ギンランとササバギンランの仲間
ギンランの距なんて、一昨年頃まではあまり気にして見る事はありませんでした。ギンランとササバギンランしか見た事が無かったからです。このところ、気になる出会いが続いたのでまとめてみました。
◇静岡県◇
【距のあるササバギンラン】
誰かのように少し捻くれていますが、一般的に見られるササバギンランです。
「距は短く突き出る」・・確かに短い距が確認出来ます。
初めて、斑入りのササバギンランに出会いました。あまり目立たない斑ですが・・。一つだけ残った花を見ると、距が無い!
もう出会えないかもしれないので、同じような写真を何枚か撮りました。
◇山梨県◇
私が探索した範囲では、山梨県はササバギンランが豊富だと思います。
「距は短く突き出る」
「距は長く突き出る」・・花の大きさに比べれば長いかな?静岡県で見たものの方が長く感じます。
前回探索で見付けました。あれから10日程経ちましたので殆どの花は散り、子房が膨らみ始めていました。
距の無いギンランは、ヤビツギンラン(Cephalanthera erecta (Thunb.) Blume var. oblanceolata N.Pearce & P.J.Cribb)という変種名がつけられているそうですが、ヤビツギンランは花が六弁花だそうです(距の無い花は六弁花なのだろうか?)この個体の花の形は未確認です。またこの場所では、距の無い個体と距のある個体が混在して生えていました。
まず頭に浮かんだのは、距が極めて短い(無いように見える)クゲヌマランですが、標高1,000mを超す場所には無いだろうと思い除外・・ところが、最近では1,500mを超すところでも確認されているそうです。先入観を持って、ものを判断してはいけませんね。
同じように、唇弁が花弁化した六弁花のキンランもあるそうで、こちらはツクバキンラン(Cephalanthera falcata f. conformis )という品種名がつけられています。同じような変異なのに片や変種(varietas)、片や品種(forma)・・素人ながらに疑問符?です。
Ylistで検索すると、まだ記載されておりませんでした。
距の有無よりも、斑入りのササバギンランて珍しくありませんか?私は初めて見ました。キンランの斑入りは、以前出会った事があり、諸先輩のWebページにも掲載されています。
こちらが、数年前に富士市で撮影した斑入りのキンランです。アルビノに近いような綺麗な個体でした。残念ながら、翌年は姿を現しませんでした。
◇追記
唇弁が花弁(花被片)化したユウシュンランをオンタケユウシュンラン(Cephalanthera subaphylla Miyabe et Kudo f.conformis Hiros. Hayak.)と呼ぶそうです。キンラン属は、どれもこういう形態変異があるようですね。
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