今年も残り僅かとなりました。一年は、あっという間ですね。
今年の思い出、一番手はアキザキヤツシロランの実生栽培実験です。一昨年の秋に種子を蒔き、昨年はプロトコーム、塊茎と順調に成長してくれましたが、開花に至りませんでした。
【2015年秋~2016年】
左はアキザキヤツシロランの種子です。葉緑素を持つランの種子と同様に、鼻息でも飛んでしまうような微細種子です。右の小さな粒は、初めて姿を見たアキザキヤツシロランのプロトコームです。
球状のプロトコームから、根状器官が伸びて来ました。共生菌の菌糸からエネルギーを吸収する触手のようなものだと思います。
根状器官が更に伸び、塊茎には短毛が見えています。
これが2016年秋の様子です。この年は、開花には至りませんでした。「アキザキヤツシロランは、クロヤツシロランに比べてずっと難しい・・。私に花を咲かせる事が出来るのだろうか?」不安な気持ちで、年を越しました。
【2017年】
2016年の反省を踏まえて、実生床に少し工夫をしてみました。「見えている塊茎は、開花に至るのが難しい・・」との思いから、今年は塊茎を部材で覆ってしまったため、途中経過の写真は殆ど撮りませんでした。
根状器官の途中に、イボのようなものが出現しました。クロヤツシロランの実生実験で、このイボようなものが出現してから、塊茎が急に大きくなった記憶があります。
そして、実験容器の片隅に花芽らしきものが見えて来ました!
少しずつ伸びて来ましたが、急に枯れてしまわないか不安でした。そして、暫くすると蕾が姿を現しました。
開花間近となりましたが、まだまだ不安でした。そして、2016年9月24日、ついに初花が咲きました!花茎も細く弱々しい個体でしたが、待望の花を見る事が出来ました。
更に・・。
他の蕾も開花し始めました。右は、自家受粉したと思われる果実です。
無事咲いてくれて、本当に良かった!
クロヤツシロラン→アキザキヤツシロランと、実生から花を咲かせる事が出来ましたので、次は更に難易度の高いハルザキヤツシロランの実生栽培実験に挑戦するつもりです。
自生地を教えて頂き、常緑広葉樹の落ち葉と土を少し頂いて来ました。白い菌糸は殆ど見当たりませんでしたが、加湿・加温したところ写真のような菌糸が姿を現しました。この菌子が、ハルザキヤツシロランの共生菌かは分かりませんが、実生床の中で繁殖中です。
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