ノヤマトンボ(オオバノトンボソウ)
比較的身近なところで見る事の出来るツレサギソウ属・・ノヤマトンボ(オオバノトンボソウ)を観察してみました。
この野生ランは、出会う個体数が多いにもかかわらず、無事花を見る事の少ない野生ランだと思います。左の株は、この状態で40cmほどありました。根元はロウタケらしき菌に侵食され、先端部は腐り始めていました。それ以外にも、シカの食害にも遭ったりします。
スギやヒノキの林床から落葉広葉樹林まで、彼方此方で見る事が出来ます。「茎は翼状になる稜が目立つ」とあります。かなりはっきりした稜です。
トンボと言うより、足の生えたオタマジャクシに似ています。「側萼片は背萼片と共に兜状になる」・・分かり難い解説も、少しずつ理解出来るようになって来ました。
ちょっと反則技を使って、表情を撮らせてもらいました。花の寿命はそれほど長くないようで、白い葯は直ぐに褐色になってしまいます。
葯が目のようですね。頬かむりをしたひょっとこ小父さんかな?亜高山帯に咲く、キソチドリとホソバキソチドリは、この葯の間隔も見分けるポイントだそうです。
ラン科ツレサギソウ属ノヤマトンボ(Platanthera minor (Miq.) Rchb.f.)。
※今迄、オオバノトンボソウを標準和名として使っていましたが、米倉先生の「日本維管束植物目録」、大場先生の「植物分類表」で、ノヤマトンボが標準和名として扱われていますので、それに従いました。
今年は、いろいろな花が早いと聞きます。でも、例年と変わらない時期に咲く花もありますので、撮影のタイミングを計る人はさぞご苦労されていると思います。
そして、予想を更に上回るフライングをするヤツもいます。このキツリフネは、7月7日に撮影しました。早いでしょ?
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