ツチアケビ
ツチアケビ・・初めてこの植物を見たのは果実期でした。赤いウインナーソーセージのような果実を、不気味な印象を持って見ました。富士山麓を歩いていると、稀に見かける事はありますが、2~3本程度の自生地では、同じ場所で翌年出会う事は少ないと思います。
左の場所を初めて見つけた時、2~3本自生していました。今年で3年目になると思いますが、また生えていました。連続して見られた稀な例だと思います。
右は、今迄出会ったツチアケビの中で一番本数の多かった自生地です。写真のような塊が3か所以上ありました。全部で数百本に及ぶと思います。もう二度と、こんな大群落に出会う事は無いと思います。
花を撮ってみました。ツチアケビはラン科植物です。洋ランのような唇弁を持ち、こうして見ると綺麗な花です。この花は、蕊柱の先端にある花粉塊が落ちていました。
こちらは唇弁に傷があります。このところの暴風雨で、どの花も傷んでいました。
左のような果実をつけます。他の野生ランと違い、果肉の中に種を宿す液果です。種子は野鳥(ヒヨドリなど)によって運ばれる事が、研究者によって確認されています。果実の赤い色彩も野鳥の好みだそうです。
右は、上の大群落で姿を現していた根茎です。晩秋に地上部は枯れますが、根茎は生き続けます。ツチアケビは光合成を行わず、ヒラタケなどの菌類から養分をもらって生育している菌従属栄養植物(腐生植物)です。地中の菌類の状態によって、翌年姿を現さず休眠するのかもしれません。
ラン科ツチアケビ属ツチアケビ(Cyrtosia septentrionalis (Rchb.f.) Garay)。
« ナガバハエドクソウとハエドクソウ | トップページ | ミスズラン »
「植物観察」カテゴリの記事
- やまぶどうの徒然日記_2011年(2020.12.04)
- やまぶどうの徒然日記_2010年(2020.12.03)
- 不法投棄監視パトロールで出会った植物など(2020.12.02)
- カンアオイ属分布調査(オトメアオイ)(2020.12.01)
- テンナンショウ属の果実(2020.11.30)
「腐生植物」カテゴリの記事
- やまぶどうの徒然日記_2011年(2020.12.04)
- クロヤツシロラン果実の頃(2020.11.10)
- 土通草(ツチアケビ)三度(2020.10.18)
- ヤツシロラン類根状器官の様子(2020.10.04)
- 散歩道のクロヤツシロラン(2020.10.03)
「野生蘭」カテゴリの記事
- やまぶどうの徒然日記_2011年(2020.12.04)
- 晩秋の着生ラン(2020.11.28)
- クロヤツシロラン果実の頃(2020.11.10)
- 野生ランの生存確認とキノコ(2020.10.20)
- 土通草(ツチアケビ)三度(2020.10.18)
コメント