丸火自然公園の植物(7月)
今日は、丸火で観察会がありました。その下見を兼ねて、昨日の不法投棄監視パトロールのコースを少し変更しましたので、その時出会った気になる植物を集めてみました。
これは、数あるオトギリソウの仲間でも、一番大きい花を付けるトモエソウです。「こどもの国」などの管理エリアでは、ある程度個体数もありますが、それ以外では稀にしか出会えません。
左は、ミズヒキの葉です。紅白の花を付ける一般的なミズヒキの葉は、斑紋が赤褐色だと思います。でも、この葉は赤味が抜けたような感じです。
右は、ハナイカダの果実です。黒く熟した果実は甘くて食べられるそうです。
上の葉を付けたミズヒキは、白い花が咲いていました。品種のギンミズヒキです。
こちらにも、ハナイカダに似た感じの果実が生っていました。ツクバネソウです。ツクバネソウの和名は、果実が羽根突きの羽根(羽子)に似ている事から付けられたそうです。
台座になっている赤い不気味な部分は何だろうと思ったら、花糸の膨らんだものだそうです。赤と黒の色合いを見て、熟したヤマシャクヤクの果実を思い浮かべました。
左はナツノタムラソウかアキノタムラソウか?正面から撮らなかったため分かり難いですが、オシベが花冠の上から突き出ていないし、花糸が下向きに曲がっているものもありますから、アキノタムラソウだと思います。
右はホタルブクロの花です。花色は、赤味の強いものもあれば白っぽいものもあります。
良く似たヤマホタルブクロとの違いは、萼片で見ます。このように間が反り返っていればホタルブクロです。
左はオオカモメヅルの花です。もう少し標高の高いところで見た花は、裂片の先端がこのように尖っていませんでした。でも、副花冠(小豆のような部分)が大きい事などからオオカモメヅルだと思います。コカモメヅルも見かけましたので交雑?なんて思いました。
右の赤い実は、トチバニンジンです。上の果実に見える黒い部分が半分ほどあれば、ソウシシヨウニンジンですが・・。
こちらはイチヤクソウの果実です。イチヤクソウの仲間は、亜高山帯までいろいろな種類が分布していますが、果実はどれも花柱が下がった独特の形をしています。
果実が熟したら、種子の観察をしようと思っています。Web図鑑で見た種子は、ラン科植物の種子のようにとても小さく、その形も似ています。また、イチヤクソウは光合成も行いますが、菌類からも養分をもらっている部分的菌従属栄養植物だそうです。ヤツシロラン類の実生実験のような形で発芽するかも?
旧体系では、イチヤクソウ科でしたが、新体系ではツツジ科に分類されています。
もう、気の早いコウヤボウキ属の花が咲いていました。斜面の上に咲いていたのを片手撮りしたため、ナガバノコウヤボウキかコウヤボウキかを確認しておりません。前者の方が少し早く咲きますので、これはナガバノコウヤボウキかな?
今日、観察会に参加された人たちは、私より(たぶん)二回りくらい若い世代の親御さんとその子供さんでした。みんな熱心に観察され、自然に親しんでおられました。山野を歩いている者としては、若い世代のこういう姿を見る事が出来て、とても嬉しい気持ちになりました。
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