クモキリソウ属三種
今日も蒸し暑かった・・。気象庁のHPでは、東海地方の梅雨明けは、7月9日頃となっていますが、どうなってしまったのでしょう?
最近出会ったクモキリソウ属(Liparis)で、登場の機会のなかった三種を掲載します。
【コクラン】
萌の散歩コースにも生えるコクランです。とっても小さな花ですが、クモキリソウに似た形ですね。
拡大して花を見ると、コクランではなく別の名前をつけた方が良かったのでは?なんて思えてしまいます。花色などは個体毎に変異があり、それを見比べるのも楽しいものです。
蕊柱の先端部・・葯帽は淡緑色ですが、南国方面には黒紫色になるユウコクランという種もあるそうです。
アリが集っていました。アリはいろいろな花に集るけど、送粉者にはならないのだろうか?
コクランの葉と昨年の果実のドライフラワーです。クモキリソウ属の中では珍しく、冬になっても葉が残っています(常緑性)。
ラン科クモキリソウ属コクラン(Liparis nervosa (Thunb.) Lindl.)。
コクランほどではありませんが、クモキリソウも個体数の多い野生ランだと思います。結実した個体を良く見かけますが、このランは自家受粉するそうです。
唇弁の巻き込みが特徴の一つです。
ラン科クモキリソウ属クモキリソウ(Liparis kumokiri F.Maek.)。
コンデジの調子が悪く、上手く撮れませんでした。
自生する標高は高いですが、環境が合えば増え易い野生ランなのかもしれません。中には、右のように紫点の無いものもあります。新種記載されたのが最近であるため(2008年)、各地で様々な別名が付けられています。富士山ではフガククモキリと呼ばれていたようです。
数年前、狭い範囲に50株以上群生している所を見付けました。ところが除草作業で刈り取られてしまい、無念な思いをした事があります。この日は、以前より広範囲に個体を確認する事が出来、嬉しかったです。
ラン科クモキリソウ属シテンクモキリ(Liparis purpureovittata Tsutsumi, Yukawa et M.Kato)。
クモキリソウ属は、虫のような花形の上に種類が多く、また個体毎の変異も多く興味深い野生ランだと思います。でも、身近に見る事の出来るコクランや、クモキリソウも、突然姿を消してしまう事があります。案外気難しい野生ランなのかもしれません。
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