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2017年5月

2017年5月31日 (水)

甲斐犬姉弟の誕生日

遠く離れた地で暮らす甲斐犬の姉と弟・・今日が10歳の誕生日です。姉は小桃(登録名:珊瑚)、弟は萌(登録名:萌葱)と名付けられています。二匹は不思議な縁で結ばれ、お互いの飼い主家族に引き取られた一年後、Webで再会する事になったのです。

【小桃】

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自然豊かなところで散歩しているようですね。後ろの山、日和田山かな?

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綺麗な毛並みが、飼い主さんの愛情を物語っています。

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この写真、萌が喜んで伏せた時とそっくりです。萌は、この後切れっぱしりします。

【萌】

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大好きな穴掘りをした後の表情です。よそ行きの顔でなくて恐縮です。

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近づく飼い主に悪戯されると思って、警戒しているようです。

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毛が生え変わる時期なので、腰から後ろは家族の意見でカットしました。首輪に下がっている赤いペンダントは、狂犬病予防注射の標識です。先代犬の時からお世話になっている獣医さんが、こちらを選んでくれました。

ところで、この写真の撮影日は、5月24日・・奇しくも、小桃の飼い主さんから送られて来た写真の撮影日が同じ日です。

年一回のWebでの再会ですが、こうして幸せに暮らしているのが分かると、遠く離れた家族の安否を聞いたようで安心出来ます。いつまでも元気で長生きしてほしいと願っています。

2017年5月30日 (火)

アオチドリ開花(富士山)

発見してから約10日・・アオチドリの花が咲いていました。

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花は緑色のものと紫褐色のものがあるそうです。この花は後者のようです。

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上萼片、側萼片の様子。以前見た個体は、萼片が緑で唇弁と距が紫褐色でした。

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唇弁がダックスフンドみたい(胴長短足)ですね。「唇弁は、先端で3裂・・」とありますが、真ん中はほんの少ししかありません。

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ランの花は、UMA・・Unidentified Mysterious Animal (未確認生物)のようなものが多いですが、この花もそう見えます。

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デジタルズームしてみました。

近くには、子株が二つ生えていました。このまま子孫を増やしてくれると良いのですが・・。

今日は、猛暑の中、屋外作業を行いました。日焼けはするし、暑いのなんのって・・持って行った飲料水だけでは水分不足なので、ビールで補給しなくては!

2017年5月29日 (月)

ヤマシャクヤク(富士山)

実生栽培の花が散ってから約一月・・富士山のヤマシャクヤクを見て来ました。

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木漏れ日のスポットライトを浴びたヤマシャクヤクです。

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開花株が増えていると思います。

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花の命は短く、虫に好かれる事もあり、すぐに傷んでしまいます。

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この中途半端な咲き方が、この花の魅力でもあります。

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花弁の枚数も様々です。そして、細いタイプもあれば・・。

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このように幅広のタイプもあります。こちらが一般的ですね。

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ベニバナヤマシャクヤクに比べて、曲がりの少ない花柱。中には、右の様に仲良しの花柱もあります。

ところで・・。

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葉裏に毛のあるタイプと、毛の無いタイプがあります。杉野孝雄先生の「静岡県産 希少植物図鑑」に、「葉裏に毛のあるケヤマシャクヤクも混生する」と書かれています。このエリアには両方のタイプがありました。

ベニバナヤマシャクヤクの特徴として図鑑に書かれている「葉裏の毛」だけで、区別する事は出来ません。逆に、ベニバナヤマシャクヤクで、葉裏に毛の無いタイプもあります。

2017年5月28日 (日)

新エリア探索③(富士山)

少し間が空いてしまいましたが、亜高山帯探索の続きです。

【キノコ・変形菌など】

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カイガラタケかカワラタケの仲間。裏側にヒダがあればカイガラタケのようですが、撮り忘れました

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変形菌なのかキノコの子実体なのか分かりませんが・・。

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こちらも・・。

変形菌とキノコは同じだと思っていたのですが、キノコから独立した生物グループとして研究されているそうです。子実体を形成して胞子繁殖しますが、微生物を摂食するために変形体が移動するという、植物と動物の性質を併せ持っている不思議な生物だそうです。

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こちらは、黄色いキクラゲのようですね。Web図鑑を見ると、コガネニカワタケやハナビラダクリオキンなどが似ています。

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似たような黄色いキノコを時々見かけますが・・。

【コケ・シダ】

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スギゴケの仲間と、右はコセイタカスギゴケでしょうか?

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コウヤノマンネンゴケとフジノマンネンゴケが混在していました。

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イワダレゴケに混じって生えていた綺麗な苔は、ムツデチョウチンゴケでしょうか?接写し忘れました。

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ムチゴケの仲間を発見!亜高山帯ではあまり見かけません。

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こちらは、ミズゴケの仲間のようですが・・。

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接写ズームしてみました。

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左はコケシノブの仲間ですが、近くの山林で見るコウヤコケシノブのように、裂片の先に鋸歯がありません。Web図鑑の解説を見ていたら頭が痛くなったので、コケシノブ科と言う事で・・。

右は、ミニ洞窟の中で見た蛍光色の物体・・地衣類でしょうか?接写ズームした写真を貼り付けてみました。

最後に・・。

【タケシマランの花と虫】

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新エリアには、タケシマランも多く見受けられました。

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以前の記事に掲載した花は、葯の大きさが違っていました。でも、ここの花は同じようです。葯袋の破裂時期が違ってそう見えたのかもしれません。

花に集る虫を撮ってみました。バッテリーが少なくなって来て、LEDストロボが上手く働かず見難い写真になってしまいました。

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最初見た時は蚊だと思ったのですが、ちょっと違うようです。同じ花に、二匹集っていました。

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二匹とも似たような虫ですが、触角が違います。片方には毛が生えています。これは雄雌なのか、それとも別種なのか?

まだ、写真を撮りましたが、新エリア探索の記事はこれでお終いにします。次は何処を探索しようか・・。

2017年5月27日 (土)

釜無ホテイアツモリソウと山野草展

一週間程前になりますが・・。長野県富士見町・・釜無山系入笠山に自生する釜無ホテイアツモリソウの展示会が行われていましたので見て来ました。山野草の写真は、掲載しませんが・・。

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アツモリソウと白花アツモリソウです。

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こちらは、北海道の礼文島に自生するというレブンアツモリソウです。

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そして、こちらが釜無ホテイアツモリソウです。

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一般のアツモリソウに比べて、唇弁(袋状の部分)が付き出しているのと、花色の濃いのが特徴だそうです。この花は特に濃いですね。

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左は中国産アツモリソウと書かれていました。右もそっくりだけど、中国産の表示はありませんでした。

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こちらは、別のところで撮った中国産ホテイアツモリソウです。唇弁の裏表が入れ替わったような花ですね。

昨年、この地での保護活動の内容を知りました。住民、企業、学校、行政が連携して保護活動を行っており、富士見町ではアツモリソウの保護条例を制定しているそうで、その内容も読ませていただきました。また、企業へ依頼して増殖の共同研究を行い、最終的には昔のように富士見町内でも手軽に見られる普通のお花に戻す事を目指しているとの事でした。

希少植物の保護は、何のために行うのか?最終目標の実現は、かなり困難な事業だと思います。でも、かつての自生地を復活させ、誰でも見る事が出来るようにするという考え方には、とても賛同出来るものがあります。

また、驚かされたことは、アツモリソウを栽培している趣味家たちも、この保護活動に参加している事です。しかも、増殖したアツモリソウを試験的に販売して、その売上金を保護基金にする計画など、他地域の希少植物保護活動とは一線を画していると思います。

いつの日か、官民一体の保護活動が実り、囲いの中や神様の誘いで訪れた場所以外でも、釜無ホテイアツモリソウの花が見られる日の来る事を祈っております。

2017年5月26日 (金)

ヤツシロラン類栽培実験

今日も雨・・ずっとパソコンを使っていると目が疲れるので、息抜きにシャッターのペンキ塗りをしました。最近、頭脳労働の集中力が落ちて来ました。やっぱり歳のせいかな?

このところご無沙汰だった、ヤツシロラン類の様子です。

【アキザキヤツシロランの容器】

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黄色味を帯びた菌糸と白い菌糸が成長していました。昨年は、部材の上に種を蒔いたのですが、今回は中に蒔いてみました。表面で発芽したものは、成長しにくいと思ったからです。部材を捲らないと、経過を見る事は出来ませんが・・。

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こちらにも・・。

良く見ると、根状器官に菌糸が絡みついています。

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部材の隙間から顔を出していた塊茎の様子です。上手く成長してくれるだろうか?

【クロヤツシロランの容器】

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やっぱりスギの球果は菌糸に好かれるようです。右は、亜高山帯の針葉樹林から拾って来たトウヒの球果に生える菌糸です。トウヒは長持ちすると思うのですが、スギの様に簡単に生えてくれません。

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こちらも、根状器官に菌糸が纏わりついていました。

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根状器官を覆った菌糸は、逆に養分を吸収されるそうです。昨年は、塊茎が多すぎて菌糸不足になってしまい(菌糸の繁殖が間に合わず)、花を咲かせるまで成長しませんでした。なかなか難しい・・。

【未知のヤツシロラン類の容器】

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根状器官が伸びていました。この容器は、上記の二つの容器より温度を高くしてありますが、なかなか菌糸が繁殖してくれません。昨年のクロヤツシロランの経験から、この根状器官の伸び方は、菌糸を探しているのだと思います。

塊茎に同封されて来た少量の土を入れてみたのですが、上手く繁殖してくれなかったようです。

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こちらは、昨年姿を現した芽(花径)ですが、固まったまま成長を止めてしまいました。やはり菌糸不足で、成長出来ずに枯れてしまったようです。

アキザキヤツシロラン栽培容器の中の菌糸を入れてみようと思っていますが、このヤツシロラン類に合うのか分かりません。

何れも、学ぶ事ばかりです。

※根状器官は仮称です。菌糸は、菌子束と呼んだ方が正しいのでしょうか?

◇お願い◇

このブログを見てくださっている方にお願いがあります。私の住む富士市に近いところ・・富士山南面や愛鷹連峰西面などで、ギンリョウソウの発芽を確認された方がいたら、おおよその場所、或いは標高を教えてください。今年は、いろいろな植物の成長が遅れていて、発芽時期が掴めません。出来るだけ、発芽し始めの時期が把握出来ると助かります。何卒、宜しくお願い致します(この記事へのコメントか、下記のアドレスまでお願いします)。

yamabudou@hotmail.com

2017年5月25日 (木)

CAD

私が、一番最初に図面描きで使ったのは、製図板とT定規でした。その後、平行定規、ドラフターなどが開発され、作図が随分楽になりました。歳が分かりますね

更に、パソコンの登場と共に、CADソフトが発売されるようになりました。CAD:computer-aided design・・コンピューター支援による設計と訳されるそうです。要は、パソコンを使って図面を描くソフトの事です。

発売当初の市販ソフトは、パソコンのカスタマイズも含めて1,000万円以上もしました。そして、OSがMS-DOSからWindowsに変わり、パソコンの性能も飛躍的に向上しました。それに伴い、沢山のCADソフトが登場し、個人レベルで購入出来るような価格帯になって来ました。それでも、ソフトだけで十数万円から数百万円くらいはしたと記憶しています。

そんな中で、MS-DOS上で動作するフリーソフト・・JW-CADが登場しました。やがてWindows版も開発され、低価格帯の市販ソフトを凌ぐ機能を持つようになりました。

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JW-CADの画面を貼り付けてみました。内職の図面は掲載する訳に行きませんので、アニメを表示させてあります。

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これも、CADで描きました。「何だ、アニメか?」なんて言わないでください。こういう変則な図面をCADで描くのは、意外と大変なんです。

現在では、いろいろ役に立つフリーソフトが登場しています。そんな中でも、このJW-CADはお勧めです。三次元などの特殊な図面を除き、建設業界でもこのソフトを使っている会社はかなり多いと思います。その証拠に、最近の市販ソフトには、直接JW-CADデーターの入出力可能なものが登場しています。

このCADの素晴らしい点は、線記号変形、外部変形といったミニプログラムを取り込む窓口がある事です。いろんな分野の方が作られた、便利なミニプログラムをWeb上からダウンロードして使う事が出来ます。

興味ある方は、下記からダウンロードして使ってみてください。

Jw_cadのページ

不法投棄パトロールで出会った植物②

雨が降ったりやんだり・・仕方ないので、不法投棄パトの報告書作成と、たまった内職の図面描きをしています。気分転換に、今日のブログも早めにアップします。

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愛鷹林道では、オカタツナミソウが彼方此方に咲いていました。

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蕾は、猫パンチのようだと思いませんか?下から見上げた右の写真・・時報に合わせて、萌が遠吠えしている姿に似ています。

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左は、この辺りで多く見かけるシシガシラです。右の綺麗なシダは、クジャクシダです。

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左は葉表、右は葉裏の様子です。

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ソーラス(胞子嚢群)は、葉裏の上の縁にあります。縁を折り曲げて包んだような感じですね。餃子みたい・・。

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こちらは、開花間近なウメガサソウです。ウメガサソウは、自ら光合成を行うとともに、菌根菌の菌糸を通じて、近隣の樹木からも養分をもらっている、部分的菌従属栄養植物だそうです。

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これは、クモキリソウだと思います。ウメガサソウの近くに生えていました。

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オオバノトンボソウと、樹上に居候していたミヤマウズラです。

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斑入り葉のテンナンショウ属も彼方此方で見かけました。

そして、右はずっと気になっていたササユリです。この林道が、一般車両通行可能だった頃、林道沿いに生えるススキの中にこの花を見付けました。あれからかなりの歳月が経ちました。まだ無事でいるだろうかと、心配していましたが、こうして再会する事が出来、本当に良かったです。

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こちらは、ゲートの無い別の場所で撮りました。蕾が付いています。花の時期にまた行ってみたいと思っています。

以前撮ったササユリの花を掲載します。

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淡いピンクの花で、とても清楚な感じがします。

ところで、このユリは種を蒔いた翌年には発芽せず、翌々年の春に発芽するそうです。そして、蒔種から開花までに7年以上の歳月がかかると書かれていました。ヤマシャクヤクと同じですね。

2017年5月24日 (水)

不法投棄パトロールで出会った植物①

予報だと、今夜~明日に雨が降るとの事。報告書の作成もあるので、今月二回目の不法投棄パトロールに行って来ました。

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富士山も笠雲を被って、雨予報をしていました。

今日のパトロールは、一般車両通行禁止の林道を含めました。ゲートの鍵を開けて入りますので、身分証明書以外に支給されたベストを着て行きました。ゲートが設けられた関係で、空き缶などのポイ捨てもずっと少なくなりました。でも、無いわけではありません・・。

途中で見た植物観察です。

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ハコネウツギとベニウツギの花が見頃でした。今迄、この林道沿いに咲く赤白の混じったものは、ハコネウツギだと思っていました。ところが、南関東科学系博物館ネットワークの「花だより」で次のような記述を見付けました。

◇ハコネウツギは海岸近くの斜面に生え、箱根山中で見られるのはニシキウツギです。このために「箱根にはハコネウツギはない」といわれます。ハコネウツギの葉は円くて大きく、葉の裏がほとんど無毛です。ニシキウツギの葉はやや細長く、裏面の脈上に毛がはえています。

次回、葉裏の確認をして来ようと思います。

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メシベの柱頭が突き出ているのは、自家受粉を嫌うため?右は蕾を持ったコアジサイです。この辺りでは、良く見かけます。

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ウツギ、ヒメウツギ、マルバウツギ・・私はこういう紛らわしい植物が苦手です。でも、少しずつ覚えて行かなくては・・。オシベの花糸(軸)の翼が先細りになっているので、マルバウツギだと思います。

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こちらは、とても小さな花を付けるコゴメウツギです。かなり荒い画像になりましたが、こうして拡大してみると面白い形の花ですね。

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ガクウツギの装飾花(白い部分)は、個体によっていろいろな形をしていて、別種のように思える事があります。右は、中央の両性花をズームしたものです。

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まだフジの花が咲いていました。これはヤマフジかな?右はホウノキの花です。

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ハンショウヅルも開花間近です。これ以外に、ずっと気になっていたある植物の無事を確認する事が出来ました。後の記事で・・。

「ちゃんとパトロールしたのか?」・・ちゃんと、ポイ捨てゴミを回収して来ましたよ!皆さん、ポイ捨ては止めましょう!みっともないので・・。

2017年5月23日 (火)

入笠山の植物

富士山の新エリア探索は小休止して、入笠山(長野県富士見町)で出会った植物の記事です。

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望遠で撮りました。クリンソウかと思ったら、濃い色のサクラソウかな?

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左はノギランかネバリノギランでしょうか?右はヤナギランかな?この季節に見た事が無いので・・。

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左は食用不可のハシリドコロで、右は美味しいコゴミ(クサソテツ)です。ハシリドコロは、静岡県で見る方が柔らかそうな印象があります。

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シロバナエンレイソウとツバメオモトです。以前、八ヶ岳倶楽部を訪れた時、ツバメオモトを見て別種ではないかと思いました。富士山で見るツバメオモトの葉はもっとスリムなので・・。

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シロバナエンレイソウは、彼方此方で目にする事が出来ました。右はミズバショウの花です。手前に写っているのは、コバイケイソウの葉だと思います。

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左はクリンユキフデかな?右はクマガイソウです。まだ、こんな状態でした。

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クマガイソウ・・これはたぶん開花株。右はニリンソウですが、静岡県で見るものと感じが違います。特に、葉の色が違いますね。

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最初は、私の普段の探索範囲では見る事の出来ないサンリンソウかと思ったのですが、花柄の付け根の葉に葉柄が無いので、やっぱりニリンソウですね。

そして、今年は花を見逃してしまったカタクリが咲いていました。長野県で見るカタクリは、静岡県のものより色が濃いですね。

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ちょうど見頃でした。

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暫し見とれていました。

「待てよ、カタクリが咲いていると言う事は・・。」

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お目当ての植物は、こんな状態でした。囲いの中ではなく、昨年神様の呟きに誘われて行った場所で撮りました。こちらもかなり遅れているようです。

でも、お目当ての植物(釜無ホテイアツモリソウ)の展示会を見る事が出来ました。後の記事で・・。

2017年5月22日 (月)

新エリア探索②(富士山)

今日も、暑い一日でした。畑の野菜のために、一雨欲しいところです。

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幾つか越えた谷の一つ。厳しい自然環境を物語っています。

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この日は、数えきれないほどの、シロバナエンレイソウとクルマバツクバネソウを見ました。

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こちらは、もう少しで開花するズダヤクシュです。

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サワギクの葉も姿を現していました。右は、倒木の上で見つけたタラの芽です。大きくなるのを期待して、そのまま残して来ました。

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左は、樹上に着生するダイモンジソウです。右は、ヤシャビシャクです。いつも見ているヤシャビシャクと違う・・と思われた方がいるかも?実生発芽して一年目は、こんな葉です。

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ダイモンジソウの鋸歯も個体によって違います。私には、葉を見てミヤマダイモンジソウとの区別が出来ません。葉裏は、赤紫でした。

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マツノハマンネングサも、姿を現していました。冬には葉が落ち、茎が苔の中に潜んでいます。

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左は、マツノハマンネングサの果実殻です。右は、ワチガイソウです。この辺りは、まだ蕾でした。小さな白い花ですが、開花すると案外目立ちます。

新エリア探索・・まだ続きます。

2017年5月21日 (日)

新エリア探索①(富士)

イチヨウランの様子見と、新エリアの探索で出会った植物などを集めてみました。

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こちらは、スギラン(シダ植物)です。私が出会った中では、一番標高の高い所です。

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裏側から・・。

更に、樹上を探すと・・。

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ヤシャビシャクとカニコウモリが居候していました。

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こんなキノコも時々見かけます。

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こちらは、笹に守られたコゴミ(クサソテツ)とシロバナエンレイソウ(ミヤマエンレイソウ)です。亜高山帯にもコゴミが生えるんですね。

ついでに・・。

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バイケイソウに守られたシロバナエンレイソウです。この植物もシカの捕食対象になっているようです。

ところで・・。

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シロバナエンレイソウの八重咲だそうです。私は今迄、沢山のシロバナエンレイソウを見て来ましたが、八重咲や花に変異のある個体を見た事はありませんでした。内花被片が大きいので、外花被片が隠れていますが、良く見ると少しはみ出しています。

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谷合の平地に生えるバイケイソウです。このエリアでは、ヤシャビシャク、マツノハマンネングサ、ダイモンジソウ(ミヤマ?)などの着生した樹木を彼方此方で見る事が出来ました。

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この野鳥は何でしょう?18.8倍ズームでは、これが限界です。ウグイスに似ていますが・・。

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この中央に巣があります。ミソサザイのような野鳥が、中に入って行きました。覗きたかったのですが、巣を放棄してしまうといけないので、望遠で撮影しました。

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ミニ洞窟の中にあったこれは何?蛍光色の塗料で塗ったような感じです。地衣類でしょうか?

まだ続きます。

2017年5月20日 (土)

イチヨウラン(富士山)

イチヨウランの花が咲いている頃だと思い、様子見に行って来ました。

◇第一の場所

この日、初めて立ち入ったエリアです。時間のある時に、GPSを持って探索エリアを広げています。

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こんな場所です。帰りの体力を気にしながら、幾つかの谷を越えました。歳なので大変・・。後、何年歩けるだろうか?GPSが生命線なので、予備電池も充電確認して行きました。

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イワダレゴケに守られるように生えていました。

隣には・・。

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朽木の中から姿を現している株がありました。右は、少し欠き取った様子です。

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この朽木の中にも、発芽と生育を助けてくれる菌糸が潜んでいるようですね。可憐な花を咲かせるイチヨウランですが、逞しさも垣間見る事が出来ました。

◇第二の場所

例年、一番最初に訪れているエリアです。上より、200m程標高の低い所です。

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思い入れのある鶉葉のイチヨウランです。蕾が伸びて来ました。

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この二つのイチヨウランは、萼片が外れ蕾が横を向いています。開花が間もないと思います。

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こちらはツインズ。右は、かなり仲良しのようですね。昨年もこのような株がありましたが、そことは違う場所でした。昨年の株はどうなったのでしょう?

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直立して伸びた蕾は、萼片が捲れると共に横向きになって行きます。

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やがてこのような状態になり、開花していきます。

◇素人の思いですが・・。

何年か同じ場所を観察していて思うのですが、イチヨウランは何年も続けて花が咲かないのかもしれません?印を付けた訳ではありませんが、開花する位置が少しずつ違うように思います。開花を確認した株が、翌年花を咲かせない事がありました。薄暗い林床に生える上に、一枚葉ですから、菌への依存度が高い植物で、その状態によって開花出来ない事があるのでは?

そして、実生発芽して葉が展開してから、5年より短い期間で初花を見る事が出来るのではないかと思います。

ところで、イチヨウランはコハクランの様にバルブを持っていません。外的要因で葉が失われてしまった場合、地下茎だけで生き残るものなのでしょうか?もしかしたら・・と思えるような事例に出会った事があります。

詳しい方のご意見を伺う事が出来れば幸いです。

2017年5月19日 (金)

アオチドリ(富士山)

アオチドリ・・この野生蘭に、初めて出会ったのは5年前でした。それ以来、私の狭い探索範囲では、再開出来ずにいました。

ところが・・。

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例年なら開花しているであろう、イチヨウランの様子を見に行って、再会する事が出来ました!まだ小さな株ですが・・。

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コンデジで接写してみました。地味な色彩なので、草むらの中にあったら気付き難い植物です。

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まだ、開花した蕾はありませんでした。イチヨウランも、開花が遅れていますので、次回訪問する時には、両方の花が見られると思います。

LAN-DISKから、5年前の写真を取り出してみました。

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上の場所より、300mくらい標高の高い所で出会いました(2012年7月上旬撮影)。

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花の様子です。面白い形の花ですね。

ところで、この植物は環境省、静岡県とも絶滅危惧種の指定がありません。イチヨウランは、静岡県では絶滅危惧種Ⅱ類(VU)に指定されているのに・・。県内では、沢山生えている場所があるのだろうか?私にとっては、イチヨウランよりも遥かに希少種です。

山の神様、再開させてくれてありがとう!

2017年5月18日 (木)

ドイツスズラン(自宅植物園)

昨日・今日と、連続で肉体労働でした。屋外なので暑いし、慣れない作業で彼方此方痛い・・

庭先のドイツスズランが咲きましたので、撮ってみました。

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左はコンデジAuto modeで、右は顕微鏡モードで、Flash diffuserを使って撮りました。

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ニホンスズランとの違いは、葉の幅や花の咲き方などいろいろありますが・・。

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ドイツスズランは、丸い釣鐘型の花を付けます。ニホンスズランは、裂片の反り方が大きく、少し扁平の釣鐘型です。でも、比べてみないと分かり難いですね。

そこで、一番分かり易いのがこちら・・。

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釣鐘の中を覗くと、オシベの花糸(かし)の付け根辺りが赤紫色です。ニホンスズランは、この赤紫色がありません。花径をそっと持って覗かないと折れてしまうので、注意してください。

2017年5月17日 (水)

お寺の植物(静岡市)

昨日は、義父の立ち日でした。お墓参りに行った、静岡市某所のお寺で撮った植物を集めてみました。

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ニオイバンマツリ・・以前は我が家にもありましたが、不肖の息子が枯らしてしまいました

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花は紫から白に変化し、芳香があります。蕾の歪さが面白い・・。

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花芯をズームしてみました。オシベが2個、メシベが1個でしょうか?ちょっと変わっていますね。この植物は、ナス科だそうです。

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この花の色合いが気に入りました。花の名前は分かりませんが・・。

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少し淡い色の花もありました。

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横顔を見て、アキギリを思い浮かべましたので、「シソ科のアキギリ」と検索してみました。「サルビア・コクネシア」という花に似ています。ただ、Web図鑑で見るものより丈が短く、山野で見るアキギリくらいです。

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こちらはオダマキの仲間です。最近では、オダマキもいろいろな色の花があるようですね。

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小さな花を沢山付けているのは、キジカクシです。

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花を接写して背景を黒く加工してみました。ちょっと黒過ぎたかな?

右は、咲き残りのジャスミンの花だと思います。

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シランも咲いていました。右は白花です。我が家のシランは、今見頃ですが、ここの花は終盤を向かえているようです。

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唇弁の突起が凄いですね。シランは、丈夫で良く増えます。

そして・・。

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見慣れない植物です!家族にせかされて慌てて撮ったため、ピンボケしてしまいました。本当に五月蠅いんだから!

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もしかしたら・・。帰宅して、杉野孝雄先生の「静岡県産 希少植物図鑑」を見ると、ヒロハハナヤスリ(ハルハナヤスリ)というシダに似ています。図鑑の葉は少し細身ですが、「栄養葉は、広披針形から広卵形」とあります。そして、春のみ地上に出現すると書かれています。胞子嚢が破れた様子も見てみたい。またお墓参りに行かなくては・・。

2017年5月16日 (火)

季節だより観察会②-2

観察会の続きです。

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須津川渓谷「大棚の滝」です。今のように整備される前は、渓魚を追って入渓した事が幾度かあります。滝壺にいる魚は釣れない・・。

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一番目の植物は、とっても小さな勿忘草の仲間・・キュウリグサです。畑では抜き取っていますが、こうして見ると綺麗な花ですね。

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左は蕾の先端部です。サソリ型花序と呼ぶそうです。右は花後の果実です。キュウリグサは、葉を揉むとキュウリのような匂いがする事から名づけられたと書かれています。

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オカタツナミソウの蕾が膨らんでいました。我が家の近くでは、もう少し先になると思います。

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いつも思うのですが、下から撮ると萌の顎を見上げたような感じです。

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ガクウツギの花が咲いていました。ウツギの仲間の花が咲き出すと、初夏を感じます。

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ウツギの花が、彼方此方に咲いていました。

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この昆虫、前足やお尻に花粉を付けていました。送粉者?

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植栽のサラサドウダンの花です。我が家の紅満天星(←ドウダンの漢字良いですね)も花盛りです。

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ウワバミソウの花も咲いていました。午前中の雨に濡れて、構造が良く分かりません。

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左は亀甲模様のカンアオイの仲間です。以前、これと同じ葉と花の写真をブログに掲載したら、カントウカンアオイだと教えて頂きました。図鑑で見るカントウカンアオイの葉は、これとは全然違っています。

普通のカントウカンアオイの葉は、オトメアオイにも似ています。オトメアオイの花は小型で、「花は夏咲くが年越しして、翌年春結実し普通葉が出るという他の種に無い特徴がある。」と書かれています。次は、その辺りをしっかり観察したいと思います。

右は、ハルジオンの花です。畑では除去対象植物ですが、淡いピンクが綺麗でしょ?

最後に、観察会後の観察で見た花を掲載します。

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コミヤマスミレ・・私がいつも見ている自生地ではもっと茶色の葉です。日照の関係だろうか?

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花を接写してみました。このように、萼の反り返っているスミレは少ないそうです。

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エビネの花が咲いていました。

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まだ採取される株もあるようですが、少しずつ増えていると思います。栽培したければ、園芸店で買って堂々と栽培しましょう!

これで、観察会の記事はお終いです。一人歩きの多い私は、自分の気になった植物ばかり見て来ましたので、こういう観察会では学ぶ事が多く、とてもためになります。富士自然観察の会の皆様、参加者の皆様、有難うございました。

2017年5月15日 (月)

季節だより観察会②-1

少し前になりますが・・。5月10日、「富士自然観察の会」さん主催の第二回目「季節だより観察会」に参加させていただきました。

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この日は、須津川渓谷でした。熱心な人たちばかりなので、なかなか先へ進みません

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対岸に咲くホウノキの花を、18.8倍ズームで撮ってみました。

そして、この日初めて名前を教わった植物(3種)です。

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見慣れない蔓植物・・コウモリカズラというそうです。葉は、富士山の亜高山帯などで見るコウモリソウに似ています。雌雄異株で、全草にアルカロイドを含むそうです。もしかして、これもアサギマダラの幼虫の好物だったりして・・。

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そして、コチャルメルソウの葉が大きくなったようなこの植物は、オオバチドメだそうです。止血効果のあるチドメグサと同じ効能があるのだろうか?

更に・・。

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左の植物も、見かけた事はあるのですが、名前が分かりませんでした。ヤマアイで、染料に使われるそうです。

右は、イワユキノシタの葉です。私が良く行く場所では、開花はもう少し先になると思いますが・・。

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ここでは花が咲いていました!

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同じく愛鷹山渓に生える、ヒトツバショウマの花にも似ています。この日は、雨上がりで薄暗かった上に、手の届かない所に咲いていたので、花の接写は出来ませんでした。

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綺麗なシダ・・リョウメンシダです。

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葉の裏表が同じような色なので、こうして接写してみないとどちらの面も同じように見えます。

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こちらも綺麗なシダ・・ハコネシダです。

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小葉を接写してみました。先端部に鋸歯があります。

②-2へ続きます。

2017年5月14日 (日)

ミツガシワ

LAN-DISKの写真を整理していて、掲載し忘れた花を見付けました。少し前の写真になりますが・・。

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ミツガシワです。この植物と初めて出会ったのは、数年前の5月連休でした。沼津市の田んぼの畔に咲いていた、見慣れない花に感動したものです。

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蕾の様子です。下から次々と開花して来ます。花の寿命は比較的短い植物です。

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花は個体によって、花柱が長くオシベの短いタイプと、花柱が短くオシベの長いタイプがあるそうです。結実するのは、花柱の長いタイプと書かれていました。この花は、花柱が長いから受粉すれば結実するのかな?

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山渓の図鑑には「花冠は深く5裂し、裂片の内面には縮れた毛を密生する」とあります。でも、この花は6裂しています。

Web図鑑を見ると、裂片の数が7個のものもあり、幅や反り方などにも変異があるようです。

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左は、縮れた毛と柱頭をズームしてみました。右は名前の由来となった柏のような葉です。冬に地(水)上部は枯れ、早春に柄を伸ばし葉を展開します。

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地下茎を撮ってみました。竹の節のようですね。根は、節の繋ぎ目ではなく、その間から出ています。ちょっと意外・・。

この植物は、主として寒帯に分布していますが、暖地にも氷河期の遺存種として点々と分布する事が確認されているそうです。

ところで、薬用図鑑に「乾燥葉を睡菜葉(スイサイヨウ)と称し、苦味健胃薬とする」と書かれています。葉を茹でて食べたら美味しそうと思っていたのですが、苦いのでは辞退ですね。でも、睡菜の名はどうして?中国の古書に「根を掘って塩漬けにしたものを食べると、良く眠れる」というような記述があるそうです。

植物は、花の美しさに目を惹かれるだけでなく、いろいろ調べてみると面白いですね。

2017年5月13日 (土)

オオカメノキの花(富士山麓)

昨日は天気だったのに、今日は雨・・しかも大雨が降るとの予報でした。昨晩から今早朝の予報では、静岡県東部は昼前くらいまでは「弱雨」。

「弱雨の内に行こう!」どうしても、今日行かなければならない理由があって、萌の朝散歩を5時前に行い、早朝の富士山麓へ行って来ました。

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1週間前くらい前には咲いていなかった、オオカメノキ(ムシカリ)の花が咲いていました。

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この時期、白い花は、遠くからでも目に付きます。

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小さな両性花の周りに、5枚の花弁を持つ装飾花がつきます。ガクアジサイのようですね。

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両性花と装飾花をズームしてみました。装飾花の薄いピンクが綺麗です。

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葉の様子です。左は花を付けていた木の葉で、右は実生苗です。歳をとると、皴の数も多くなるのは人間と一緒かな?。

オオカメノキは、夏に赤い果実になり、秋には黒く熟します。沢山の果実が生る割には、樹下の苗は数えるほどしか見当たりません。自生地の環境では、発芽してもほとんど枯れてしまうのかも?

行った目的?それは秘密です

2017年5月12日 (金)

富士山麓で出会った植物②

続きです。

【アサノハカエデ】

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紅葉するカエデの葉も良いですが、新緑の葉も綺麗です。

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この辺りには、アサノハカエデが生えています。皴の多い葉ですね。花が咲いていたので撮ってみました。

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「雌花序の基部に一対の葉をつけるが、雄花序の基部にはつかない・・」。一番上が雌花序のようですね。

【ミヤマカタバミ】

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並んで咲いていたので、ミヤマスミレの白花かと思ったら、ミヤマカタバミでした。

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変種でカントウミヤマカタバミがあり、「葉裏の毛は少ない」と書かれています。多い少ないという区別は、双方を見比べないと分かりませんね。

【セントウソウ】

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彼方此方で見かける白い小さな花・・セントウソウです。山渓では「野に咲く花」に掲載されていますが、標高1,000mを超えるところでも見る事が出来ます。

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等倍レンズでは、花の構造が分かりません・・。コンデジでマクロズームしてみました。体毛の多い蟻が蜜を吸っていました。

【ミツバコンロンソウ】

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ナベワリの生える林内で、ポツポツ見かけます。とてもか弱い植物です。

【シロカネソウ】

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この植物は、かなり長い期間花を見る事が出来ます。ただ、季節が進んで見る花は、小さくか細い印象があります。キンポウゲ科の花は、花弁のような萼片を持ち、その形や数に変異があります。

右は、蜜線状の花弁(黄色い部分)に集る蟻です。似た植物にハコネシロカネソウがありますが、シロカネソウは葉の表面が波うち、頂小葉の先が尖るのに対して、ハコネシロカネソウは、葉の表面が波打たないで、頂小葉の先が細く尖らないなどの違いがあります。

ところで、山渓の図鑑では「シロネソウ」と表現されていますが「シロネソウ」に変わったそうです。どうして紛らわしい事をするのでしょう?「山は白銀(しろがね) 朝日を浴びて ・・」の印象が強くて・・。

【ツルニンジン】

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左の状態を見てツルニンジン(ジイソブ)と分かる方は少ないと思います。右は同じ頃、標高の低い丸火自然公園で撮ったものです。特にヒメツルニンジン(バアソブ)は、芽出しの頃、葉や茎に短毛が多く、別の植物のような印象を受けます。

※今日は、夕方から夜にかけて用事があるため、時間指定で早めにアップします。

2017年5月11日 (木)

富士山麓で出会った植物①

今日は暑くて、真夏のような一日でした。

先月末から今月上旬にかけて、富士山麓で出会った植物を集めてみました。

【タチガシワ】

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ナベワリと共に目覚める面白い植物です。初めて出会った時は、名前も知らないこの花の姿と花色に感動しました。

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図鑑では「緑褐色」と表現されています。花冠は5裂しています。彼方此方探してみましたが、へそ曲がりの個体はありませんでした。

この植物は、富士山南麓では比較的見る事が出来ますが、隣の山梨県、長野県では、絶滅危惧種Ⅰ類に指定されています。同じくガガイモ科カモメヅル属のイケマは、山梨県でも多く見られるのにどうしてでしょう?

【マイヅルソウ】

◇静岡県にて撮影

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マイヅルソウも蕾が上がって来ました。日照の悪い所は、開花株が少なくなります。

◇山梨県にて撮影

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上のマイヅルソウに比べて、葉が細長く花柄や葉に毛が目立ちます。こちらはヒメマイヅルソウでしょうか?

【ヤマトグサ・シロバナエンレイソウ】

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左はヤマトグサです。撮影してから1週間ほど経ちますから、そろそろ開花しているかも?面白い花は後日・・。

右は、シロバナエンレイソウの変異色かと思えますが、花の終盤になるとこのように内花被片が変色して来ます。やがて内花被片は落ち、子房が膨らんで来ます。

【ヤマエンゴサク】

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左は少し前の写真ですが・・。左右の葉に注目してください。ヤマエンゴサクは、花色もいろいろですが、葉の形も多様です。

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赤色の花と青紫の花。このエリアでは、右の花が一番多く見られます。

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赤い色素の少ない(青っぽい)花と、丸みを帯びた小葉(しょうよう)を撮ってみました。

希少種探索も面白いですが、数を見る事の出来る植物の変異を探すのも楽しいです。

2017年5月10日 (水)

ミヤマスミレとトウカイスミレ(富士山)

今迄、ミヤマスミレの花を見ていたのは、亜高山帯でした。この日は、確認したい事があって、もう少し標高の低い林内に入りました。私にとって、この時期に訪問する事は稀な場所です。

【ミヤマスミレ】

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苔の中に、ミヤマスミレの花が咲いていました。

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山渓の「日本のスミレ」によると、「ヒナスミレに似るが花弁は細く・・」とあります。そして、掲載されている写真は、この花とかなり違う感じです。亜高山帯で見る花も、これと同じですから、地域変異でしょうか?

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角度を変えて撮ってみました。

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このスミレは、苔が好きなようです。倒木の上の苔の中にも、咲いていました。右は花粉を付けた蟻です。このスミレの種も運んでいるのでしょうか?

【トウカイスミレ】

ミヤマスミレの咲いている所で、白っぽい花が目に付きました。

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葉はミヤマスミレに似ていて、花はフモトスミレやヒメミヤマスミレに似ています。でも、花は大きいし、側弁に毛がありません。

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唇弁がフモトスミレやヒメミヤマスミレに比べて幅広です。これはトウカイスミレだと思うのですが、いかがでしょう?

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角度を変えて・・。

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ここには、結構生えていました。花を見なければ、みんなミヤマスミレだと思っていた事でしょう。幾度か訪れた事のある林内でも、少し時期を変えて探索すると新しい発見が沢山あります。

スミレは苦手です。図鑑を見ながら勉強中ですが、地域変異や交雑種もあるそうで、迷ってばかり・・。名前が間違っていたら教えてください。

2017年5月 9日 (火)

ナベワリ(富士山)

例年なら、タチガシワと共にとっくに姿を現しているはずでした。前回探索から10日ほど経ってから、再度様子見に行って来ました。

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姿を現していました!私は、毎年この場所で見ていますので、今年も無事出会えて良かった!

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こちらはまだ蕾でした。やっぱり遅れている・・。

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蕾を接写。

開花株が無いか探すと・・。

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「あっ、1個咲いている!」下にぶら下がるように咲いているので、タケシマランと同じく反則技を使うしかありません。

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面白い形の花でしょ?「雄しべは4個、葯は黄赤色」とあります。

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横顔を何枚か撮りましたが、みんなピンボケでこれが一番まとも・・

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花芯に、モンチッチがいるように見えませんか?

「花被片は4個、内花被片2個は同形同大、外花被片は1個が大きい・・」。山渓の図鑑を見ると、ここの個体はヒメナベワリの葉に似ていますが、花はナベワリの特徴通りです。

開花していたのは、2個だけでした。今週末くらいが、見頃だと思います。

変わった花ついでに、最近見かけた壺形の花を集めてみました。

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下界のアセビ(馬酔木)は花も終わっていますが、標高の高い所ではまだ咲き残っていました。

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こちらは、植栽の紅ドウダンとサラサドウダンです。我が家のドウダンツツジ(白花)は、今年花が咲かない・・どうしたのだろう?

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こちらは何の花でしょう?

2012年の秋に種を蒔き、5年くらい経つと花が咲くとWebページに書かれていました。そして、2017年、その記述通り花が咲きました。これは老爺柿です。

2017年5月 8日 (月)

タケシマラン(富士山)

ナベワリの目覚めを確認に行って、同じく変わった花を付けるタケシマランを見付けました。

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もう少し標高の高い所で見るタケシマランは、枝分かれして丈も大きいのですが、この辺りで見る株は小さいものばかりです。

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「花を下向きにつける」とありますが、ナベワリと同じようにぶら下がっている感じです。

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6個の花被片は、開花と共に反り返ります。

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そのままでは、デジイチはもちろんコンデジでも花の写真が撮れません。反則技を使って撮りました。

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デジタルズーム併用で撮ってみました。山渓の図鑑には「雄しべや雌しべはごく短い」とだけ書かれていますが、雄しべの大きさが違います。

ところで・・。

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の付け根の反対側に、根のようなものが付いています。これは何?

2017年5月 7日 (日)

金稜辺(キンリョウヘン)

金稜辺(キンリョウヘン)は、ラン科シュンラン属・・シンビジュームの仲間です。我が家には二鉢ありますが、一鉢が開花していますので掲載します。

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キンリョウヘンというと、ニホンミツバチを誘引する事で知られています。中国原産で、文明年間(応仁の乱、室町幕府の頃)に渡来したそうです。ずいぶん昔から栽培されていたようですね。

この蘭を手に入れたのは、浜松市天竜区でした。県西部には、栽培農家があるようです。

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花を接写してみました。ここまでは、4月24日撮影。

5月3日・・水やりをしていると・・。

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一番目の鉢は全て開花していました。

そして・・。

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二番目の鉢には、二本の蕾が姿を現していました。この開花時期の違いは、何でしょう?ランは、環境の変化で開花に差が出てくる事があります。もしかしたら、二本咲かせるために、エネルギーの充電期間が長くなったのでしょうか?

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左の写真に写っていた虫を、ズームしてみました。セミの幼虫に似ていますがが、ずっと小型です。ヨコバイの仲間の幼虫かな?

◇ちょっと勉強◇

ラン科全種の約1/3が、「だまし受粉」を行っているそうです。「だまし受粉」とは何だろう?

北海道大学出版会の「ランの王国」には「花粉媒介者の採餌活動や繁殖活動などで用いられる各種の手がかり/情報を植物が盗用する事によって、花蜜などの報酬を提供する事無く受粉達成を目指す様式」と解説されていました。ランは、詐欺行為を行っているようですね。いけない奴だ!

キンリョウヘンの花香は、女王蜂、分蜂群までも呼び寄せて花粉媒介者に従事させるそうです。研究者によると、群を誘引する理由として「蜂群内の温度が36℃にも達する事から、分蜂時期の春、夜間から明け方に低温となる東南アジア高地において、蜂群が花を覆いつくせば、その暖房効果によって受精花の子房発育が促進されると考えられる」そうです。

素人には難しい事も多いですが、「ランの王国」を読んでいると、植物は人類を超えた部分を持っているように思えて来ます。

さて、我が家のキンリョウヘンは、ニホンミツバチを誘引してくれるだろうか?誘引しなければキンリョウヘンでは無いかも?でも、群れで来られたら怖い!

2017年5月 6日 (土)

シロバナハンショウヅル(富士市)

少し前に掲載した植物の再登場です。キンポウゲ科センニンソウ属のシロバナハンショウヅルかと思っていたのですが、花弁状の萼片が開き始めていたのに、Web図鑑などで見る花色と違っていたので悩んでいました。

あれから、約10日ほど経ちました。

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花弁のような萼片の色が、変化していました。図鑑に記載された「淡黄色」と呼んで良いと思います。

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これなら「シロバナ」で納得です。

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左はまだ葯の裂けていない花で、右は葯が裂け花粉が見えています。

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更にズームしてみました。「葯は黄色」とありますが、花粉は白いですね。右の花なら悩まずにシロバナと呼べます。

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横顔と斜め顔。

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高い所の花が開いていましたので、見上げた写真ばかりです。

この植物は、我が家の休耕畑の隣に生えています。親戚の地主さんには、伐採しないようにお願いしておきました。

白い花の友情出演で・・。

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以前、富士山で撮ったトリガタハンショウヅルです。

環境省、静岡県共に絶滅危惧種の指定はありませんが、どちらもあまり見る事の出来ない希少植物だと思います。

2017年5月 5日 (金)

エンレイソウとシロバナエンレイソウ(高瀬渓谷・富士山麓)

今日も良い天気でした。それにしても暑かった!明日は雨予報なので、遅ればせの夏野菜を植えて来ました。毎度の事ですが、腰が痛い!

【エンレイソウ】

長野県大町市高瀬川で出会ったエンレイソウです。この場所では、五月連休でも花を見る事が出来ます。

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落ち葉を押しのけて出ていました。

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こんな塊が彼方此方で見られました。やっぱり、長野県は凄い!

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外花被片の色や形もいろいろです。

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花は葉に包まれるようにして姿を現します。オシベは、6個ありました。

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「柱頭は3裂し、子房には稜がある」・・図鑑の解説を書くのも大変だと思います。

【シロバナエンレイソウ/ミヤマエンレイソウ】

富士山麓で撮りました。特異な葉のせいか、園芸採取される株も多いようで、数本生えている場所を見付けても、翌年は見当たらない事が多々あります。

中国では、胃腸薬にされるそうですので、鹿の胃腸薬になっているのかも?

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仲良く向かい合わせで、咲いていました。

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エンレイソウは、外花被片だけですが、こちらは内花被片(白色)もあります。

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亜高山帯にも生えていますので、まだこれからも花を見る事が出来ます。エンレイソウと同居する場所もありますが、シロバナエンレイソウの方が、広範囲の標高に生えていると思います。

北海道などには、オオバナノエンレイソウが生えるそうです。神代植物公園の売店で初めて見ました。

2017年5月 4日 (木)

ウワミズザクラ(富士市)

今日は、良い天気でした。こういう日は、何処へ行っても混むので、家でのんびりしているのが一番です。

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富士山も機嫌が良く、ずっと姿を現していました。

少し前に、近くの林でウワミズザクラの花を見ました。幼い頃より知っていた林ですが、この花に気付いたのは今年が初めてです。

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かなり高木なので、上を見て歩かないと気付きません。数えてみると、4~5本生えていました。

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高倍率ズームのコンデジで撮ってみました。何枚も撮りましたが、風に揺られピンボケばかり・・。

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日照の少ない林内で、見上げて撮りました。日の光を透かして見る若葉は綺麗ですね。

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林床を埋め尽くすこの苗が、ずっと気になっていました。どうも、これがウワミズザクラの苗のようです。数えきれないほど生えていますが、生き残るものは殆ど無いと思います。

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手の届くところに咲いていた花を、引き寄せて接写してみました。

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「花弁は5個、縁に歯芽状の鋸歯が少しある」と書かれています。確かに全縁ではありませんが、縁が少し捲れているので、素人には分かり難いです。

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葉の縁には鋸歯があります。「両面とも普通は無毛だが、稀に裏面の脈上に毛がある事がある」・・写真に貼り付けましたが、裏面の脈上に毛が生えています。

右は、散歩の催促で五月蠅い萌を、お説教した後に魚眼モードで撮ってみました。少しの間だけ神妙にしていましたが、また騒ぎ出しました。困った奴です。

2017年5月 3日 (水)

実生栽培ヤマシャクヤク開花

私の知る自生地では、開花はもう少し先になると思いますが、実生栽培のヤマシャクヤクが開花しましたので掲載します。

自生の株を採取する事はしませんが、種を少し採らせてもらいました。種の採取に関しても、眉を顰める方がいるとは思いますが・・。

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4月26日・・萼片が捲れ、花弁が開き始めていました。

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4月28日・・開花していました!開花した株は、二つです。

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第一の株。日が当たると開き、夜には軽く閉じていました。

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第二の株。この開き切らない、中途半端な感じがこの花の魅力でもあります。

そして・・。

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5月3日の様子です。どちらも子房が3個です。

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子房の先端を撮ってみました。山渓の図鑑には、「3個のメシベの花柱は少し曲がる」とあります。ベニバナヤマシャクヤクとの区別は、この花柱の曲がり方ですると教わりました。

私はまだ見た事はありませんが、ヤマシャクヤクには紅花や赤い縁取りの花もあるそうです。

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こちらが、県外某所の自生地で撮った、ベニバナヤマシャクヤクのメシベの花柱です。同じく山渓の図鑑には「花柱は5個で先が強く巻き込む」とあります。見比べると確かに巻き込んでいますが、素人には微妙な感じがします。

それと、花柱の数は、ヤマシャクヤク、ベニバナヤマシャクヤク共に個体によっていろいろですから、図鑑の個数のうたいは間違っていると思います。

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こちらは、標本用にプラケースへ入れてあったヤマシャクヤクの種が発芽してしまったため、赤玉土を入れて置いたところ、このように葉が出て来ました。この標本は、採取してから2年以上経って発芽する事を実証してくれました。

開花したヤマシャクヤクの種を蒔いたのは、2009年の秋でした。翌春には発芽しなかったため、諦めていました。草取りをしていて、上の写真のような葉に気が付いたのは2011年以降だったと思います。そして、今年は2017年ですから、種を蒔いてから8年の歳月が経った事になります。ヤマシャクヤクは、発芽に2年、開花までに4~5年かかるそうですから、記述に近い年数で開花した事になります。

ところで、発芽した苗は10株近くあったと思います。でも、無事に生育した株は開花株を含めて4~5株です。他の株は、6年の間に枯れてしまいました。とても勢いが良い株でも、翌年姿を現さないでがっかりした覚えがあります。

本来の自生地より、700~1,000mも標高の低い場所では、病虫害のリスクが増大するのかもしれません。カワヅザクラの花が散り始めた頃、葉に斑点のようなものが出て来ました。上の写真でも、その名残が確認出来ます。

2017年5月 2日 (火)

イワウチワ(高瀬渓谷)

初めてイワウメ科の植物を見たのは、大井川上流部でした。その頃は、渓魚にばかり目が向いていたので、「綺麗な花が咲いている・・」と思いながら通り過ぎました。

私は、高い所や急峻な斜面が苦手なので、この種の植物は近づいて撮る機会が少ないのです。

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ここ高瀬渓谷でも、急峻な岩場に生えていますが、低木に摑まりながら何とか撮ってみました。

葉裏は、赤褐色でした(右の写真に貼り付け)。

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図鑑には「淡紅色」と表現されていました。綺麗でしょ?紅色と赤色・・図鑑を見ていると、その区別に迷います。

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虫に齧られたりして傷んだ花が多く、しかも正面から撮り難いので、同じ花の写真ばかりで恐縮です。

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この植物も、まだ蕾が多かったように思います。例年より花が少なく感じたのは、そのせいかもしれません。

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「淡紅色の花」も、濃い色や薄い色などいろいろです。

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ピンク系と白花系。中には、純白と思える花もありましたが、接写出来るほど近づけませんでした。

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近くに生えていたこの葉は、ベニバナイチヤクソウかな?フキノトウもまだ残っていました。

例年、この季節か秋に訪れていますが、違う季節にも行ってみたい場所です。

2017年5月 1日 (月)

ウスバサイシンとフタバアオイ(高瀬渓谷と富士山麓)

隣の黒部川は、関西電力の水力発電所があり、この高瀬川は東京電力の水力発電所があります。

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写真は、七倉ダムの様子です。この上流にある高瀬ダムと共に、コンクリートダムではなくロックフィルダムです。

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洪水吐(こうずいばき)横に階段があり、ダムの上まで歩いて登れます。周辺の山々は何処も急峻で、所々に右のような岩肌が見えていました。

【ウスバサイシン】

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「あれっ、フタバアオイかな?」でも、良く見ると花色が違うし、葉に毛が生えていない・・。

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蕾の様子です。

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こちらは、咲いている!花の感じから、ウスバサイシンのようです。

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花の横顔を撮ってみました。右は、萼筒の先端が折れ曲がった花です。このような姿の花はこれだけでしたが、開花が進むとこうなるのだろうか?

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花芯をズーム。「中央の嘴状6個が花柱。柱頭に縦溝がある。周囲はオシベで、花粉が出ている。」と山渓の図鑑に書かれています。

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こちらにも、沢山咲いていました。

ちょっと見難いですが、右の写真を図鑑の解説と見比べてみました。「萼筒の裂片は、広三角状で先が小さく尖り、平開し、先は摘まんだように持ち上がる。」・・解説と会っていると思います。

私はウスバサイシンだと思うのですが、間違っていたら教えてください。

【フタバアオイ】

これは、高瀬渓谷ではなく静岡県(富士山麓)で撮りました。冬に地上部が枯れ、春になると姿を現すので、上の葉を見た時、フタバアオイかと思ってしまいました。

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目覚め始めたばかりの、フタバアオイの葉です。徳川家の葵の御紋は、この葉をデザインしたそうです。短毛が目立ちます。

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花芯を覆っていた萼片の上部は、強く反り返り下半分の萼筒に密着します(図鑑では、半巻して筒に密着するとあります)。

ウスバサイシンは、環境省の指定はありませんが、静岡県では要注目種(N)に指定されています。その他、絶滅危惧種や要注目種に指定されている所が多くあります。

今日は、屋外で肉体労働でした。予報通り天気が急変したので、午後からは頭脳労働の図面描きに変更しました。歳なので、体力を使った後は捗りません・・。

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