10日ほど前になりますが、季節だより観察会で出会った植物を掲載します。場所は、富士宮市の富士山さくら園北側の自然保護林でした。生憎の雨降りでしたが、いつものメンバーが参加しました。みんな、もの好きですね
。

シマウマのポンチョ・・恰好良いですね。私は迷彩服のポンチョ着用でした。

この季節、彼方此方で見る事が出来るアレチヌスビトハギの花です。とても勢いのある植物で、町内の清掃作業で刈り取った後からまた伸びて花を咲かせていました。

アニメのキャラクターのような花ですね。

こちらが果実(節果)です。ここでは、2~4節ありました。
マメ科ヌスビトハギ属アレチヌスビトハギ(Desmodium paniculatum (L.) DC.)。
そして似た植物も・・。

ヌスビトハギです。小さいですが、とても綺麗な花を咲かせます。こういう淡い色合いの花が好きです。

横顔と果実。変種にヤブハギやケヤブハギがあるそうですが・・。
マメ科ヌスビトハギ属ヌスビトハギ(Hylodesmum podocarpum (DC.) H.Ohashi & R.R.Mill subsp. oxyphyllum (DC.) H.Ohashi & R.R.Mill var. japonicum (Miq.) H.Ohashi)。

同じくマメ科のヤブツルアズキです。マメ科の花は、左右対称の整ったものが多い中で、この花は非対称の変わり者です。
マメ科ササゲ属ヤブツルアズキ(Vigna angularis (Willd.) Ohwi et H.Ohashi var. nipponensis (Ohwi) Ohwi et H.Ohashi)。

左はミズタマソウです。ミズタマソウ、ウシタキソウ、タニタデなど似た植物があります。違いを調べてみました。
ミズタマソウは、萼片が無毛で茎の節が赤味を帯び、花弁の先が明瞭に2裂する。ウシタキソウは、花弁の先が2裂し、全体に柔毛が密生し、茎や節が赤味を帯びない。タニタデは、花弁の先端の切れ込みが浅く、茎や葉が無毛で茎や果実が赤味を帯びる。
アカバナ科ミズタマソウ属ミズタマソウ(Circaea mollis Siebold et Zucc.)。
右は、ムラサキツメクサ(アカツメクサ)です。
マメ科シャジクソウ属ムラサキツメクサ(Trifolium pratense L.)。
※Ylist標準和名がムラサキツメクサとなっていましたので、それに従いました。

この一角に群生していたのは、ワルナスビです。別名をオニナスビ、ノハラナスビというそうです。

茎や葉柄に鋭い棘があります。恐ろしい植物ですね。
ナス科ナス属ワルナスビ(Solanum carolinense L.)。

こちらは、シモバシラです。冬、枯れた茎に霜柱が出来てとても綺麗です。愛鷹林道の富士市エリアでは、アザミでも似た現象が見られます。
シソ科シモバシラ属シモバシラ(Keiskea japonica Miq.)。

セリ科の植物も似たものが多くて苦手です。これはカノツメソウ(ダケゼリ)というそうです。どこが「鹿の爪」だろうと思ったら、「やや肥大した長い根茎の形」から付けられたそうです。掘らなくても分かる名前を希望します
。
セリ科カノツメソウ属カノツメソウ(Spuriopimpinella calycina (Maxim.) Kitag.)。

キク科の植物も苦手です。草丈の高いこの植物は?

ヤマニガナと教えて頂きました。
キク科アキノノゲシ属ヤマニガナ(Pterocypsela elata (Hemsl.) C.Shih)。

イヌショウマの花が咲き始めていました。今頃は、花盛りだと思います。少し遅れて、良く似たサラシナショウマの花も咲き出します。イヌショウマは花柄がありませんが、サラシナショウマは花柄があります。
キンポウゲ科サラシナショウマ属イヌショウマ(Cimicifuga biternata (Siebold et Zucc.) Miq.)。

こちらはツリガネニンジンです。左と右の花の柱頭を比べてみてください。右は柱頭が閉じています。キキョウ科の花は、雄性先熟(ゆうせいせんじゅく)だそうですから、右が雄性期で左が雌性期のようです。
※雄性先熟:開花時点では雄しべのみが成熟して花粉を放出するが(雄性期)、やがて雌しべが成熟し花粉を受け取るようになる(雌性期)。自家受粉を避けるための機能だそうです。

釣鐘の形もいろいろです。キキョウ科の花は、萼片が同定ポイントの一つになっているものがあります。同じツリガネニンジン属で、似た花を咲かせるフクシマシャジンは、萼片がこのように糸状ではなく、鋸歯もありません。富士山の亜高山帯に咲く、ヒメシャジンとミヤマシャジンの関係みたいですね。
キキョウ科ツリガネニンジン属ツリガネニンジン(Adenophora triphylla (Thunb.) A.DC. var. japonica (Regel) H.Hara)。
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