もの悲しさを感じます。

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シカの食害に遭ったと思われる花茎が、彼方此方で見られました。こんなの食べて痛くないのかな?

右はドライフラワーです。

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冠毛を摘まんで種子を観察しました。虫に食べられた様な種子も幾つかありました。

ところで・・。

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採取した種子を蒔いたところ、数本発芽しましたので、再生畑に植えてあります。無事育ってくれると嬉しいけど・・。

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左のドライフラワーは、イタドリ(雌株)の仲間です。イタドリの仲間は、いろいろな種類がありますが、私にはこの状態で区別する事は出来ません。

右は、この日唯一目にしたヤマハハコです。残り花を探すのも楽しいものです。

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この綺麗な葉を持つ植物は、植栽されたレンゲツツジのようです。紅葉一番乗りかな?

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キオンの果実と残り花。

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ロゼットは、左がミヤマオトコヨモギで、右はコウゾリナ?

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クサボタンが、センニンソウ属特有の果実をつけていました。

右のカラマツの葉を盛った小さな山は、エゾアカヤマアリの巣だそうです。以前、噛みつかれた事があります。身体を引っ張ったら頭だけ噛みついたまま残っていました。要注意のアリです。

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この辺りで見られるイネ科の植物は、ススキ以外にカリヤスモドキやタカネノガリヤス、ヒメノガリヤスなどがあるそうですが、私には良く分かりません。

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花穂を撮ってみました。毛が短く芒があります。

今日は、小学校一年生との自然遊びでした。みんなとても元気で、3グループを相手にしていたら疲れました。先生たちは、毎日あの元気と向かい合っているのですから、大変な職業だと思います。

2018年10月21日 (日)

公園で見た富士山など

今日は暖かな一日で、富士山が良く見えていました。

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こちらは、萌の朝散歩が終った後(7時頃)の富士山です。昨晩また雪が降ったようです。

そして、当番で行った浮島ヶ原自然公園でも・・。

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雲一つない青空でした。アンテナ塔が邪魔ですね。わざわざ、公園の近くに作らなくても・・。

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富士山の手前に見えるのは、愛鷹連峰の裾です。

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こちらは、公園入口の調整池に写った逆さ富士です。水面を覆い尽くすほど繁茂していたヒシは、綺麗に除去されていました。

池脇に建てられた低圧電灯の引き込みポールには・・。

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カワウがとまっていました。

今日は、ロケットランチャーのような大きなレンズを持った野鳥ファンが、大勢来園しました。私は、高倍率のコンデジか18.8倍のズームレンズしか持っていません

多目的室に置いてあったビニル袋の中を覗くと・・。

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これはキノコ?それとも変形菌の子実体?

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こちらは、胞子を飛ばし始めた変形菌の子実体のようです。

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こちらも・・。

少し前に、赤道の草刈りで出会ったススキを掲載しましたが、園内にはアシに混じってオギが生えていましたので、撮ってみました。

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毛が長く、先端に芒がありません。

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まだ若い穂(花序)。手触りは、猫の毛のように柔らかです。

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葉の縁には、鋸の歯のような鋸歯があります。

昼頃から、アメリカザリガニ釣りファンが大勢来園しました。親子三代で来た家族もあり、微笑ましい光景を目にする事が出来ました。

明日は、低学年の自然遊びに付き合います。初めての事なので、どうなる事やら・・。

2018年10月20日 (土)

みどりの学校で出会った植物

午前中、みどりの学校(自然観察)でした。夕方は、土砂降りの雨・・パソコンに表示されるtenki.comの一時間予報が的中しました。

途中、気になった植物を集めてみました。 

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彼方此方で、ノコンギクの花が盛りです。花色は、場所によって様々です。苦手なキク科の花も勉強しなくては・・。

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フユノハナワラビの胞子葉も、目につきました。

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左は若い胞子葉で、右が成熟した胞子葉のようです。胞子嚢に、割れ目が見えています。並んで生えている所を初めて見ました。

ハナワラビ科ハナヤスリ属フユノハナワラビ(Botrychium ternatum (Thunb.) Sw.)。

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これは?

左は、この地で見たホタルブクロの果実で、右は、富士山の砂礫地で見たヤマホタルブクロの果実です。ヤマホタルブクロは、まだ種子が残っているようでした。

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網目が種子の一斉飛散を調整しているのでしょうか?これからの季節は、ドライフラワーの観察も面白いです。

そして・・。

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菌糸と子実体の説明をしようと手に取った枯れ枝に、チシオタケが生えていました。

特徴が分かり易い様に、別の場所で撮った写真を掲載します。

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笠に傷をつけると、出血したようになります。ところで、これは何のため?

クヌギタケ科クヌギタケ属チシオタケ(Mycena haematopus (Pers.) P. Kumm.)。

チシオタケは、キシメジ科と記載された図鑑が多いようですが、最近はクヌギタケ科とされているそうです。

みどりの学校以外にも、NPO法人富士山クラブなどの観察会があったようで、林道はとても賑わっていました(準会員ですがメルマガを見逃したか、或いは研修かもしれません)。それを見た子供たちは、「父兄の観察会だ!」と言っていました。思わず笑ってしまいました。

2018年10月19日 (金)

ホソバノツルリンドウ果実の頃

ずっと気になっていた、ホソバノツルリンドウの果実を見に行って来ました。この日は、来年のためにGPSで確認場所を記録しました。

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予想通り、花は終わって果実の時期になっていました。

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でも、緑色の葉も少しだけ残っていました。

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この左右の写真は、蔓を辿ってみたところ一株だと思います。凄い花数ですね。

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熟した果実。左は果皮が裂けかかっていました。

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花の時機は逸してしまいましたので、以前別のところで撮った花を掲載します。

そして、ずっと気になっていた、種子の観察です。

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萎びたような果実を裂いて見ると、とても小さな種子が入っていました。ホソバノツルリンドウの果実は、ご覧のように蒴果です。

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ユリの種子を微細にしたような感じです。私には、この種子のサイズを測る術がありませんので、Webページを参考にすると、翼を含めて1mm×0.7mm程度だそうです。この小さな種子は、自力で発芽できるのだろうか?それとも、地中の菌に頼って発芽するのだろうか?

同じく蔓性のリンドウ科、ツルリンドウの果実は・・。

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こんな液果がつきます。

ホソバノツルリンドウは、一年草だそうです。だから、今年見たものは来年見る事が出来ません。でも、この種子が飛散して、その近くに生える可能性は十分にあります。この日は予想を上回る個体数を確認しましたので、来年が楽しみです。

以前、60Hzエリアのホソバノツルリンドウの記事を掲載しました。その時は、2個体しか確認出来ませんでしたが、その後、15個体も確認する事が出来ました。ただ、中には30㎝くらいの小さなものも数本ありました。この植物は、寄生或いは共生菌に依存しているようで、十分に養分が得られなくて成長出来なかったのかもしれません。

両方の自生地は、かなり環境が違っています。それも、また興味深いところです。

リンドウ科ホソバノツルリンドウ属ホソバノツルリンドウ(Pterygocalyx volubilis Maxim.)。

明日から、みどりの学校や公園の当番が続きます。どんな出会いがあるか楽しみです。

2018年10月18日 (木)

留守番の萌と再生畑の植物

このところ、天気予報がころころ変わるように思います。

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番犬業務をしていたのか、昼寝していたのか分かりませんが、私が帰宅してもすぐにこちらを向きませんでした。たぶん昼寝していたのだと思います。困った奴だ!

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土のエリアがお気に入りのようで、彼方此方に穴堀しています。鼻の頭に土がついています。身体じゅう土だらけで、すり寄って来る事があります。よそ行きの服では、近寄れません。

次は、再生畑の植物観察です。

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カタバミの花が咲いていましたので、除草前に撮ってみました。左が普通のカタバミで、右がアカカタバミです。

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カタバミとアカカタバミの葉です。アカカタバミ・・葉色からウスアカカタバミかも?調べて見ると、カタバミもいろいろあるようです。葉の縁だけでなく表面にも毛のあるものをケカタバミと呼ぶそうです。

カタバミ科カタバミ属カタバミ(Oxalis corniculata L.)。

カタバミ科カタバミ属アカカタバミ(Oxalis corniculata L.  f. rubrifolia (Makino) H.Hara)。

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花期は、4月~6月となっていますが、ヘビイチゴの花が咲いていました。近くには、大きな果実も生っていました。

バラ科キジムシロ属ヘビイチゴ(Potentilla hebiichigo Yonek. et H.Ohashi)。

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ヨメナとコンギク(ノコンギク)は似ています。この花は、ノコンギクだと思います。

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長い冠毛は、コンギク(ノコンギク)の特徴です。

キク科シオン属ノコンギク(Aster microcephalus (Miq.) Franch. et Sav.  var. ovatus (Franch. et Sav.) Soejima et Mot.Ito)。

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センニンソウの果実です。虫に食べられていました。今年は、キンランなどの子房にハモグリバエの仲間が侵入して、種子を食べてしまう事を知りました。種子が出来ないと、絶滅への道を辿る事にもなりかねません。

キンポウゲ科センニンソウ属センニンソウ(Clematis terniflora DC.)。

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こちらは、シロバナハンショウヅルの果実です。種子の付いているものが少なかった・・。

キンポウゲ科センニンソウ属シロバナハンショウヅル(Clematis williamsii A.Gray)。

タデの仲間も苦手です。

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蕾が赤っぽい事と、密についています。これはイヌタデかな?

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托葉鞘の縁に長毛があるのもイヌタデの特徴です。良く似たオオイヌタデの縁毛は1mm以下(図鑑によっては、縁毛が無いと表現)だそうです。

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花弁のようなものは萼片で、オシベは通常8個とあります。数えて見ると、7個と8個の花がありました。葯が金平糖みたいですね。花柱は3裂しています。

タデ科イヌタデ属イヌタデ(Persicaria longiseta (Bruijn) Kitag.)。

植物の名前が間違っていたら教えてください。

雨が降ると、タマネギの苗がシャキッとします(立ちます)。今日見に行ったら、見事に立ち上がっていました。除草作業はうんざりしますが、野菜の成長はとても嬉しいものです。

2018年10月17日 (水)

赤道再生で出会った植物など

時間のある時に、萌の散歩コースの延長も兼ねて、付近の赤道の草や笹刈などをしています。

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昔は利用者もいたため、車両での通行も可能でしたが、現在は四駆の軽トラでやっとという感じです。写真は、一面に繁茂した笹を刈り取った後の様子です。倒木は、後日チェンソーを持って行って切断する予定です。

ところで・・。

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左のススキエリアは、葉が変色し、穂がほとんど見えません。この近くには、産業廃棄物の焼却場があります。その排気の熱気の影響かもしれません。隣接するヒノキ林は、高温の排気で葉が赤くなり、施設に買い取ってもらったと聞きました。

排気の方向から少し外れた場所では、ススキの穂が見えています。丈の低いのは、要注意外来生物のメリケンカルカヤではないでしょうか?最近、彼方此方で見かけるようになりました。手前には、苔の絨毯が見えています。除草剤を多用した場所には、このような苔が見受けられます。

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セイタカアワダチソウが花盛りでした。こちらも、要注意外来生物に指定されています。また、日本の侵略的外来種ワースト100にも選定されています。

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まだナンバンギセルが咲き残っていました。この植物は、個体毎に、開花時期にかなりな開きがあるようです。

ススキの穂を観察してみました。

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ススキはオギと良く似ています。ススキの小穂は、毛が短く芒(ノギ)があります。オギの小穂はススキより毛が長く、芒がありません。

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ススキの葉の縁を撮ってみました。鋸の歯のようなものがついています。これで、指などを切ってしまう事がありますから、要注意です。

スギ林の近くには・・。

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こんなキノコが生えていました。スギエダタケのようです。

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スギエダタケは、食用になるそうですが、小さいので数を採らないと食べた気になりません。

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透明感のある笠と密に並んだヒダ、そして柄に生える毛も特徴の一つです。

身近に生える植物などが少しでも分かるようになると、朝夕の散歩が更に楽しくなります。

2018年10月16日 (火)

丸火自然公園で自然観察

今日は、午後から若い世代と自然観察を行いました。いつも思うのですが、私が同年代の頃に比べて、みんなとてもしっかりしています。

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昨日の写真は、山頂付近が雲に隠れていましたので、萌の朝散歩前に雪を纏った富士山を撮ってみました。

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深山の冬は早いので、下界よりも早く花を咲かせる植物があります。イワシャジン、トリカブト、ダイモンジソウなど・・。初夏の植物と反対ですね。

自然観察で、気になったものを掲載します。

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なんと、ミヤマクワガタのオスを見付けた子がいました。

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最近では、久々の出会いです。名前の通り、標高の高い所に生息するようですが、私が幼い頃は近くの山林でも見かける事がありました。昔は、現在とは比較にならないくらい寒かったから?

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木の芽に集っていた蜘蛛を見付けました。先生の苦手な、カマドウマを捕まえた子もいました。子供たちは、観察眼が鋭いです。

そして・・。

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落葉広葉樹林内で、クロヤツシロランの果実を発見!この場所では、エンシュウムヨウランの果実も見つかりました(花の時期に確認しております)。光合成を行わず、キノコを食べて生きる野生ランが混生していたのです。

落葉広葉樹林で、クロヤツシロランを見た事はありますが、スギ林に比べてずっと少ないと思います。

今回も、慣れない解説をみんな熱心に聞いてくれました。人に説明するという事は、自分の勉強にもなります。知っているものしか説明できませんが、知っていても名前がすぐに出てこない事があり、それが一番の悩みです。歳のせいにしてごまかしています

2018年10月15日 (月)

ヒメヤツシロラン栽培実験容器

今朝、萌の散歩の後に富士山を見ると、雪を纏っていました。

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5~6合目辺りまで、白くなっていました。この後、雲に隠れてしまいました。

ヒメヤツシロランの根状器官と菌糸の接触部分に、変化がありましたので撮ってみました。

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①と②は、以前接触して、イボのようなものが出来たところです。③は、今回見付けました。

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これは、9月28日に根状器官を菌糸の所へ誘導した写真です(③)。

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10月12日に見ると、根状器官に菌糸が触れた部分が黄色くなり、瘤のようなものが出来ていました(③)。

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こちらは、以前出来た部分・・①と②です。

ヤツシロラン類の好みの菌糸(共生菌)だった場合、この瘤が出来るようです。根状器官が、無事養分を吸収してくれれば、来年もヒメヤツシロランの白い花が見られるかもしれません。この菌糸を絶やさないために、竹林の部材を追加しなくては・・。

ラン科ヒメヤツシロラン属ヒメヤツシロラン(Didymoplexis micradenia (Rchb.f.) Hemsl.)。

今日は、タマネギを植えました。昨年と同じくらいの数(約500本)だと思います。屈んで植えるので、腰が痛い!ソラマメの準備もしなくては・・。

明日は、みどりの学校で、若い世代との交流です。天気は良さそうだし、こちらも楽しみです。

2018年10月14日 (日)

ムレチドリ

プテロスティリス・オブツサの花とほぼ同じ頃、ステノグロッチス・ロンギフォリア(ムレチドリ)の花が咲き出しました。

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毎年、植替えをしようと思いつつ、時機を逸して来ました。大きな株になり、今年は5本の花茎が伸びています。

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スルメイカのような唇弁が特徴的です。

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ランの花は、アニメのキャラクターや人形を連想させるものが多いですね。

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花柄子房の捻じれ・・180度でしょうか?

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茎に集っていた蜘蛛。最初は茎の汚れかと思っていました。上手く隠れるものですね。

ラン科ステノグロッチス属ステノグロッチス・ロンギフォリア(Stenoglottis longifolia)。

ムレチドリは、南アフリカ原産の野生ランだそうです。庫内のワーディアンケースに入れて冬越ししていますが、凍らない程度なら加温もいらないと思います。小さな花ですが総状に沢山の花を付けるので、見応えがあります。

今日は、富士市中央公園で「緑と花の百科展」が行われ、早朝より参加して来ました。天気の悪い時間帯もありましたが、クラフトコーナーはとても賑わっていました。

2018年10月13日 (土)

ヤブマメの地下につく豆果

除草作業で引き抜いたヤブマメの蔓に「1種子だけの豆果」がついていたので、撮ってみました。

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ヤブマメの花です。こうして見ると、綺麗な花ですね。

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こちらが地上部につく果実(豆果)です。2~3個の種子が入っています。

そして、地下には・・。

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閉鎖花が、少し扁平な1種子だけの豆果をつけます。

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こちらも・・。右は少し緑に見えます。

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こちらが、閉鎖花・・豆果の赤ちゃんです。形は違いますが、地下結実性の落花生を思い浮かべました。

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こちらは、マメ科植物の特徴である根粒です。

根粒の名前は知っていましたが、その働きを良く知りませんでしたので、調べてみました。

◇少し勉強

マメ科植物では、窒素が不足がちな土壌において、根粒菌が空気中の窒素固定を行って植物へ供給し、植物は光合成による産物を根粒菌へ供給する共生関係が成り立っている。根粒菌が、マメ科植物の根に形成した瘤(こぶ)を根粒と呼ぶ。

菌と植物との関わり合いは、いろいろな形があるようですね。素人の私にとっては、とても興味深く不思議な世界です。

2018年10月12日 (金)

プテロスティリス・オブツサ

今日も除草作業でした。腰と腕が痛い・・。

毎年この時期に咲く、ランがあります。昆虫かエイリアンのような面白い花を咲かせるプテロスティリス・オブツサです。

空に向かって撮ってみました。

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面白い形の花でしょ?

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二本の触角のようなものは、萼片です。

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庫内で撮ってみました。

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上から・・。

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プテロスティリスの仲間は、頭巾蘭と呼ばれています。正面から見ると、頭巾を被った鞍馬天狗のようでしょ?えっ!鞍馬天狗なんて知らない?

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こちらは、このランの未開花株の葉です。開花株の葉と比べると、別種のようです。

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芽の先端が出るように植えたのですが、少し浅かったかな?左が開花株で右が未開花株です。開出した髭のようなものは根の一部?

ラン科プテロスティリス属オブツサ(Pterostylis obtusa)。

オブツサの原産地は、オーストラリア東部だそうです。一般的には、秋に芽を伸ばし始めて春に開花するものが多いようです。我が家のオブツサは、無加温で今頃咲きます。来春2月末~3月頃には、ヌタンス・アルバが咲きます。こちらも、面白い花を咲かせます。

このランは、花後に地上部が枯れ休眠します(夏休眠性)。山間の我が家でも、庫内に取り込むだけで冬越し出来るので、比較的、栽培しやすいランだと思います。

2018年10月11日 (木)

イシミカワ

昨晩は、富士山の笠雲予報の通り雨が降りました。野菜畑には、有り難い雨です。

再生畑②にイシミカワが生えていたので、観察してみました。

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この植物も、鋭い棘を持っています。袖を捲ってうっかり触ると、痛い目に遭います。花序は皿のような苞の上についています。面白いですね。

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三角形の葉と、葉状の托葉です。下に掲載したママコノシリヌグイの葉に比べて、三角の頂部が少し丸みを帯びていて、葉柄も葉の縁ではなく、少し中についています。

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葉裏の脈上や葉の縁にも棘が生えています。本当に危険な植物ですね。

葉柄や茎の棘も撮ってみました。

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葉柄と上部の棘。

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上の写真より下の部分~中間部の棘。

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更に下の棘。葉柄や上部の方が棘が目立ちます。

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こちらは、特徴ある果実です。

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果皮のように見えるのは、花後に多肉質になって緑白色から紅紫色、青藍色に変化した花被だそうです。多肉質の花被が破れて、種子が見えていました。剥がすと、光沢のある種子が姿を現しました。

そう言えば、この植物の花をちゃんと見た覚えがありません。

捜してみると・・。

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咲いていました!

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地味な花ですね。良く見ないと、若い果実と区別がつきにくい・・。

タデ科イヌタデ属イシミカワ(Persicaria perfoliata (L.) H.Gross)。

三角形の葉と鋭い棘を持つ、似た植物があります。

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こちらは、ママコノシリヌグイです。登録者の方は、なんというひどい名前をつけたのでしょう?

影になって分かり難いですが、葉柄が葉の縁についています。また、イシミカワに比べて葉先が尖っています。花はミゾソバに似ています。イシミカワの花とはかなり違いますね。

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棘も、同じように下向きですが、イシミカワと違います。

タデ科イヌタデ属ママコノシリヌグイ(Persicaria senticosa (Meisn.) H.Gross)。トゲナシママコノシリヌグイ( var. inermis Sugim.)もあるそうです。

今日は、シキミ畑の農薬散布にやって来ました。周辺の畑に一気に散布して行きましたので、風向きが変わっても臭います。部屋の中まで臭くなるので、窓も開けられません。シキミの実は植物としては唯一、毒物及び劇物取締法により劇物に指定されています。有毒植物の上に、頻繁に農薬散布するなら、民家から離れたところで栽培してほしいものです。

2018年10月10日 (水)

季節だより観察会(十月)

今日は、月一回の季節だより観察会でした。行きに、不法投棄監視パトロールを兼ねて参加しました。

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集合時間前は、薄い笠雲を被っていましたが、何処かへ飛んで行ってしまいました。

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ススキの穂がとても綺麗でした。ただ、例年に比べてススキの丈が低いように思いました。

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今日の目玉植物であるウメバチソウと、センブリ、サワヒヨドリです。

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ウメバチソウを初めて見たのは、この草原でした。その後、長野県でも幾度か見る事が出来ました。

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白い花は、通常モードだと上手く撮れません。少し暗めの設定で撮りました。

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仮雄蕊の腺体が15~16個/本確認出来ますので、高山型のコウメバチソウ(腺体が7~11個)ではなく、ウメバチソウですね。以前、長野県の高山でウメバチソウと思ってみた植物は、コウメバチソウだったのかもしれません。次回訪問時の課題です。

ウメバチソウ(Parnassia palustris L.  var. palustris)。旧分類体系では、ユキノシタ科でしたがAPGではニシキギ科に分類されています。

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サワヒヨドリの花とサワフタギの果実です。

葉が対生なので、サワヒヨドリだと思います。私は、葉柄も区別点として考えていたのですが、ヒヨドリバナとの交雑が出来やすいそうで、殆ど無いものと明瞭なものがあるそうです。難しいですね。

サワフタギの葉は、我が家の庭に生えるウメモドキの葉に似た感じです。別名を果実の様子から、ルリミノウシコロシというそうです。葉葉の縁がギザギザしていて、果実がサワフタギに比べて黒ずみ、裏の脈上に白毛があるのをタンナサワフタギというそうです。

キク科ヒヨドリバナ属サワヒヨドリ(Eupatorium lindleyanum DC.  var. lindleyanum)。

ハイノキ科ハイノキ属サワフタギ(Symplocos sawafutagi Nagam.)。

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こちらはセンブリの花です。

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除草作業で一度刈り取られたからか、小型の個体が目立ちました。幼い頃は、お腹が痛くなると煎じて飲まされました。とても苦いですが、下手な市販薬より効くと思っています。

リンドウ科センブリ属センブリ(Swertia japonica (Schult.) Makino)。

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黄色い花・・アキノキリンソウと、コウゾリナの花です。キク科の植物は、興味が薄いせいもあって、直ぐに名前が浮かんで来ません。身近で見られる植物は、ちゃんと勉強しなくては・・

キク科アキノキリンソウ属アキノキリンソウ(Solidago virgaurea L.  subsp. asiatica (Nakai ex H.Hara) Kitam. ex H.Hara)。

キク科コウゾリナ属コウゾリナ(Picris hieracioides L.  subsp. japonica (Thunb.) Krylov)。

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畑のラッキョウは、来年に向けて葉が伸びて来ました。こちらは、ヤマラッキョウです。食べた事はありませんが、葉や鱗茎が食用になるそうです。種子を採取して野菜エリアで栽培してみようかな・・。

ヒガンバナ科ネギ属ヤマラッキョウ(Allium thunbergii G.Don)。白花品種のシロバナヤマラッキョウ(Allium thunbergii G.Don  f. albiflorum (Makino) Hondaも登録されています。

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ススキの中に、隠れるように咲いていたトリカブトです。イワシャジンの咲く渓にも、咲いている頃だと思います。そちらは、直立しないで斜傾しています。

キンポウゲ科トリカブト属ヤマトリカブト(Aconitum japonicum Thunb.  subsp. japonicum)。

最後に・・。

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ゲンノショウコの果実が、跳ね上がって種子を飛ばす体勢になっていました。面白いでしょ?

フウロソウ科フウロソウ属ゲンノショウコ(Geranium thunbergii Siebold ex Lindl. et Paxton)。

今日は晴天に恵まれ、多くの参加者がいました。遠方から参加された方もいて、楽しい観察会でした。

2018年10月 9日 (火)

ヌマダイコンとヒヨドリバナ(再生畑②)

今日も良い天気でした。再生畑①②と掛け持ちしました。②の主作業は、笹刈です。これがとても大変・・彼方此方にサロンパスを貼らなければ!

再生畑②に、ヌマダイコンとヒヨドリバナが咲いていました。

【ヌマダイコン】

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この植物に初めて出会ったのは、静岡市の山中でした。その後、富士市内にも生えている事を知りました。どこにでも生えているかも知れませんが、私にとっては出会う事の少ない植物です。

そして、図鑑を見ていると、良く似た植物で、オカダイコンが掲載されていました。近畿以西から九州辺りが、従来の自生地のようですが、温暖化の影響か他地域でも見つかっているそうです。熱帯など温暖な気候に生えるとされているベンケイソウ科のキンチョウは、我が富士市でも海岸近くの松林に群生しています。

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微かにピンクがかっているかな?

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葉は重鋸歯。茎の下部からも分岐しています。

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「痩果が平滑のオカダイコンと疣状のヌマダイコンが別変種として分けられるようになった。」・・時間の経過とともに褐色に変化してくるそうです。採取したての時は、粘りが強く指から離れませんでした。

キク科ヌマダイコン属ヌマダイコン(Adenostemma lavenia (L.) Kuntze)。

【ヒヨドリバナ】

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ヒヨドリバナの仲間も、いろいろあって苦手です。花色や茎の色などにも違いがありますが、葉で見るのが一番分かり易いと思います。花色は、紅色がかったものもあるようですが、静岡県ではシロバナが多いようです。紅色で葉が対生ならサワヒヨドリかも?

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「頭花は、ややまばらな房状につき、少数の筒状花からなる。」とあります。髭のようなものは、2分岐した花柱の先です。

花に集っているのは、ハナムグリでしょうか?

キク科ヒヨドリバナ属ヒヨドリバナ(広義:Eupatorium makinoi T.Kawahara et Yahara)。オオヒヨドリバナ(狭義のヒヨドリバナ)(Eupatorium makinoi T.Kawahara et Yahara  var. oppositifolium (Koidz.) T.Kawahara et Yahara)。

身近で見る事の出来る植物の名前を覚えようと、少しずつ勉強中です。名前が間違っていたら教えてください。

2018年10月 8日 (月)

浮島ヶ原自然公園(十月上旬)

今日は、公園の当番でした。とても良い天気で、暑いくらいでした。

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24号台風の潮を含んだ強風のせいか、葉が枯れたようになってしまったアシが目立っていました。また、ジャヤナギなどの枝も木道に飛散していました。

ジャヤナギは、雌雄異株ですが、日本では雌株しか知られていないそうです。どうして増えるのだろう?台風などの強風で折れ、飛散した枝が発根して増えているそうです。

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管理棟から園内に入って直ぐに目についたのは、ユウゲショウ(アカバナユウゲショウ)の花でした。5月頃咲く花に比べて、ずっと小さく色も濃いですね。

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前回訪問時はまだ咲いていなかったアキノウナギツカミが、咲き始めていました。

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ミゾソバの花と良く似ています。

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ジュウガツザクラもそうですが、淡いピンクが良いですね。

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名前の由来は、この鋭い棘です。ウナギを掴むには短すぎるかな?

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こちらはミゾソバの花です。長期間、次から次へと咲きますので、見方によっては季節感の無い花です。アキノウナギツカミもそうですが、個体毎花色に変異があります。

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こちらは濃い方の花です。

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ミゾソバの茎にも棘があります。アキのウナギツカミ程ではありませんが・・。

園外北側の水路脇では・・。

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ツルウメモドキの果実が綺麗に実っていました。ツルウメモドキは、雌雄異株ですから、この木は雌株という事になります。「淡い黄色の果皮が3裂し、橙赤色の仮種皮に覆われた種子が露出」したのがこの状態です。

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綺麗でしょ?果皮が破れ、鳥の好みの色を見せるのは、未熟ではなく熟した種子を運ばせるためです。子孫を残すためにいろいろ工夫しているのですね。

ツルウメモドキはニシキギ科、似た名前のウメモドキはモチノキ科です。植物の名前は紛らわしいものが多いですね。

ところで・・。

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気になっていた大きなキノコは、表面が右のようになっていました。胞子を飛ばす状態になったのだと思います。ノウタケに皺が寄って、その後これと似た状態になったのを見た事があります。

また園内のどこかで、このキノコの子孫に再開できるかもしれません。

今日も、アメリカザリガニ釣りの親子が大勢訪れました。中には、ウシガエルと二度も顔を合わせてしまったお母さんがいました。今夜うなされるかも?

2018年10月 7日 (日)

チャノキ

生垣にしているチャノキに、花が咲いています。

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チャノキは、ツバキ科ツバキ属ですので、花もツバキに似ています。

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花は次々に咲きます。生け垣にしていると、落ちた花を掃除するのが面倒です。

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オシベの数が凄いですね。何本あるのだろう?写真では分かりませんが、花糸の基部が花冠と合着しています。ツバキの花と同じです。

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こちらは、蕾と果実(蒴果)です。

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果皮を剥がすと、3個の種子が入っていました。

ツバキ科ツバキ属チャノキ(Camellia sinensis (L.) Kuntze)。

在来のチャノキがあると書かれた図鑑もありますが、Ylistの生態情報では、帰化植物となっています。中国南西部原産で、奈良時代に渡来・・とあります。

今日は良い天気でした。一日違いの晴天が、悔やまれます。さて、明日は公園の当番です。来園者は多いかな?

2018年10月 6日 (土)

タイワンホトトギスとホトトギス

ヤマホトトギスやヤマジノホトトギスの花が終って果実期に入る頃、タイワンホトトギス(園芸種)やホトトギスの花が咲き出します。

【タイワンホトトギス】

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正確には、タイワンホトトギスとホトトギスの交配品だと思います。山野に咲くホトトギスと違い、花はヤマホトトギスのように茎頂や上部の葉腋に散房状に枝分かれして、上向きに数個つけます(散房花序/さんぼうかじょ)。

タイワンの名が付きますが、原種は西表島にも自生しているそうです。

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この品種に限ってかもしれませんが、蕾が紅紫色を帯びています。

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花柱と葯を撮ってみました。ちょっと不気味・・。

原種の学名・・ユリ科ホトトギス属タイワンホトトギス(Tricyrtis formosana Baker)。

【ホトトギス】

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こちらは、茎の先や葉腋に1~3個の花をつけます。葉腋に花を付けるのは、ヤマジノホトトギスと同じですね。そして、蕾が紅紫色を帯びていません。

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咲き始めは色が濃いです。

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個体毎の変異(色や斑紋の大きさなど)が多い花ですが、一般的にタイワンホトトギスより紅紫色が薄めです。

中には・・。

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こんな個体も見かけます。右は葯まで白いですね。

シロホトトギス(Tricyrtis hirta (Thunb.) Hook.  f. albescens (Makino) Hiyamaが、品種登録されています。

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「花柱の先は3裂し、各裂片の先は更に2裂する。」6本の内3本の花糸は、2裂した先端部に挟まるように伸びています。

ユリ科ホトトギス属ホトトギス(Tricyrtis hirta (Thunb.) Hook.)。

2018年10月 5日 (金)

スギ林に生えるアキザキヤツシロラン

スギ林に生えるアキザキヤツシロランが気になり、また様子見に行って来ました。

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台風の影響で、前回以上にスギの枝葉が積もっていました。これでは、アキザキヤツシロランはともかく、クロヤツシロランを見付けるのは更に難しくなります。

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この場所は、クロヤツシロランよりアキザキヤツシロランの方が多いかもしれない・・。

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クロヤツシロランよりも花茎が長いので、かろうじて堆積したスギの葉の上に姿を見せています。

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クロヤツシロランは唇弁に毛が生えていますが、アキザキヤツシロランの唇弁には毛がありません。また唇弁の色も白っぽい・・。見慣れると、花筒や果実の色でも区別出来るようになります。

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唇弁が下がった花。

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この日は、藪蚊の猛攻に遭いませんでしたので、同じような写真を何枚も撮りました

先日見た花は・・。

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花筒が落ち、花柄が伸び始めていました。左がアキザキヤツシロランで、右がクロヤツシロランです。

クロヤツシロランとアキザキヤツシロランの共生菌は、クヌギタケ属やホウライタケ属である事が、研究者によって確認されているそうです。自生する林の樹種(竹、常緑広葉樹、スギ)から、クロヤツシロランのほうが、多様な菌類と共生すると思っています。

今迄、アキザキヤツシロランは、竹林の林床に繁殖する菌類としか共生しないと思っていました。日本のランハンドブックにも「モウソウチクやマダケなどの竹林」と書かれています。ところが、この自生地はスギの林です。諸先輩のWeb記事には、「竹林など・・」と書かれていますが、「など・・」がどんな林なのか記載されてたものは見つかりませんでした。

花柄がもっと伸びた頃、また様子見に行くつもりです。このスギ林での、クロとアキの個体数の違いが凡そ分かると思います。

ラン科オニノヤガラ属アキザキヤツシロラン(Gastrodia confusa Honda et Tuyama)。

当初、アキザキヤツシロランとクロヤツシロランは、混同されていた(みんなアキザキヤツシロランと思われていた)そうです。クロヤツシロランは、1980年に高知大の澤先生(故人)によって採取された標本をもとに新種記載されたそうで、それまでアキザキヤツシロランと思われていたものの中に、クロヤツシロランが含まれていた事になります。我が富士市では、アキザキヤツシロランの自生地は、クロヤツシロランよりずっと少ないと思っています。

明日予定されていた〈富士市こどもエコクラブ交流会〉富士山の森を探索しよう!!『世界遺産富士山の大調査』は雨予報のため中止になってしまいました。楽しみにしていたのですが、安全第一・・仕方ありません。

2018年10月 4日 (木)

咲き始めた花と咲き残った花

十月桜の花が咲き始めました。中には咲き残っている花もあります。

【咲き始めた花】

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ジュウガツザクラは、春の桜と違い、ポツポツ物悲しいような咲き方をします。縁の淡いピンクが良いですね。

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左は鎮守の森で、右と上は我が家で撮りました。オシベの数が多いですね。同じく十月頃咲くフユザクラは、一重の5弁花で八重咲にはならないそうです。

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ダイモンジソウも咲き始めました。山野のダイモンジソウは、低地より標高の高いところの方が早く咲きます。早く訪れる冬への対策でしょうか?

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蕾を撮ってみました。花弁が開くと共に、葯袋が破け花粉を飛散するようです(左)。せっかちな花ですね。

これ以外に、サザンカも咲き出していました。

【咲き残った花】

咲き残ったというより、遅れて咲いた花の方が正しいかも?

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天涯の花・・キレンゲショウマです。果実期なのに、一部の茎ではまだ花が咲いていました。

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シバザクラも所々に咲いていました。日当りの良い石垣などで見る事が多いです。

右は、ホタルブクロの花です。殆どの茎が枯れているのに、この株はまだまだ元気そうです。そう言えば、富士山の砂礫地でもかなり遅い時期に、地面に接したようなヤマホタルブクロの花を見る事があります。

今日は雨・・不法投棄監視パトロールの報告書作成とメールにて送付、それから市への相談メールを書きました。改善してほしい事がある時、相談すれば真摯に対応してくれます。黙っていても、決して解決にはなりません。

2018年10月 3日 (水)

ヤブマメ

ヤブマメの花が咲いていたので、撮ってみました。

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彼方此方に絡み付き、除去の面倒な蔓植物ですが、近づいて良く見ると綺麗な花を咲かせます。

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7個の花を付けた房もありました。

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萼の色が違う・・。

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オシベが見えていました。

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こちらにも・・。

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下と上から・・。

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果実が出来ていました。縫い合わせ部分(縁)だけに長毛が生えているのも特徴の一つだそうです。

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葉は3小葉、両面に毛が生えています。細かい毛なので、上手く撮れません。手で触って見ると良く分かります。

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茎や葉柄にも毛があります。

ところで、気になる事が書かれていました。「閉鎖花を総状花序とは別に短い柄につけ、豆果はほとんど閉鎖花からできる。地下にも閉鎖花をつけ、1種子だけの豆果をつける。

身近な植物でも知らない事ばかり・・。地下の閉鎖花と豆果を観察してみよう!

マメ科ヤブマメ属ヤブマメ(Amphicarpaea bracteata (L.) Fernald  subsp. edgeworthii (Benth.) H.Ohashi  var. japonica (Oliv.) H.Ohashi)。

今日は、納屋の屋根を修理しました。車庫兼倉庫があるので、納屋は解体しようと思っているのですが、祖父母や両親が使っていた道具類がいろいろあるので、その整理を先にしなくてはなりません。捨て難いものがいろいろあって、なかなか踏ん切りがつきません。

※アクセス地域ランキングで、また山梨県がTOPになりました。静岡県ならともかく、山梨県が一位なんてどうも納得いきません。ココログのカウントが間違っているのでは?

2018年10月 2日 (火)

ハゼラン

今日は、良い天気でした。遅くなってしまった白菜とキャベツ、ブロッコリーなどの苗を植え付けました。ついでに除草作業もしたので、とても疲れました

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庭先にハゼランが咲いています。

ハゼランの花は、午後3時頃から咲き始めるので、三時花とも呼ばれているそうですが、杉野孝雄先生の著作集2「静岡県の植物」 に、一個体ではありますが、開花時間と個数を調べた結果が記載されています。それによると、16時前後に50%くらいが開花しています。三時花より、四時花の方が適した方言名(地方名/地域名)のようです。

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所々から分岐して枝を伸ばし、花を咲かせます。葉は、互生と対生が混在しています。

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小さいけど綺麗な花です。花弁は5個。まだ見た事はありませんが、稀に橙黄色の花もあるそうです。

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横顔・・。オシベは15~20個程度、柱頭は3裂するとあります。上に写っている赤い球形のものが、果実(蒴果)です。

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褐色に熟した果実を割ってみました。とても小さな黒い種子が出て来ました。種子の数はかなり多いのに、それほどの苗を見ないのは、発芽率が悪いか発芽しても殆ど枯れてしまうのかもしれません。

ところで、ハゼランは一年草なのだろうか?いろいろな図鑑やWeb記事に、一年草とありますが、我が家の庭先に生えるハゼランは、毎年同じ場所に同じくらいの株数が生えています。多年草では?とずっと思っていました。いろいろ調べて見ると、Wikipediaなどに、多年草と記載されていますので、その思いは正しかったようです。

ハゼラン科ハゼラン属ハゼラン(Talinum paniculatum (Jacq.) Gaertn.)。旧分類体系では、スベリヒユ科(Portulacaceae)とされていましたが、APGでは、ハゼラン科に改められました。

2018年10月 1日 (月)

神社境内の被害

凄い暴風雨でした。彼方此方に倒木があったり、枝や葉が散乱していました。

神社の木が倒れたと聞き、様子見に行って来ました。以前は、タブノキの巨木が倒れ、町内会で危険そうな木を伐採する計画をたてています。

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スギの枝や葉が沢山落ちていました。各組で、順番に掃除する事になっていますが、これは大変な作業になると思います。少しの枯葉を、ブロアーで吹き飛ばすようなわけにはいきません。

倒れた木を探すと・・。

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ありました!

アカシデの木だと思います。林道側に倒れているので、見に行くと・・。

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架空ケーブルに、もたれ掛かっていました。左から、通信線(電話など)、電灯線、動力線でしょうか?縦並びに架線されていますが、木に押され水平になっています。

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こちらは、アカシデの果穂です。葉のようなものを果苞と呼び、その基部に果実があります。変わっているでしょ?カバノキ科クマシデ属は、こんな果穂をつけます。

このアカシデの木には・・。

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ヨウラクランが着生しています。上部には、ムギランの着生も確認してあります。伐採したら救済しようと思っています。

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下にも落ちていました。右は、ホソバオオアリドオシ(ホソバニセジュズネノキ)の苗だと思います。この境内の斜面にも生えているので・・。

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雄花がびっしりついたスギの葉が落ちていました。これを見ただけで、鼻がムズムズする人がいるかも?

その近くには手を触れてはいけない植物・・ムカゴイラクサが生えていました。この境内にあったのを初めて知りました。

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上についているのは、雌花序です。そして葉腋には、名前の由来となったムカゴがついています。種子とムカゴで、子孫を残す逞しい植物です。

ムカゴイラクサの解説に「痛い棘」とありますが、刺さる事自体の痛みというより、棘に蕁麻疹(じんましん)を起こすヒスタミンが含まれているため、毒虫に刺されたような激しい痛みを感じます。幾度か経験済みです

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これは、キクラゲの仲間でしょうか?

そして・・。

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裏山で出会ったのと同じような、青いキノコが生えていました。

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こちらも小さい小さいので、遊々きのこさんに教えて頂いた、ヒメロクショウグサレキンだと思います。

今日は、お葬式に参列して来ました。今年はお葬式が多い・・。仕事でお世話になり、引退後趣味の付き合いを約束していた先輩、そして私よりも若い人もいました。来世に旅立つ時がいつ来るのか分かりませんが、残り少ない人生を少しでも悔いの無いように生きたいものです。

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