クモノスシダ
コケ植物(蘚苔類)に続いて、同じく胞子植物・・シダ植物のクモノスシダの登場です。私はこのシダを、今年初めて教えて頂きました。
静岡県西部の石灰岩地(引佐、浜北)では自生が確認されているようですが、手元にある富士市の目録には掲載されておりません。
ここには、沢山生えていました。このシダを知らなければ、素通りしていたかもしれません。
石垣の隙間に多く生えていました。
葉裏を見ると、胞子嚢群(ソーラス)が付いていました。「葉裏の主軸から斜め外側に伸び・・」とあります。
葉の先端が細い蔓状になり、その先端にこのような子(不定芽)が付いていました。ショウジョウバカマも、似たような増え方をしますね。
胞子だけでなく、このような増え方もするなんて面白いですね。
シダの仲間は、胞子以外にも増える術を供えているものが多いようです。コモチシダの不定芽やトウゲシバの無性芽もそうですね。胞子は、親株から離れた場所での繁殖を目指し、無性芽や不定芽は親株近くの繁殖を目指しているのかな?シダ植物も不思議がいっぱいですね。
チャセンシダ科チャセンシダ属クモノスシダ(Asplenium ruprechtii Sa.Kurata)。
◇少し勉強
無性芽:植物体の組織の一部または細胞が繁殖するための器官で、母体から離れて新個体となるもの。
不定芽:一般的に、植物の芽は葉腋近辺に形成されるが、それ以外の予期しない部分に現れる芽を不定芽と呼ぶ。
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