不法投棄監視パトロールで出会った、アジサイ科以外の花を集めてみました。
【クサギ】
少し標高の高い林道沿いでは、クサギの花が見頃でした。
名前に反して、案外綺麗な上に良い香りがします。以前、ブログを見てくださった方から、果実を草木染に使う事を教わりました。独特の臭いがして苦手でしたが、若葉は食用になるそうですし、役に立つ植物なんですね。
シソ科クサギ属クサギ(Clerodendrum trichotomum Thunb.)。似た名前のコクサギは、ミカン科ですが、こちらはシソ科なんですね。コクサギの香りは、好む人もいます。
【ヘクソカズラ】
こちらも名前に反して綺麗な花です。別名のヤイトバナの方が良いかも?薬用や化粧用にも利用されると書かれていました。少し見る目を変えなければなりませんね。
アカネ科ヘクソカズラ属ヘクソカズラ(Paederia foetida L.)。
【リョウブ】
林道沿いの断崖を見上げると、リョウブの花が咲いていました。虫に好かれる花のようです。飢饉の時は、食用にされたそうです。
リョウブ科リョウブ属リョウブ(Clethra barbinervis Siebold et Zucc.)。
【マツカゼソウ】
この植物は、富士市では広範囲に見る事が出来ます。果実は4分果・・右の写真で4つに分かれた子房が確認出来ます。ドライフラワーも面白いです。
ミカン科マツカゼソウ属マツカゼソウ(Boenninghausenia albiflora (Hook.) Rchb. ex Meisn. var. japonica (Nakai ex Makino et Nemoto) Suzuki)。Ylistでは、ケマツカゼソウの変種としているようです。
【ミズタマソウ】
とても小さいけど、面白い形の花です。
果実には、鈎の付いた毛が沢山生えています。ひっつき虫の仲間ですね。
タニタデ、ミズタマソウ、ウシタキソウ・・小さい花を付ける上に、どれも似たような植物で苦手です。
タニタデに似ていますが、花弁が明瞭に2裂しているのでミズタマソウだと思います。ウシタキソウは、茎や節が赤味を帯びない事や、全体的に毛が密生します。
アカバナ科ミズタマソウ属ミズタマソウ(Circaea mollis Siebold et Zucc.)。
【オトギリソウ】
和名の由来を聞くと、とても不吉な花に思えますが・・。汚れているのかと思ったら、葉や花弁、萼片に黒斑が見られます。
オトギリソウ科オトギリソウ属オトギリソウ(Hypericum erectum Thunb.)。オトギリソウの仲間はいろいろあるようです。この花が、オトギリソウで良いのか分かりません。正式名称の分かる方は教えてください。
そして・・。
【ヤクシマヒメアリドオシラン】
少し前に登場したばかりですが、これは新たに見付けた3番目の自生地です。数年前から葉を確認して来ましたが、花の咲いた状態で見るのは今回が初めてです。
唇弁の裾が斜めに切れ込むのが特徴です。
唇弁の形は、個体毎に微妙に変化があります。
この写真は、角度を変えて同じ花を撮ったものです。右は、ハクウンランのようでしょ?
今のところ、この自生地にハクウンランは見当たらず、ヤクシマヒメアリドオシランのみです。やはり、萼片周りは褐色(図鑑では、赤味を帯びると表現)のものばかりです。混在している1ヶ所の自生地を除き、萼片の色でもハクウンランとヤクシマヒメアリドオシランが区別出来ると思っています。
ハクウンランは、ポツポツ生えていますが、ヤクシマヒメアリドオシランは、このようにまとまって生えています。
3ヶ所の自生地はどれも広範囲で、其々かなりな個体数が確認出来ました。スギやヒノキの林内に急速な勢いで増えているように思います。GPSで位置関係を確認すると、山を隔ててはいますが、直線距離ではそれほど離れておらず、風の道で繋がっているように思います。発芽条件が難しく、全体的に個体数の少ない野生ランの中では、特異な存在のように思います。
ラン科ハクウンラン属ヤクシマヒメアリドオシラン(Kuhlhasseltia yakushimensis (Yamam.) Ormerod)。
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