イチヨウランに挨拶
亜高山帯の針葉樹林に生えるイチヨウランに、会いに行って来ました。
苔むす針葉樹林帯は、いつ行っても良いものです(真冬は行けませんが)。バイケイソウも、こんなに伸びていました。季節の移ろいの速さに驚かされます。
何時もの場所から、少し離れたエリアでも発見!
2株かと思たら、3株でした。左は花弁が姿を現しています。この後、蕾が横を向いたら開花間近となります。
花の時期に拘る方が多いですが、私はこの季節から晩秋まで幾度か通っています。季節を通じて、植物の成長を観察するのも楽しいものです。
◇amateurの考察
イチヨウランは、通常秋に葉の更新があり、開花株は花芽を持って冬越しします。
何年か同じエリアを観察して来て気付いたのですが、姿を現す位置が年々変わって来ます。最初の頃は、悪い小父さんに連れ去られたのかと思っていました。でも、この肉厚の葉はシカの好みのようで、食害に遭ったと思われる個体を幾つも見て来ました。それで、昨年見た場所から姿を消すのかもしれませんが、またその場所に姿を現す事があります。
思うに、葉のない状態(根茎だけ)で地中の菌糸類から養分を補給して、生き続けている個体もあるようです。また、実生発芽から開花まで、あまり長い年月を必要としないのではないかと思います。ウチョウランなどのように3年くらいで花を咲かせるのかもしれません。
それは、深山に生えるコハクランなども同じだと思います。ある方から「花を咲かせると枯れる」というような話を聞いた事があります。でも、私は枯れるのではなく休眠するのだと思っています。初めて出会った果実をつけた個体は、翌年姿を現しませんでした。ところが、3年後同じ場所でまた姿を見る事が出来ました。それと、昨年の果実のドライフラワーをつけた個体が、花芽を伸ばしていたのを見た事があります。こちらも、姿を現す位置が年々変化しています。
亜高山帯の針葉樹林に生える一枚葉の野生ランは、とても興味深い生き方をしているようです。
ラン科イチヨウラン属イチヨウラン(Dactylostalix ringens Rchb.f.)。
日当りの良いところでは、ミヤマスミレの花が咲き始めていました。
今日は、用事がありますので、ブログ記事を朝作成しました。
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