ハルザキヤツシロラン
ハルザキヤツシロランが咲き始めたとの情報を頂き、様子見に行って来ました。この地を訪れるのは、これが三度目です。
ムヨウラン類の果実のドライフラワーがありました。ヤツシロラン類の果実は、種子の飛散後早々と消滅しますが、ムヨウラン類は翌年まで残っています。鞘が横を向くのは、クロムヨウランらしい・・。7月半ば頃の開花でしょうか?花を見るのが待ち遠しい!
右が、目的のハルザキヤツシロランです。私にとっては、初めての出会いです。
一茎一花~二花が多かったのですが、右は四花でした。この写真では、少し見難いですが・・。
まだ咲き始めのようで、花筒(萼片と側花弁が合着)の中を覗ける個体は、限られていました。唇弁の先端がオレンジ色です。
他の株を踏みつけないように横向きで撮りましたので、ピントが合っているのか良く分かりませんでした。
花筒の中に住むお坊さんを撮ってみました。
ラン科オニノヤガラ属ハルザキヤツシロラン(Gastrodia nipponica (Honda) Tuyama)。
比較のために、県内で見る事の出来るヤツシロラン類の花を掲載します。何れも、実生床に種子を蒔いて、開花させたものです。
こちらは、アキザキヤツシロランです。昨年の秋に、やっと花を見る事が出来ました。
そして、クロヤツシロラン・・栽培容器の中で育てると少し色白な感じです。ハルザキヤツシロランと違い、お坊さんの袈裟は焦げ茶色です。
クロヤツシロラン、アキザキヤツシロランと直播栽培で、なんとか花を咲かせる事が出来ました。そして、最後に最難関のハルザキヤツシロランに挑戦中です。
師匠から送っていただいた種子を蒔こうと思ったのですが、貴重な種子なので、実生床の菌糸の充実を待っていました。自生地と同じ、常緑広葉樹林の林床の部材で栽培床を作っているため、思ったより湿度管理が難しい・・。自生地を見て、いろいろ学んでから蒔こうと思っています。
◇お願い
私は、師匠からご指導いただき、何とか直播栽培で花を咲かせる事が出来ました。でも、光合成を行わず、キノコを食べて生きる特殊な植物ですので、株を持って行っても栽培は出来ません。自生地の個体の採取は止めましょう!
※一日一記事・・事情があり、4月30日分の記事を早めにアップします。
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ごん兵衛さん、今晩は!
自生地の個体数も分からなかったため、種子が手に入るか心配でしたので実生床の様子見をしていました。
県内で、ハルザキの見られるところは、極限られているようです。
二つの容器を準備していますが、竹林やスギ林の部材に比べて、常緑広葉樹林の部材は、菌糸の繁殖が難しいような気がします。
自生地から頂いて来た部材の中に、ミミズが入っていて、容器内で巨大化していました。
ハルザキの巨大塊茎を、ブログで拝見しました。
あそこまで育てられる技術が凄いと思います。
私では、きっと途中で腐ってしまいます。
クロは、容器の管理をしておりませんでしたが、足を伸ばしていました。
アキの容器は、不思議なくらい菌糸が繁殖しています。
腐生ランの実生実験は、今後も挑戦していくつもりです。
ハルザキの開花、楽しみにしております。
またいろいろ教えてください。
投稿: やまぶどう | 2018年5月12日 (土) 19時21分
お久し振りです。そうですか種蒔きませんでしたか。
もし蒔いていたら一年早く開花したかもですね。
此方は昨年5月に蒔いて塊茎全長約24cmにも
なりましたし花茎の兆候も何回ありました。
クロの約6倍の巨大塊茎ですが咲かずを判断
するとやっぱり光量に関係あるのかもです。
野生のハルちゃん咲きましたね。拝見しました。
先を越したかったのですが残念です。
同じく蒔いたクロちゃんは今年になって二回
咲きました。今満開です。勿論同塊茎からです。
この分だと年4回開花夢でないですね。
作文通りの実証です。しかも無菌培養でしか
出来なかったラン科の直播きです。
未だ専門家を含めて信じていない様ですが
まだまだ新発見はありますから是非
腐生ラン(愛称)進めて下さい。
投稿: ごん兵衛 | 2018年5月12日 (土) 08時21分