無事だったイチヨウラン(富士市)
確認したい事があって、あるヒノキ林へ行って来ました。本来の自生地から標高1,000mくらい低いその林には、イチヨウランが生えています。
2015年3月16日に撮影したイチヨウランです。三枚の葉の内、二つが蕾をつけていました。ところが、2016年3月12日に行ったところ、中央が何者かの食害に遭い、葉が殆ど無くなっていました。
左は2017年3月8日の様子です。二つの葉しか出ていませんでした。「やはり一つはダメだったか・・。」右側には蕾が見えています。
そして、右は2017年㋃25日に撮影しました。シカの食害に遭ったのか、この半分欠けた一枚の葉しか見当たりませんでした。やるせない気持ちで、秘密の林床を後にしました。
「もう絶えてしまったかもしれない」と思いながら、覗いてみると・・。
蕾は確認出来ませんでしたが、まだ生き残っていてくれただけで、とても嬉しい!
実は、亜高山帯の針葉樹林でも同じような経験をした事があります。シカの食害に遭ったと思われる株の生えていた場所から、また同じ模様の葉が出て来たのです。イチヨウランは、サイハイランやコハクランのようにバルブがありません。葉が無くなってしまうと枯れるのではないかと思っていたのですが、地下茎(根茎)が共生菌の力を借りて養分を蓄えていたのではないでしょうか?
このイチヨウランは、どんな経緯でこの場所にやって来たのでしょう?そして、亜高山帯から1,000mも低い所で夏越し出来るのも不思議です。
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