遅咲きのコハクラン
やっと、コハクランの花が咲きました。例年に比べて、二週間ほど遅いように思います。
今年は個体数が少ない・・。昨年あった場所に無い・・。そんな思いをし続けて来ました。季節を変えて、この植物を追い続けて来て、素人ながら少し気の付いた事があります。
①今年開花した個体は、来年咲かない場合が多い。②結実して種を飛散する前に、(花茎の)枯れてしまうものが多い。③晩秋にバルブ先端の葉が枯れ、バルブ下から新しい葉の出て来るものがある。
この植物は、葉が痛んだり花を咲かせたりすると、休眠する個体が多いのではないかと思います。一番最初に出会った果実を付けた個体は、その翌年姿を消していました。ところが、その3年後同じ場所を訪れると、また姿を現していました。
琥珀色の萼片に霜降り肉のような唇弁が、とても印象的な花です。こんな表現をする人はいませんね。図鑑では「唇弁は、白地に淡暗赤色の斑紋と条が入る」と書かれていました。
唇弁の形や斑紋は、個体によっていろいろです。左の花には花粉塊が見えています。右は送粉者が触れたようです。林内を、ハナアブのような虫が飛び回っていました。でも、花粉を付けた虫を見る事は出来ませんでした。
とても小さな花ですが、こうして接写・拡大して見ると特徴的で綺麗な花です。
少し斜めから撮ってみました。
私が、あと何年この場所を訪れる事が出来るか分かりませんが、深山の厳しい自然環境に耐えながら、何時までも咲き続けてほしいと願っています。
コハクランは、環境省、長野県共に絶滅危惧種ⅠA類(CR)に指定されています。山梨県は情報不足(DD)、静岡県は(━)です。
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