コシノコバイモ
静岡県で自生が確認されているバイモ属は、カイコバイモとコシノコバイモです。でも、コシノコバイモは、今まで見た事がありませんでした。
杉野先生の静岡県産希少植物図鑑には、「伊豆・中部・西部の記録がある。」と書かれています。現在は、中・西部の極限られた場所で、確認されているようです。富士市では出会えないその植物を、見る事が出来ました!
カイコバイモと比べると、花被片の肩(上部)が角ばっています。
バイモ属の花は撮り難い・・。老眼の私には、花被片の暗紫色の模様のせいで、ピントが合っているのか分かり難いからです。
中を覗いて見ました。山渓の図鑑には「花被片は縁や内側の腺体近くに毛状突起があり、縁や基部に紫色の網目状の斑紋がある」とあります。図鑑に掲載されている写真や、本場新潟の諸先輩のWeb写真は、縁や基部に斑紋が集中していますが、この花は全体に広がっています。
他もそうですが、こちらは特に「淡紫色の網目状の斑紋が薄く浮き出る」・・カイコバイモの解説通りの花です。
花被片の縁の突起が目立ちます。
Web図鑑で見た他地域の花と比べると、この花は少し違って見えます(花被片の肩から下の長さや模様などが)。でも、コシノコバイモとしての特徴も確かに持っています。もしかしたら、この場所のコシノコバイモは、カイコバイモとの交雑なんて事は無いでしょうか?
ユリ科バイモ属コシノコバイモ(Fritillaria koidzumiana Ohwi)(シノニム:Fritillaria japonica Miq. var. koidzumiana (Ohwi) H.Hara et Kanai)。
Fritillaria koidzumiana Ohwiは、Ylistに記載された標準学名です。シノニム(別名)のFritillaria japonica Miq. は、コバイモ(ミノコバイモ)の学名ですから、この学名で行くとミノコバイモが母種という事になります。環境省RDBでは、ミノコバイモに含め(※)絶滅危惧Ⅱ類(VU)、静岡県ではコシノコバイモとして絶滅危惧ⅠB類(EN)に指定されています。
※杉野孝雄著「静岡県産希少植物図鑑」参照。
« ジロボウエンゴサク | トップページ | カイコバイモ »
「植物観察」カテゴリの記事
- やまぶどうの徒然日記_2011年(2020.12.04)
- やまぶどうの徒然日記_2010年(2020.12.03)
- 不法投棄監視パトロールで出会った植物など(2020.12.02)
- カンアオイ属分布調査(オトメアオイ)(2020.12.01)
- テンナンショウ属の果実(2020.11.30)
コメント