クマガイソウ
2015年、この場所を教えて頂きました。今まで見た自生地に比べると、考えられないような場所でした。その自生地へ、3年ぶりに行って来ました。
日の光を透かした葉が綺麗でしょ?前回は気付かなかった場所にも生えていました。拡散しているように思えます。
「あれっ、花が咲いていない?」と思えるほど、開花株が少なくて驚きました。株数も減っているように思います。2015年の開花の様子を見てください。→2015年5月の様子
まだ蕾の株もありましたが、数えるほどしか咲いていません。どうしたのだろう?
クマガイソウは、環境が適していれば大群落を作りますが、その変化に弱い植物のようで、短期間に消滅してしまう事もあるようです。
唇弁の付け根の、正面に見えるマスクのような部分が仮オシベ、その両脇に黄色い顔を覗かせているのが葯、それらを支えている柱が蕊柱(ずいちゅう)です。蕊柱は、単子葉植物の中では、ラン科以外に見られない特殊なものだそうです。
拡散した小群落が、各々大家族になってほしいと願いながら、急斜面の自生地を後にしました。
◇少し勉強(北大:ランの王国より引用)
仮オシベ(staminode):多少とも雄蕊の形を残しながらも、花粉を産生しなくなった退化した雄蕊。
蕊柱(column):オシベとメシベとが合着した特殊な構造体。
ラン科アツモリソウ属クマガイソウ(Cypripedium japonicum Thunb.)。
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