不法投棄監視パトロールで出会った植物
年数回、ゲートで閉鎖された許可車両以外通行禁止の林道パトロールを実施しています。今日の記事は、その林道沿いで出会った植物を集めてみました。
サワギクが咲いていました。薄暗い林内で、黄色い花がとても目立っていました。暗いところの似合う花だと思います。
キク科サワギク属サワギク(Nemosenecio nikoensis (Miq.) B.Nord.)。
ヤマジオウが生えていました。この付近の林内では、群生している所が彼方此方で見受けられます。
シソ科オドリコソウ属ヤマジオウ(Lamium humile (Miq.) Maxim.)。
右は、ヤクシマヒメアリドオシランだと思います。花芽らしきものが見えています。現在、自生エリアを調査中です。
ラン科ハクウンラン属ヤクシマヒメアリドオシラン(Kuhlhasseltia yakushimensis (Yamam.) Ormerod)。
双方、オオバノトンボソウ(ノヤマトンボ)です。右は、下の葉が丸みを帯びていて、キソチドリを思わせます。オオバノトンボソウは、花茎の上部が虫による食害なのか、開花前に枯れてしまう事の多い野生ランです。
ラン科ツレサギソウ属オオバノトンボソウ(Platanthera minor (Miq.) Rchb.f.)。Ylist標準和名は、ノヤマトンボとなっています。
ミヤマウズラも、林道脇に生えていました。
ラン科シュスラン属ミヤマウズラ(Goodyera schlechtendaliana Rchb.f.)。
これはウメガサソウの蕾です。この辺りでは、同じくツツジ科のイチヤクソウと共に所々で見る事が出来ます。
ツツジ科ウメガサソウ属ウメガサソウ(Chimaphila japonica Miq.)。
こちらは、クモキリソウだと思います。周辺にかなりな個体数が確認出来ました。クモキリソウ属の中では、比較的数を見る事の出来る野生ランですが、最近では稀な存在になりつつあります。
ラン科クモキリソウ属クモキリソウ(Liparis kumokiri F.Maek.)。
まだ蕾の株もありましたが、コアジサイが咲き始めていました。この植物は花柄の色も綺麗ですね。
アジサイ科アジサイ属コアジサイ(Hydrangea hirta (Thunb.) Siebold et Zucc.)。
オカタツナミソウの花も、少しだけ見る事が出来ました。薄紫の花を気に入っています。この林道沿いでの、本格的な花の時期はもう少し先になると思います。同じような写真ですが、少しだけ角度を変えて撮ってみました。
シソ科タツナミソウ属オカタツナミソウ(Scutellaria brachyspica Nakai et H.Hara)。私は、まだ出会った事はありませんが、白花品種もあるそうです。
サルナシの蕾が、沢山ぶら下がっていました。この林道では、マタタビよりもサルナシの方が多く見受けられました。
マタタビ科マタタビ属サルナシ(Actinidia arguta (Siebold et Zucc.) Planch. ex Miq.)。
この日は、当初予定していたルートが工事中で通行止めでしたので、別のルートをパトロールしました。林道にゲートを設けられると、一般の人は徒歩で探索するしかありませんが、そのお陰で、ポイ捨てや産業廃棄物の不法投棄が殆ど無くなり、連れ去られる植物が減るのも事実です。ゲートの設置は、仕方ないと思っています。
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