トサノクロムヨウラン(7月上旬)
義母の家に行ったついでに、気になっていた植物の様子を見て来ました。そして、藪蚊軍団の襲撃に遭いました。
左と中が、トサノクロムヨウランの昨年のドライフラワーと、新たに伸びて来た花茎です。そして右は、丈から見てエンシュウムヨウランかウスキムヨウランの今年の果実だと思います。
果実(鞘)の付き方でも区別出来ると聞きました。トサノクロムヨウランは、右のようにすべてが上を向くのではなく、左右に開くそうです。その確認は、今年の花が終ってから、もう一度・・。
右下の蕾は下を向いていましたから、開花が近いと思われます。
以前、この地で出会った方に伺ったら、昨年の開花は7月末頃で、今年は早いから7月中旬ではないかとの事でした。もしかしたら、もう少し早いかもしれない・・。
記事のタイトルを見て、名前が間違っていると思われたかもしれません。私は、この個体の花をまだ直接見た事はありませんが、昨年撮った写真を見させて頂きました。薄紫の唇弁を持ったとても綺麗な花でした。
花が開くという事は、クロムヨウランではなく、トサノクロムヨウランだそうです。この野生ランに出会うかなり前から、いろいろ参考にさせて頂いている高知の先輩のブログ記事に「クロムヨウランは花が咲かない」と幾度か掲載されていました。
そして、今年の初旬、下記のような論文が発表されました。
数十年間も別の花を勘違い 本物の「クロムヨウラン」は花が咲かない
ラン科ムヨウラン属トサノクロムヨウラン(Lecanorchis nigricans var. patipetala)。
もしかしたら、静岡県には、花の咲かない「本物のクロムヨウラン」は無いのかもしれません。
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コメント
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凹々道様、お早うございます。
「花は開かない」と「花が咲かない」で厳密には違うと思いますが、研究者の解説文に従いました。
最初にクロムヨウランを論文登録された先生の記述に「花は正開せず・・」と書かれています。
そこで、若手の研究者たちがその論文の根拠となる標本採取地で調査した結果、花が咲かず(開かず)果実を付けるクロムヨウランを確認したそうです(蕾のまま自家受粉し、花を咲かせない)。
しかもその個体は、蕾を解体して調べると構造にもいろいろな違いがあったそうです。
花を咲かせる方がクロムヨウランと誤解されて伝わった事などの詳しい事情は、リンクを貼った神戸大の末次博士の解説文に記載されています。
投稿: やまぶどう | 2018年7月 2日 (月) 08時40分
今までクロムヨウランだとされてたものは、トサノクロムヨウランで「花は開かない」とどこかで聞きましたが「花は咲かない」のですか?
投稿: 凹々道 | 2018年7月 2日 (月) 06時58分