シナノショウキラン②(長野県)
気になった事を、まとめてみました。
◇食害
左は、私が一番最初に見たシナノショウキランの花と、何者かが掘ったような穴です。これを見て、誰かが掘起こして持ち帰ったのだろうと思いました。
ところが、案内してくださった方に呼ばれて別の場所へ行ってみると、右のような掘削跡と楕円内の残骸がありました。イノシシが掘ったのかもしれません。この辺りに、イノシシがいるのだろうかという疑問も残りますが・・。
富士山麓に生えるキバナノショウキランは、シカの食害に遭ったと思われる痕跡が各所で見られます。でも、このような状態のところはまだ見た事がありません。イノシシには、味を覚えられていないようです。
一番最初に見た、記念すべきシナノショウキランの花です。唇弁の部分を何者かに食べられていました。この食痕、キバナノショウキランの果実を食べる昆虫の食痕と似ています。
キバナノショウキランのポリネーターは、マルハナバチの仲間だと聞いた覚えがあります。この場所でも、マルハナバチの仲間を見かけましたが、残念ながら花にやって来るところは見られませんでした。でも、ハナアブのような虫がいたので、撮ってみました。
キバナノショウキランは、開花して間もない頃、ゾウムシの仲間に齧られていますが、この場所では見かけませんでした。
◇シナノショウキランとキバナノショウキランの変わり者
前記事の写真を見て頂くと分かるように、蕾の状態でも薄黄色のものが殆どですが、こちらの個体は少し茶色が入っています。
こちらも・・。
(茶色の)濃さは個体によって様々ですが、蕾の状態ではこのような色のものを多く見かけます。
こんなキバナノショウキランもありました。右は比較のために一般的なキバナノショウキランの蕾を並べてみました。①のシナノショウキランの蕾より黄色く見えませんか?
これで、花茎の色も薄黄色ならもっと面白かったのですが・・。残念ながらこの個体もシカと思われる食害に遭い、開花状態を見る事は出来ませんでした。
※この記事は、本日分として時間指定(12:30)でアップします。
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