ナギラン
数年前、この植物を求めてある山を探索した事があります。蜘蛛の巣と藪蚊に悩まされながら、荒れた林内を歩き回りましたが、出会う事は出来ませんでした。
ところが、別の場所でこの野生ランとニアミスしていたのです。「こんな所に?」と思うような場所に生えていました。人との出会いもそうですが、希少植物との出会いも不思議な縁を感じる時があります。
葉が、針葉樹のナギに似ている事から和名が付けられたそうです。花の無い季節なら、気が付かないかも?
急勾配の斜面に生えていました。未開花株も幾株か見受けられ、将来への期待が持てます。
「花は白色で淡紫色を帯び、赤色の斑点がある」と書かれています。ラン科シュンラン属でシュンランの花に似た形ですが、萼片が長いので咲き始めはちょっとだらしない感じがします。

ナギランは、菌への栄養依存度が高い植物なので、薄暗い場所でも生育出来るそうです。右は露出していた根を撮ってみました。

蟻が集っていました。送粉者は、ミツバチの仲間が主ですが自家受粉もするそうです。この場所の様子を見ると、実生で増えているように思います。
杉野先生の『静岡県産希少植物図鑑』によると、「伊豆・東部・中部・西部に記録がある。西部は各地にある。他地域は少ない。」と書かれています。環境省、静岡県とも絶滅危惧種Ⅱ類(VU)に指定されています。
« 遅咲きのコハクラン | トップページ | タカネグンナイフウロとアサマフウロ »
「植物観察」カテゴリの記事
- やまぶどうの徒然日記_2011年(2020.12.04)
- やまぶどうの徒然日記_2010年(2020.12.03)
- 不法投棄監視パトロールで出会った植物など(2020.12.02)
- カンアオイ属分布調査(オトメアオイ)(2020.12.01)
- テンナンショウ属の果実(2020.11.30)
「野生蘭」カテゴリの記事
- やまぶどうの徒然日記_2011年(2020.12.04)
- 晩秋の着生ラン(2020.11.28)
- クロヤツシロラン果実の頃(2020.11.10)
- 野生ランの生存確認とキノコ(2020.10.20)
- 土通草(ツチアケビ)三度(2020.10.18)










コメント