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2018年9月26日 (水)

スギ林に生えるクロとアキ

そろそろ、クロヤツシロランが姿を現す頃だと思い、富士市某所のスギ林を覗いて来ました。すると意外な事が・・。

【クロヤツシロラン】

Ap9260379

実生栽培実験で咲かせてから、自生地のクロヤツシロランを見に行くことが殆ど無くなりましたので、自生の花とは久々の出会いです。

Ap9260397 Ap9260400

まだこれからのようで、開花している個体はあまり見かけませんでした。中には、何ものかに花冠を食べられた様な個体もありました。

Ap9260399 Ap9260401

正面と上から・・。

スギの落ち葉が堆積した林床に、短足で咲く上にこの色彩ですから、とても見付けにくい花です。

ラン科オニノヤガラ属クロヤツシロラン(Gastrodia pubilabiata Y.Sawa)。

意外な事とは・・。

【アキザキヤツシロラン】

Ap9260389 Ap9260394

「この色、アキザキヤツシロランだ!」

Ap9260407 Ap9260393

沢山の蕾をつけています。

Ap9260408 Ap9260417

上から・・。

Ap9260330

花が咲き、子房が膨れ始めたものもありました。

Ap9260376 Ap9260375

それにしても、スギ林でアキザキヤツシロランに出会うとは思いもしませんでした。今日、目にした個体数は、アキの方が多かったです。アキとクロが混生する竹林では、クロが少し遅く姿を現しますので、そのせいかもしれません。また、アキに比べて、見付けにくい事も確かです。

ラン科オニノヤガラ属アキザキヤツシロラン(Gastrodia confusa Honda et Tuyama)。

クロヤツシロランは、スギ林やヒノキ林、或いは落葉広葉樹林でも稀に見た事があります。そして竹林にも・・。

でも、アキザキヤツシロランは、今迄竹林でしか見た事がありませんでした。しかも、アキとクロが生える竹林のすぐ隣のスギ林を、花期・果実期ともに探した事がありますが、見つける事は出来ませんでした。アキザキヤツシロランは、竹林にしか生えないとの認識を持っていたのにスギ林を探したのは、師匠のWeb記事を見て気になる事があったからです。それはまたの機会に・・。

アキザキヤツシロランをスギの部材で発芽実験するために、この場所のスギの葉や球果などを少し持ち帰りました。今迄、クロヤツシロランを実生発芽させていた容器内の菌と違うのかもしれない・・。

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コメント

久様、お早うございます。
コメントありがとうございました。
私も驚きました。
静岡県にお住いの杉野孝雄先生の調査論文にも、竹林だけが載っていたと思います。
目につき易い果実の時期だと、「スギ林ならクロ」という先入観がありますから、気付かなかったかもしれません。

スギ林にアキザキヤツシロランとは、珍しいですね。
私は竹林(主として孟宗竹)以外では、これまで見たことがありません。

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