種子の風散布
イチヤクソウの仲間の種子は、微細種子だと学びました。ランも微細種子を宿し、一部の種類を覗いて風によって運ばれます。今日は、風散布される種子を二種類観察してみました。
【キンリョウヘン】
ニホンミツバチを誘引する事で知られる、ラン科シュンラン属のキンリョウヘンの果実です。鞘(←正式な名称が分かりません)が思ったより硬い・・。
栽培品を見ると、果実は同時に熟さず、一つ一つ順番に熟して行くようです。
種子は鞘の内壁に固定されており、一気に飛ばされない(零れ落ちない)ようになっています。
とても小さな種子です。ヤツシロラン類の種子とそっくりです。中央が飴色になっているところも・・。
こちらは鞘の隙間から零れ落ちていました。写真に写っている綿のようなもので固定されているようですが、キンリョウヘンの種子の方がずっと強く固定されているようです。
キンリョウヘンの種子と似ていますが、並べてみたところ少し長いように思います。いずれにしても、とても小さくて鼻息でも飛ばされてしまうくらいです。
ウバユリの種子も風散布ですが、こちらは翼果です。ユリの仲間は、鞘の間に写真のようなガードがあって、鞘が割れた時に一気に零れ落ちないようになっています。
平たい種子に大きな翼が付いています。ジイソブ(ツルニンジン)などに比べると、ずっと大きいから、遠くまで飛ぶのかな?似た花を咲かせるバアソブの種子は、翼が無く黒い粒です。絶滅危惧種になった要因の一つは、種子にあるのかも?
風散布する種子は、ランなどの微細種子、カエデやユリのような翼果、フウセントウワタなどの風船型果実、少し前に登場したボタンヅルなどのように羽毛や冠毛を持つ果実などに分けられるそうです。植物もそれぞれに、工夫していて面白いですね。
« 菊花展(三日市浅間神社) | トップページ | 不法投棄監視パトロールで出会った植物 »
「植物観察」カテゴリの記事
- やまぶどうの徒然日記_2011年(2020.12.04)
- やまぶどうの徒然日記_2010年(2020.12.03)
- 不法投棄監視パトロールで出会った植物など(2020.12.02)
- カンアオイ属分布調査(オトメアオイ)(2020.12.01)
- テンナンショウ属の果実(2020.11.30)
「野生蘭」カテゴリの記事
- やまぶどうの徒然日記_2011年(2020.12.04)
- 晩秋の着生ラン(2020.11.28)
- クロヤツシロラン果実の頃(2020.11.10)
- 野生ランの生存確認とキノコ(2020.10.20)
- 土通草(ツチアケビ)三度(2020.10.18)
コメント