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2017年4月

2017年4月30日 (日)

ショウジョウバカマ(高瀬渓谷)

長野県大町市の高瀬渓谷へ、初めて行ったのはもう30年以上前の事になります。

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現場説明の付き添いで訪れたこの渓谷では、いろいろな出会いがありました。行者ニンニク、黄色い花のシャクナゲ、そして特別天然記念物のカモシカにも初めて出会いました。
以来、年一度くらいは訪れています。

残念なのは、毎年訪問を楽しみにしていた、東京電力さんの「高瀬川TEPCO館」が2011年に閉館になってしまった事です。

今年も、気になった植物が幾つかありましたので、撮ってみました。一番手は、静岡県ではとうに花期の過ぎてしまった、ショウジョウバカマです。

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左は、まだ蕾のようです。右は、何ものかに齧られたのでしょうか?この辺りは、糞の様子から鹿よりも野猿が多いようです。

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その上の方を見ると、積雪で押しつぶされた落ち葉の中から、ショウジョウバカマの花が顔を覗かせていました。

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この場所では、とても急峻な斜面に生えています。

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片手で低木の枝を掴み、コンデジで撮りました。同じような写真ばかりですが・・。

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樹木に摑まらなければ、登れないような場所です。とても怖かった・・

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静岡県で見るより濃い色の花が多い・・。

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こちらは、葯の状態から開花間もない花のようです。

この一帯に生える株数は、相当なものだと思います。他にも、気になる植物が幾つか生えていましたので、追って掲載します。

2017年4月29日 (土)

イチヨウランとの再会(富士山)

亜高山帯の針葉樹林に生える、イチヨウランに会って来ました。

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山菜取りにはまだ早いし、この辺りを歩くのは私くらいかな?でも、この季節が、イチヨウランを探すのに向いているんです。それは、他の下草が伸びていないからです。

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この日出会った、最初のイチヨウランです。蕾が見えていますね。

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一度は、シカに食べられたのですが、何とか生き残っているウズラバのイチヨウランです。

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コケや堆積した針葉樹の葉から顔を出していました。右は二枚葉ではなく、仲良しの二株です。二枚葉のイチヨウランにはまだ出会ったことがありません。もしあればニヨウラン(二葉蘭)ですね。

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フジノマンネングサでしょうか?イチヨウランの葉を、シカの食害から守ってくれています。

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蕾の付いた株を、幾つか確認しました。開花が楽しみですが・・。

右の写真に貼り付けた虫は、近くに生えていたトウヒの葉に集っていました。昨年、コハクランの茎に集っていた虫とそっくりです。葉の穴は、この虫の仕業なのかも?

【昨年4月30日撮影】

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昨年の今頃の蕾の様子です。左が一番遅いくらいでした。今年は、イチヨウランも遅れているようです。

【ヒノキ林のイチヨウラン】

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ここは、本来の自生地より標高1,000mくらい低いヒノキ林です。例年なら開花しているはずでしたが・・。

初めて見た時、この場所には3株生えていました。でも、昨年、一株シカに食べられ今年は二枚の葉しか出て来ませんでした。左が、3月8日に見た葉の様子です。右の株には蕾が付いていました。

ところが、4月25日に開花の確認に行ったところ右の写真の葉が一枚あっただけでした。よりによって、この小さな葉を食べなくても良いものを・・。とても残念です

イチヨウランは、厳しい自然環境はもちろん、シカや虫、そして悪い小父さんなど、幾多の敵から身を守り花を咲かせているのですね。

2017年4月28日 (金)

ヤマウツボ(富士山)

この不気味な植物は、私が知る範囲では、毎年この場所が一番沢山出て来ます。

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ざっと数えて、40本以上はありました。落ち葉と同系色なので、うっかりすると踏みつけてしまいそうです。

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不気味でしょ?ヤマウツボは、ブナ科などの木の根に寄生する無葉緑植物です。

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触角のようなものは、メシベの柱頭です。萼片には毛が目立ち、茎にも軟毛が生えていました。

「静岡県産希少植物図鑑」には、地上部に軟毛があるものは、ケヤマウツボで「県内に母種のヤマウツボは少ない」と書かれています。

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左はメシベの柱頭だけ出ていますから、開花間もない花のようです。図鑑には「花冠の上唇は下唇よりずっと長い」とあります。白っぽい部分が上唇で、紅紫色の部分が下唇のようです。私はまだ見た事はありませんが、白花もあるそうです。

ところで、これに似たオニクは、滋養強壮などに効果があると言われていますが、ヤマウツボは食用になるのでしょうか?食べた事のある方は、いないかな?

◇オマケ

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このエリアに生えていました。これって斑入り葉で良いのかな?

◇お願い

このブログを見てくださっている方で、富士市から近い場所でナベワリの発芽を確認された方がいたら教えてください。5月12日に花を見られる状態だと助かります。例年なら、タチガシワと共にナベワリが発芽しているのですが、私の観察エリアではまだ出ておりませんでした。何卒、宜しくお願い致します。

2017年4月27日 (木)

ヒメフタバラン(富士市)

そろそろ、ヒメフタバランの花が咲いている頃だろうと思い、様子見に行って来ました。

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場所が分かっていても、うっかりすると踏みつけてしまいそうです。

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日照の少ない褐色の林床で、この小さな植物を撮るのは苦手です。

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アニメに登場する宇宙人のような花形ですね。

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この野生蘭と初めて出会ったのは、数年前の5月の連休でした。それまで、私が出会った野生ランは、アオフタバラン、タカネフタバラン、ミヤマフタバラン、コフタバランの4種でした。それらの開花時期は、7~8月頃なのに、5月に花が咲き、子房が膨らみ始めていたのです。

他地域では群生しているようですが、この場所は畳一畳にも満たない極めて狭い範囲です。以来、周辺を探索していますが、本家の場所はまだ見つかっておりません。

2017年4月26日 (水)

ツクバネソウとエンレイソウ(富士市)

近くの林に生える、ツクバネソウとエンレイソウを撮ってみました。

【ツクバネソウ】

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実生発芽率の良い植物のようで、十字手裏剣のような葉が、一面に生えている所があります。開き始めの蕾は、チューリップを連想させますね。萼のような部分は「4個の外花被片で、内花被片は無い」と書かれています。

「オシベは8個、柱頭は4裂する」・・図鑑に書かれた通りです。「葉は、4個輪生し・・」とありますが、変異が多く3個~6個くらいのものが見受けられます。

もっと標高の高い所では、クルマバツクバネソウを見る事が出来ます。

【エンレイソウ】

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GPSを眺めながら歩いていて、いつもと違う道に入ってしまいました。すると、写真のエンレイソウに出会いました(歩きスマホだけでなく歩きGPSも危ないので止めましょう!)。

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こちらは、別の場所のエンレイソウと苗です。発芽して間もない頃は、一枚葉なんですね。

エンレイソウは、隣の富士宮市などでは、かなりの株数を見る事が出来ます。でも、私の普段の探索範囲(富士市)では、あまり見る事が出来ない希少種です。

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こちらは、「外花被片が3個で、内花被片は普通無い」とあります。普通?あるものも存在するのかな?まだ見た事は無いけど・・。

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長野県高瀬川で出会ったエンレイソウは、葉がもっとふくよかで隣と重なり合っていました。

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左と右では、外花被片の位置が違いますね。初めて気が付きました。

もう少しすれば、標高の高い所でシロバナエンレイソウの花を見る事が出来ます。こちらは、外花被片(緑)と内花被片(白)があります。エンレイソウと違うところです。

2017年4月25日 (火)

ヒナスミレ

苦手なスミレも、少しずつ覚えて行かなくては・・。

【①の場所】

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目覚め始めた林床に、いち早く咲くヒナスミレ・・淡い色合いが良いですね。

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見比べると、花色もいろいろ・・。

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この場所のヒナスミレは、みんな葉裏が紫色を帯びていました(通常紫色を帯びるそうです)。

【②の場所】

珍しいヒナスミレを・・。

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シロバナヒナスミレです。

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日照が少ないと斑入り葉のように見えますが、少し日当りが良くなると斑が目立たなくなります。

シロバナタチツボスミレもそうですが、純白の花は萼片や花柄に赤紫色が混じらず緑色ですね。

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早い時期に咲き、あっという間に花期が終わります。

【③の場所】

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私は、これもヒナスミレだと思っているのですが・・。

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葉は水平に展開して、側弁の基部に毛が生えています。でも、この場所の株は、葉裏が紫色を帯びていません。

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花を接写してみました。これはヒナスミレで良いのでしょうか?

分からないついでに・・(①の場所で撮った花です)。

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慌てて撮ったため、ピンボケしてしまいましたが・・

側弁の基部に毛が生えています。葉は毛が多く、萼片の先端は尖っていません。最初見た時アオイスミレかと思ったのですが、葉の形が違います。これは、エゾアオイスミレでしょうか?

名前の分かる方教えてください。宜しくお願い致します。

2017年4月24日 (月)

〇〇ハンショウヅル

キンポウゲ科センニンソウ属と思えるこの植物・・名前の分かる方教えてください。

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花の形などから、シロバナハンショウヅルかと思っていたのですが・・。

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葉柄は長く、葉は対生、その付け根に一対(2個)の蕾が付いています。稀に右のように二対(4個)の場合もあります。

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4枚の花弁状の萼片が、開き始めていました。

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シロバナハンショウヅルの「オシベ先端の葯は黄色、メシベは多数あり、白いのが柱頭」・・と書かれています。また、花色は淡黄白色とあります。私には、緑或いは緑に近い黄緑に見えます。

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葉も掲載しておきます。

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茎(蔓)の様子も・・。

諸先輩のWeb写真を拝見すると、シロバナハンショウヅルは、図鑑の表現通り淡黄色或いは、黄緑がかっていても「白花」と呼べるような色をしています。これは、ミドリバナハンショウヅルと呼びたいような色です。

これは何でしょう?

2017年4月23日 (日)

ヒトリシズカ(裏庭植物園)

何時の頃からか、裏庭植物園にヒトリシズカが自生するようになりました。この種が、どのようにして運ばれたのか分かりませんが・・。

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群生するユキノシタの間から、紫褐色の芽(葉に包まれた蕾)が姿を現しました。右は開花し始めの様子です。

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ヒトリシズカが沢山・・賑やかでしょ?

茎の上部に4枚の葉が「輪生状に対生」します。

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ヒトリシズカは、センリョウ科センリョウ属だそうです。センリョウの仲間なんですね。知らなかった・・

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開花して間もない花を、接写してみました。

「花は1個のオシベが3分岐し、外側2個の花糸の基部に葯が付き・・」左の写真を見ると分かりますね。白いブラシのようなのがオシベで、その付け根に見える黄色い部分が葯です。オシベの間に見える透明感のある丸い部分が、メシベの柱頭です。

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こちらの花は、開花後ある程度時間の経った花です。葯が破れ、花粉が柱頭に付いているのが分かります。更に時間が経つと、左の写真の〇画像の様になります。

今迄、ヒトリシズカの果実(種)を、気にして見た事がありませんでした。今年は、種も観察してみようと思っています。

2017年4月22日 (土)

バイカオウレン(富士山)

この時期に、このエリア付近を訪れた事はありませんでした。

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針葉樹の林床を見ると、とっても小さな白い花が目に入りました。

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バイカオウレンです。

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キンポウゲ科の植物は、花弁のような萼片を持ち、その形や数に変異のあるものが多く見受けられます。この花の標準は5枚ですが、ここには4枚、5枚、6枚のものがありました。

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葯の色がピンクの個体もあれば・・。

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白い個体もあります。

黄色い(この写真では黄緑色に見える)部分は、花弁の変化した蜜弁(蜜を分泌)になっているそうです。トウゴクサバノオと同じですね。

ところで、オウレンやセリバオウレンは雌雄異株ですが、バイカオウレンはその記載がありません。数えてみると、花柱は6~8個くらいに見えます。どうしてこちらはセリバオウレンの様に雌雄異株ではないのでしょう?

今日は、カメラのセットを失敗してしまいました。昨日、アオキの写真を撮ったままにしてあったため、画質が荒くなってしまいました。しかも葯にピントが合っていません。困ったものだ・・。

2017年4月21日 (金)

アオキの花

庭の生垣や近くの山林で良く見かけるアオキの花を撮りました。アオキは雌雄異株・・雄花と雌花の違いを観察してみました。

【雄花】

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黄色い葯が目に付き、花数も多い・・。

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花弁は4枚。

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あれっ、左の花弁は3枚だ!中には変わり者もいるようです。

右の写真では、蕾と花後の姿が見られます。開花期間を長くするようになっているのでしょうか?

【雌花】

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雌花は、雄花に比べて数が少ない・・。少し前に記事に掲載したキブシと同じですね。小さい花ですが、黄色い葯が無いので、少し離れたところからも判別可能です。

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こちらも、花弁は4枚。

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この後の子房の変化も、観察してみようと思っています。

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撮っている間に訪れた虫は、蟻だけでした。

アオキの葉はシカの好物らしく、食害に遭った株を彼方此方で見かけます。「葉は、苦味健胃作用がある」と書かれています。シカの食料と共に胃腸薬にもなっているようです。

2017年4月20日 (木)

休耕畑の植物観察

休耕畑は、茶の木や雑草の刈り取りと並行して、野菜や果樹を植え始めています。何か植えてあれば、放置出来ませんから・・

キヨスミミツバツツジに続いて、休耕畑の自然観察です。

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上段の土地に生えるオランダミミナグサとハルジオンです。夕日を浴びて綺麗でした。ハルジオン(春紫苑)はヒメジョオン(姫女苑)と良く似ていますが、一番簡単に見分けられるのは茎の断面です。茎が中空になっていればハルジオン、中に白い芯があればヒメジョオンです。

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ハルジオンは、除去対象の植物(雑草)ですが、案外可愛くて綺麗な花です。右は茎の開出毛を撮ってみました。上部は疎らな感じですが、下部の茎には多く見られます。

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オオバウマノスズクサも蕾を付けていました。開花後の花の中には、どんなキャラクターが潜んでいるのでしょう?

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こちらは、ミツバウツギのようです。

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これは・・?

ボタンヅルかと思ったのですが、葉が違う・・。センニンソウ属〇〇ハンショウヅル?開花が楽しみです。

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私の背丈よりも伸びた茶ノ木に野鳥の巣がありました。もう空き家になっていましたが、家主は誰でしょう?

休耕畑の自然観察も楽しいものです。

2017年4月19日 (水)

キヨスミミツバツツジ

父親が、休耕畑に植えてあったミツバツツジが、開花していました。思えば、十年くらいこの花を見た事がありませんでした。畑も荒れるわけだ・・。

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デジイチとコンデジで撮ってみました。この色の違い・・どのカメラでも、同じ色に写ってくれないかな?自己流で知識の無い私には、上手く調整出来ません

左の写真に貼り付けたのは、ヒノキの葉に隠れた枝の先端です。日の当たらない枝は、花が咲かずやがて枯れてしまうと思います。

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近づいて撮ってみると・・。「あれっ、オシベの数が5本じゃない!」

普通のミツバツツジはオシベが5本ですから、これは別種のようです。

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数えてみると、10本ありました。でも、写真で見ると9本にしか見えません。

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一つ花弁を取らせてもらいました。オシベが10本あるでしょ?

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10本目のオシベは、とても短くて花弁に隠れていました。

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オシベが10本で、花柱の下の方に左のような細かい毛が生えていれば、トウゴクミツバツツジです。これは生えていませんから、キヨスミミツバツツジだと思います。

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オシベとメシベをズームしてみました。メシベの花柱は、オシベに比べてオレンジ色に見えます(上の写真参照)。

休耕田は、また草が伸びて来ました。マメに刈り取るしかありません。少しずつ、草を掘り起こして取り除いてはいるのですが、永遠に続くイタチごっこのようなものです。

2017年4月18日 (火)

アミガサユリ

昨日から今朝方にかけての暴風雨は、凄かったですね。気弱な萌は、寝不足だったようです。

先日、庭に繁殖したショカッサイを引き抜いていて、見慣れない植物に気が付きました。

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「あれっ、コバイモに似ている・・。」でも、コバイモよりずっと丈が大きい事から、アミガサユリのようです。葉の先端が蔓のようになって、細枝に絡みつき茎を支えていました(左の写真)。

「どうして此処に生えているのだろう?」私は植えた覚えがありません。父親が植えたにしても、何年間も気付かないはずがないし・・不思議です。

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夕日を浴びてとても綺麗でした。トキワマンサクの枝に守られるように生えていました。

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花の中を、メクラ撮りしてみました。コバイモに良く似ていますね。「鐘状花であり、内側に黒紫色の網目状斑紋を持つため編笠百合の名がある。」と書かれていました。

アミガサユリはユリ科バイモ属で、原産地は中国だそうです。バイモの名は、中国古代の本草学者の陶弘景が、アミガサユリの球根を「貝が寄り集まったようだから貝母(漢名:贝母)と名付けた」事に由来するそうです。

2017年4月17日 (月)

植物達の目覚め②(富士山)

前記事の場所より、200~300m標高の低い所で、同日に撮った植物達の様子です。

【バイケイソウ】

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葉が開き始めていました。このくらいの時期が一番好きです。大きくなると、林床の植物観察に邪魔なので・・。

【トウゴクサバノオ】

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可愛そうな名前を付けられていますが、とても可愛い花です。

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クリーム色の、花弁のように見えるのは萼片です。黄色い部分が、花弁の変化した蜜弁だそうです。白いのがオシベ、メシベは2本ありますが、写真では分かり難いですね。左の写真を見ると、子房が二つ確認出来ます。

【ヤマエンゴサク】

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例年なら花盛りですが、まだ開花しておりませんでした。暖かい日が続いたので、もう咲いているかな?

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ヤマエンゴサクは、赤紫、青紫など花色に変異があります。左は赤紫、右は青紫かな?

この場所には、ジロボウエンゴサクも生えていますが、蕾(花)が大きく幅広な事と、苞がウーパールーパーのエラの様にギザギザになっています(図鑑では、歯芽か欠刻があると表現されています)。

【コガネネコノメソウ】

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この花も例年なら花盛りのはずですが・・。左の様に緑色っぽい花が目立ち、黄色い花は少ししかありませんでした。開花し始めたばかりのようです。

この植物は、目覚めと共に蔓状の茎が伸び、次々と花を咲かせていきます。まだ茎が伸びていないので、花数もずっと少ない感じでした。

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こちらは、もう少し標高の低い所で撮りました。初めて見た時は、四角い花に感動しました。

【イチリンソウ】

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もっと標高の低い所では、ニリンソウに続いて咲き始めていると思います。この辺りでは、トウゴクサバノオやコガネネコノメよりもかなり遅れて咲きます。

この時期には、彼方此方でカケスを見かけます。イチリンソウの傍に、羽が落ちていたので貼り付けてみました。綺麗でしょ?

例年より遅れ気味とはいえ、山野も賑やかになって来ました。楽しみな季節です。

2017年4月16日 (日)

植物達の目覚め①(富士山)

富士山南面の標高1,200m辺りの様子です。

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この辺りは、ブナの巨木が目に付きます。

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バイケイソウも賑やかになって来ました。左の芽、綺麗でしょ?黄金色の葉を展開するかも?

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同じ場所なのに、ウバユリの葉色の違いはどうして?

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左はウバユリの果実のドライフラワーです。株元を見ても葉が見当たりません。花が咲き、結実すると枯れてしまうのでしょうか?

右は、ヤマシャクヤクの芽です。芽出しの頃は、みんなこんな色をしています。踏みつけないように気を付けなくては・・。

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コガネネコノメソウは、まだ開花しておりませんでした。例年なら、この場所でも花が見られたと思います。

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ユリワサビも、蕾ばかり・・。

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左はクサボタンかヨゴレネコノメでしょうか?右はトウゴクサバノオの蕾です。

4月中旬、このエリアで見る事の出来た花は、前記事のキバナノアマナとアズマイチゲだけでした。でも、昨日・今日あたりの気温で、週末頃には開花し始めると思います。

気候不順のせいで、成長が遅れているのは、山の植物だけでなく趣味の野菜畑も同じです。今年は、ソラマメの丈が伸びない・・。昨年の半分くらいで花が咲いていました。

2017年4月15日 (土)

アズマイチゲ(富士山)

今日は、一日畑の草取りをしました。体中痛い・・。

キバナノアマナを見付けた林で、アズマイチゲの花も数輪咲いていました。場所によっては群生するのですが、この場所では希少種です。

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落ち葉の中に、ひっそりと咲くこの小さな白い花は、センサーを働かせて歩かないと見逃してしまいます。

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こちらにも咲いていました。キンポウゲ科イチリンソウ属です。ニリンソウなどと同じように、花弁のような萼片の数は個体によって変異があります(10枚前後が多いようです)。

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葉が垂れたようになっているのも、アズマイチゲの特徴です。図鑑によると「葉柄は無毛の事が多い」と書かれていますが、真ん中の写真を見てください。ここの個体は、毛が生えています。

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左は葯の状態から終盤を迎えた花で、右はまだ葯が破れて花粉を飛ばす前のようです。

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この花には、ハナアブの仲間がとまっていましたが、カメラを向けると何処かへ行ってしまいました。甲虫だけ日向ぼっこしているようでした。

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デジタルズーム併用で・・。虫の名前が分かる方、教えてください。

アズマイチゲは、キクザキイチゲに似ていますが、葯柱の付け根(花弁のような萼片の付け根の部分)が濃紫色です。

比較のために、天子山塊の麓で撮ったキクザキイチゲを掲載します。

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葯柱の付け根が白いでしょ?葉の切れ込みも違うし、アズマイチゲの様に垂れ下がって(展開して)いません。

この場所に開花株が少ないのは、樹木の葉が展開してからの日照が悪いからかもしれません。キバナノアマナやイチリンソウと同じく・・。でも、群生した場所で見るより、ひっそりと咲くここの花が好きです。

2017年4月14日 (金)

キバナノアマナ(富士山)

例年なら、キバナノアマナが咲く頃です。私が知る自生地は、3ヶ所・・内2ヶ所の様子見に行って来ました。

【第一のエリア】

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こんな葉は、彼方此方で見かけるのですが、開花株にはなかなか出会えません。ヒメニラとキバナノアマナの区別は、花を見れば一目瞭然なのですが・・。ヒメニラは、ニラの香りがしますが、キバナノアマナはしません。

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蕾を持ったキバナノアマナを見付けました!やっぱり今年は遅れている・・。

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こちらにも・・。

諦め半分で、落ち葉を踏みしめながら探索していると・・。

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「あっ、咲いている!」とても小さな花です。ズームレンズでは、これ以上近寄れません。私の腕では、1:1のマクロレンズでも、花の構造が分かるように撮るのは難しいと思います。

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接写の得意な、コンデジTG-4で撮ってみました。

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貴重な一株なので、角度を変えて・・。

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このエリアで出会った開花株は、蕾持ちが二株、花の咲いていたのはこの一株だけでした。出会えたのは奇跡に近いかも?

【第二のエリア】

第一のエリアから、標高300mほど下がった場所です。

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ここにも、一株だけ咲いていました。

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私が、初めてキバナノアマナと出会ったのは、この場所です。コガネネコノメの花を撮っていて、見つけました。

ネギの苗のような葉は沢山見かけるのに、開花株が少ないのはどうしてだろう?花を咲かせると、球根が枯れてしまうとか?キバナノアマナは、環境省RDBでは指定がありませんが、静岡県では絶滅危惧種Ⅱ類(VU)に指定されています。その他でも絶滅危惧種に指定されている所が多数あります。

今年も、花を見る事が出来て良かった・・。山の神様、ありがとう!

2017年4月13日 (木)

幻の白花翁草

良い天気が続くと屋外作業が捗ります。でも、慣れない肉体労働なので、彼方此方痛くて・・。頭脳労働もたまにはやらないと、いろいろ忘れてしまうのでポツポツと・・。まぁ、歳なので適度に手抜きしながらやっています。

一月ほど前に、ホームセンターの園芸コーナーで、白花翁草と普通の(紫花)翁草を買って来ました。

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紫花の方が早く開花しました。

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数えきれないくらいの雄蕊が見えます。

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白花翁草に蕾が見えます。でも、白くない・・。とても不安・・

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不安的中!

何と紫の花が咲きました。名札は、ホッチキスで止まっていましたから、店員や客が差し替えたのではなく、生産業者が間違えたようです。楽しみにしていたのに、がっかりです。

見比べると、先に咲いた花よりかなり小さい。矮性かな?

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花弁も、先端部が折れ曲がっています。「変異種かもしれない・・」と思う事にしました。

お目出たい奴でしょ?

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お目出たいついでに、紅白のボケの花を掲載します。

2017年4月12日 (水)

季節だより観察会①-2

観察会の続きです。

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開始前の駐車場で見つけたカヤラン。小さな株ですが、蕾が見えています。

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最初は、マメザクラの解説から・・。富士山周辺に生える事から、地元ではフジザクラと呼んでいます。富士川以西には無く、東は関東くらいまで分布していて、富士山周辺が発生地ではないかとの事でした。

富士川が植物分布の境になっていると伺いました。確かに、富士市、富士宮市で見られない植物が、静岡市に行くと当たり前のように見られる事があります。

右は、この季節にフジザクラと共に目に付く白い花・・モミジイチゴです。花の中を覗くと、マメザクラに比べて無表情な感じです。

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キクラゲの仲間。ぷにぷに感がたまりません。シイタケ、ナメコと共に、キクラゲを植菌してみたのですが、キクラゲだけ全然出て来ません。どうしてだろう?

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シュンランも彼方此方で咲いていました。後頭部を見て、萼片の中を想像しました。でも、人がいたため、メクラ撮りしか出来ませんでした。側花弁の奥が魅力的でしょ?

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シルクのような毛を纏った新芽が、彼方此方で目に付きました。左はオオバウマノスズクサかな?

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クロモジが、咲き始めていました。

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この手の花は撮り難い・・。

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道路脇で、鶯神楽(ウグイスカグラ)が咲いていました。私はこの植物を初めて見た頃、ウグイスカズラと呼んでいました。スイカズラ科スイカズラ属なので・・。漢字で書かれた名を見て、「カグラ」であることを知りました。一人で学ぶとこんな事ばかりです

右は、ムラサキシキブの新芽(葉裏)です。「星状の毛」を観察しました。今まで気にして見た事がありませんでした。

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スゲの仲間も良く分かりません。雄花と雌花をズームしてみました。これは、カンスゲではないかと教えて頂きました。

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最後に、テンナンショウ属の観察です。仏炎苞を捲らせてもらいました。「付属体の先端が鍵状にくびれる」・・スルガテンナンショウのようです。萌の散歩道にも、斑入り葉のスルガテンナンショウが生えています。

テンナンショウ属の大半は、「普通は雌雄異株。栄養状態で変化し、大きくなると雌株になり、小さいと雄株となる。両性の時もあり、仏炎苞を上から覗くと確認出来、雄花は仏炎苞の筒部の基部に隙間がある。」と書かれていました。面白い植物ですね。

これで、観察会の記事はお終いです。一人歩きも気ままで良いですが、こういう観察会も楽しいものです。関係者の方、有難う御座いました。

2017年4月11日 (火)

季節だより観察会①-1

「富士自然観察の会」さん主催の観察会に、参加させていただきました。

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普段、一人歩きの多い私にとっては、こういう観察会はとても勉強になります。みんな熱心な方たちばかりでした。

①-1は、キブシとタンポポの観察です。

【キブシ】

キブシは、雌雄異株(しゆういしゅ)です。

◇雄花

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葉の展開する前に、簾の様に垂れ下がって花が咲きます。穂状花序と呼ぶそうです。

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オシベは8個メシベが1個あり、下の雌花に比べると、長くて沢山の花序を付けています。雄花としましたが、両性花と呼んだ方が良いのでしょうか?フキノトウの雄花と同じですね。こちらは結実しないのかな?

◇雌花

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花序は短く、数も少ない・・。

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オシベは退化して短くなっています(左の写真参照)。

ところで、参加者の方から「どうして雄株と雌株があるんだろう?」と尋ねられました。雌雄異株の植物は沢山ありますが、樹木に多いような気がします。雌雄同株の方が合理的だと思うのですが・・。

Web検索してみると、次のような事が書かれていました。

「自家受粉を防ぎ、異なった遺伝子を持つ他の株の花粉を受精した方が、より強い子孫、より多様な遺伝子を持って多様な環境を生き抜く戦略を取っているのではと思います。」・・多様性の維持と言う事でしょうか?

雌雄同株のアケビも、自家受粉を嫌うそうです。趣味の果樹畑に、1本だけ植えた時には殆ど果実が生りませんでした。行燈仕立てにしてあったアケビを植えたところ、沢山の果実が生り始めました。

植物達も、いろいろ考えて(工夫して)生きているのですね。

【タンポポ】

私が植物観察を始めたばかりの頃、家の周りで見かけるのは大半が西洋タンポポでした。ところが、最近では日本タンポポの方が目に付くようになりました。勢力争いに勝ったのでしょうか?

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この渦巻の方向の違いはどうして?

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トウカイタンポポは、総苞外片、内片とも大きな角状突起があり、総苞外片の幅が狭く、内片と同幅。総苞外片の長さは内片の2/3程度(半分以上の長さ)。

カントウタンポポは、総苞外片、内片とも角状突起があり、角状突起はトウカイタンポポより小さい。総苞外片の幅が内片の幅よりやや広い。総苞外片の長さは内片の1/2から2/3程度(半分以下の長さ)。

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総苞外片の長さは、内片の半分以下かって言われると微妙です。スミレだけでなくタンポポも難しい・・。困ったものです。

右は、松山城マスコットキャラの「よしあき くん」が住む愛媛県で撮ったシロバナタンポポです。「総苞片は、乱雑に開く」と書かれていました。静岡県では、タンポポと言えば黄色の花を思い浮かべますが、最近ではシロバナも所々で見かけるようになりました。

観察会で、タンポポのお茶を頂きました。癖のある味を想像していましたが、香ばしくとても美味しかったです。Oさん、有難う!

時間指定投稿

2017年4月10日 (月)

我が家のスミレ

スミレは、図鑑を見ても似たものばかりで、私には良く分かりません。でも、我が家にあるものくらいは、名前を覚えたいと思っています。

◇神代植物公園の売店からやって来たスミレ

【アメリカキスミレ】

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原産地は、北アメリカ(カナダ、USA東部)だそうです。

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上弁の捲れ方(反り返り)が凄いですね。距は小さく目立たない。

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花芯をズームしてみました(ピント位置をずらしたつもり)。側弁の毛が長い・・。

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葉は、ハート形で縁には鋸歯があります。

我が静岡県には、黄色い花の咲くスミレ・・キスミレの自生地があります(地域の人より、県外の人の方が詳しいかも?)。キスミレは、絶滅が危惧されているそうですが、自生地の様子を見ると繁殖力の旺盛な植物だと思います。園芸採取が減少の最大原因と言われていますが、やり方によってはもっと自生地を増やすことも可能だと思います。自生地の分散には、賛否があるとは思いますが・・。

【フイリゲンジスミレ】

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このスミレを、父親が盆栽の鉢に植えてありました。何年間かは、元気に花を咲かせていましたが、十年ほど前から姿が見えなくなりました。その後、使いまわした鉢の土で、クンシランを植え替えたところ、数株発芽していました。でも、その株もいつの間にか姿を消してしまいました。気難しい植物だという印象がありましたが、神代植物公園で見かけて再挑戦しようと思ったのです。

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このスミレは、花よりも綺麗な斑の葉に魅力があります。「シベリア、中国、朝鮮半島に分布し、ゲンジスミレの母種にあたる」と書かれていました。

◇裏庭植物園に生えているスミレ

【ツボスミレ/ニョイスミレ】

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タチツボスミレの開花から、かなり遅れて咲き始めます。側弁の基部に短い毛が生えています。

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私は、この小さい花のスミレを気に入っています。唇弁の濃い模様が良いですね。

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上と横から・・。距は短くぽってりとしている・・図鑑も面白い表現をしますね。

【タチツボスミレ】

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何処でも良く見かけるタチツボスミレです。図鑑を見ると、この仲間はいろいろ種類があるようです。

【オトメスミレ】

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何時の頃からか分かりませんが、裏庭植物園に生え、今では群生しています。この花は、萌の散歩道でも時々見かけます。タチツボスミレの白花で、距の部分が薄い紫色です。萼片と花柄にも、紫系の色素を含んでいます。

【シロバナタチツボスミレ】

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この写真は、春野すみれ展で撮りました。上手く撮れませんでしたが、距の部分と萼片、花柄の色が上と違っています。

普通のタチツボスミレと比べれば、オトメスミレも明らかに白花です。全部白花で良いじゃないかと思いつつ、写真を整理しました。

日照の良い所に生えるスミレよりも、日陰に生えるスミレの方が、環境の変化に弱いと思います。周辺の木が伐採されたり、日照が良くなり過ぎて、あっという間に姿を消してしまったのを幾度か見た事があります。

2017年4月 9日 (日)

カテンソウとクモラン(浜松市天竜区)

土・日の何れか、趣味の野菜畑の草取りを予定していたのですが、雨降りになってしまいました。今日は、遠州方面の雨が上がるとの予報でしたので、案内状を頂いていた春野のすみれ展に行って来ました。

その帰り道、渋い顔をしている運転手にゴマをすり、植物観察するために道路脇で車を止めてもらいました。

【カテンソウ(花点草)】

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足元に、カテンソウの花が沢山咲いていました。雌雄同株ですが、雌花は葉の付け根に付きます。写真で確認出来るのはみんな雄花です。雌花を撮ろうとしたのですが、別のものに目が行ってしまい、忘れてしまいました

視線の先に見えたのは・・。

【クモラン】

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梅の木に着生したクモランでした。ブログ記事に掲載した翌日に、別の場所でまた出会えるとは・・。

それにしても、凄い株数でした。

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上段と同じものを、コンデジで撮ってみました。

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こちらにも、不気味なくらい着生していました。

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凄いでしょ?雨に濡れた後なので、根の緑が鮮やかでした。

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同じような写真ばかりで恐縮ですが・・。樹皮に密着している株と、更にその上に覆いかぶさっている株で盛り上がっていました。数は少なかったのですが、カキにも着生していました。

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根と弾けた果実を、接写ズームで撮ってみました。専門家の論文によると、クモランは、発芽後、発根するまでに7年ほどかかるそうですから、写真のような状態になるまでは、相当な年月が経過した事と思います。

今迄着生を確認した樹種は、サクラ、ウメ、カキ、そして我が家の針葉樹の盆栽(トウヒの仲間)です。それ以外に、スギの葉の上でも発芽が確認されていると書かれていました。また、樹上を眺め歩く時間が増えそうです。

すみれ展からの帰り道でただ一ヶ所、植物を見ようと車から降りたピンポイントで、こんな出会いがあるとは思ってもみませんでした。野生ランの神様、有難う!

2017年4月 8日 (土)

三種類の着生ラン

今日も雨・・その上霧が出て来たので、運転していて怖いくらいでした。山間部に住むと大変な事が多い・・。

2週間ほど前になりますが、着生ランの宝庫へ行って来ました。

【ヨウラクラン】

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梅の木に着生していたヨウラクランです。小さな株も彼方此方に着生していました。良く見ると、蕾が確認出来ます。白い髭状のものが、昨年の花茎です。沢山の花を咲かせたようですね。

【カヤラン】

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カヤランも、沢山見る事が出来ました。

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こちらも、蕾が確認出来ました。花の時期に見に行かなくては!

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ノキシノブの赤ちゃんかと思ったら、カヤランでした。以前、フウランの苗を見た事があります。これと同じように、樹皮に沿って伸びた根の周りに集中して生えていました。ラン菌が多いからかな?

【クモラン】

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葉が無く根に葉緑素を持つクモランも、驚くほど着生していました。

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堅い梅の樹皮に、食い込むように着生していました。梅の木の樹皮は、乾燥していて着生ランに適さないような気がするのですが・・。

【クモランとカヤラン】

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クモランとカヤランが、隣同士に着生している所も数ヶ所ありました。なかなか見られないツーショットだと思います。

【カヤランとクモランの種子】

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カヤランの果実が割れ、刻みたばこのような種子が露出していました。刻みたばこなんて、若い人は分からないかな?

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こちらは、クモランの種子です。毛糸の繊維のようですね。

カヤランもクモランも種子に発芽の養分が無いので、着生する木に発芽を助ける菌が存在することになります。それにしても、この場所には驚くほど沢山着生していました。

2017年4月 7日 (金)

気になったラン(神代植物公園)

神代植物公園で、今迄記事に登場したもの以外の、気になったランを集めてみました。

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Epidendrum(エピデンドラム属)。Epidendrum pseudepidendrum:原産地は、パナマ、コスタリカ。唇弁の艶と厚み、色が印象的でした。

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Colmanara(コルマナラ属)。左は名前を記録し忘れました。

右は、Colmanara Sachiko Nagata‘Nagata‘。コルマナラ属は、ミルトニア、オドントグロッスム、オンシジュームの3属を交配させた人工新属だそうです。

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これも名前が分かりません。萼片の斑紋が目を惹きました。

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Maxillaria sanderiana(マキシラリア・サンデリアナ)。大きな花です。エクアドルの高地原産。

我が家に父親が育てていた「中南米産春蘭」の銘板が付いたランがあります。そのランもMaxillaria(マキシラリア属)だそうですが、ずっと小型の花です。。

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Clowesia Grace Dunn‘Chadds Ford‘(クロウェシア グレースダン )。ニッキ(シナモン)の香りがしました。髭のような唇弁も面白いですね。

系統的には、Catasetum(カタセタム属)から、小型でバルブも花も小さなタイプがClowesia(クロウェシア属)として分離されたそうです。

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Masdevallia ayabacana(マスデバリア・アヤバカナ)。猿の顔のラン・・Dracula(ドラクラ属)が、以前はこの属だったそうです。原産地はペルーで、標高1,200m~1,800mの冷涼な雨林に生えると書かれていました。

特異な形と派手な色彩が目を惹くランです。

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こちらは、蕾だけでしたが・・。Coryanthes mastersiana×Stanhopea reichenbachiana。コリアンテス属とスタンホペア属の交配品種だそうです。南米原産で「バケツラン」と書かれていました。花を見たかった・・。

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こちらは、園内の会場で蘭友会さんが展示されていたランです。Phalaenopsis(胡蝶蘭)の仲間でしょうか?小さな花ですが沢山の蕾が付いていました。開花したらさぞ見事でしょう。

私は、洋ラン(横文字)の名前が苦手ですので、書き間違いなどがあったら教えてください。それにしても、世の中には面白い蘭があるものですね。

身近な山野で見るランも、外国産のランも、そして園芸用に交配作出されたランも、なぜか心を惹かれます。ランの魅力が書かれたWebページもいろいろありますが、私にはその理由を説明する上手い言葉が見つかりません。ランは高等植物だそうです。「私を見て!」と心に語り掛けているのかもしれませんね。

2017年4月 6日 (木)

実生ヤシャビシャク開花

夕方、実生栽培のヤシャビシャクに水やりをしていて、花の咲いている株が数本ある事に気が付きました!

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山梨県の知人から熟した果実を送っていただき、2014年の秋に種を蒔きました。そして、2015年の4月頃発芽して(左)、5月半ばにはカエデ属のような葉が出て来ました(右)。

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青軸だった茎も伸び、2015年の10月頃には木本らしい褐色に変化していました。でも、この状態の葉は、富士山で見るヤシャビシャクと何処か違っていました。「同じ種類なのだろうか?」そんな疑問を持ちながら一年が過ぎました。2016年の秋頃、「来年辺り咲くかもしれないよ。」とコメントを頂きました。

そして、今年は富士山で出会うのとそっくりな葉が展開して来ました。左右を見比べてください。別種のようでしょ?

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毎日傍を通っていたのですが、このような淡い緑の花なので、今日まで気付きませんでした。

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果実は、手の届く高さで見た事があります。でも、花をこんなに間近で見たのは初めてです。

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オシベが5本、メシベが1本。右は、デジタルズーム併用で撮ってみました。

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この花は、大きな花弁のような部分は萼片で、その間の小さな部分が花弁なのだろうか?子房の部分は、果実を思わせる腺毛が密に生えています。

ヤシャビシャクが、発芽から2年で花を咲かせる事を知りました。

発芽から5~6年で花を咲かせる植物にも、今年初めて蕾が確認出来ました。後日の記事で・・。

2017年4月 5日 (水)

フクロウの森の木(富士山)

数年前、フクロウに出会ったので、この森を「フクロウの森」と呼んでいます。

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ここでは、必ずと言っていいほどシカと遭遇します。右は根元の樹皮を齧られた木です。キハダでしょうか?

そして・・。

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これがフクロウの棲み処だったヒメシャラの木です。二度ほど見かけましたが、その後姿を見ておりません。何処かへ移動してしまったのかな?

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左も棲み処になりそうな穴が開いています。元の棲み処をズームして見ると、穴の入り口に羽毛が見えます。まだここに来るのだろうか?

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こちらの木には、アカゲラ属のあけた穴があります。嘴だけで上手く開けるものですね。

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左は、カエデ属のようです。立派な木です。右は、ブナに蔓植物が絡みついています。何だろう?

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実か花のようなものが見えていますが、コンデジ・ズームでは分かりません・・。下を探すと、イワガラミのドライフラワーが落ちていました。ブナも良い迷惑ですね。

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こちらの蔓はどうしてこんなになったのでしょう?病気かな?

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日当りの良い所に、タラノキがありました。タラの芽の天婦羅は美味しいので、趣味の果樹畑にも植えたいと思っています。挿し木では上手く発根しないので、根挿しをするそうです。

2017年4月 4日 (火)

富士山に生える植物の目覚め

そろそろ、バイケイソウが目(芽)覚める頃だと思い、様子見に行って来ました。

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私の富士山探索は、バイケイソウの目覚めから始まります。標高1,000m辺りで・・。

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こちらは、まとまって生えていました。葉が展開し始めた頃の姿が一番好きです。

注意深く、落ち葉の間を見ると・・。

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イチリンソウとトウゴクサバノオだと思います。イチリンソウの葉を沢山見ても、花を咲かせる株が少なかったのですが、昨年辺りから開花株が増えて来ました。

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四角い花・・コガネネコノメも姿を現していました。

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左はヤマエンゴサク、右は一枚葉なのに少し太めだから、キバナノアマナかな?キバナノアマナと初めて出会ったのは、この林です。

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こちらは、とても小さな蕾を付けているヒメニラです(だと思っています)。ちゃんとニラの香りがしますよ。

ところで、Web図鑑で見るヒメニラの葉は、もっと太く立派です。筑波実験植物園の植物図鑑では、「食用になる」と書かれています。でも、この場所に生える個体は、食用に出来るようなサイズではありません。ネギの苗を食べるようなもので、何本採ったら良いか分からないくらいです。別種なのだろうか?

例年に比べると、目覚めが遅いように思われます。標高1,000m辺りでもまだ雪が残っていました。

2017年4月 3日 (月)

気になった植物(神代植物公園)

神代植物公園で、気になった植物を集めてみました。

【Tacca chantrieri(タッカ シャントリエリ)】

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変わった花でしょ?植物にあまり興味の無い家族の感想も「変な花!」だそうです。

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ストロボ発光で・・。

「アジア、オーストラリア原産で、別名ブラックキャットと呼ばれるタシロイモ科の植物です。猫の耳のような部分は苞で、その中心に複数の花を付けます。髭の用に垂れ下がっているのは、花を付けなかった未発達の花柄(不稔性花柄)です。」・・園内の解説。

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接写の得意なコンデジでも撮ってみました。

【Aristolochia(アリストロキア)属】

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左はアリストロキア・トリカウダータ(tricaudata)・・宇宙人みたいな花を咲かせます。残念ながら、花も蕾も撮る事は出来ませんでした。原産地は、メキシコ。

右はアリストロキア・サルバドレンシス(salvadorensis)・・スターウォーズのダースベイダーに似た花を咲かせます。原産地は、エルサルバドル。

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サルバドレンシス・・こちらは、蕾が付いていました。残念ながら、開花はもう少し先のようです。

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蕾の膨らむ様子が少し分かります。

アリストロキア属は、温帯から熱帯にかけ約350種類が分布するウマノスズクサ科の植物だそうです。ウマノスズクサ科は、面白い花を咲かせるものが多いですね。我が家の近くで見る事の出来るオオバウマノスズクサも、変わった花を咲かせます。

2017年4月 2日 (日)

フサザクラ(愛鷹山系)

神代植物公園で出会った珍しい植物は小休止して、不法投棄のパトロールで見たフサザクラの記事です。

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こちらは、渓谷の上流域です。まだ蕾が膨らみ始めた状態でした。

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紅色の葯が綺麗ですね。

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図鑑には、花色を暗紅色と書かれていました。萼の破れ方が、だらしない感じです。

下流域では・・。

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水音がしない・・。堆積した山砂の下を伏流しているようです。フサザクラの木を見ると、沢山の花が咲いていました。

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正に「房」ですね。

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空を背景に撮ってみました。左側の黒いのは、冬芽だと思います。

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フサザクラは、雌雄同株で両性花を付けると書かれていました。垂れ下がる紅色の房はオシベで、その付け根を見るとメシベがあります。

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老眼なので、コンデジ顕微鏡モードで(メシベへの)ピント合わせが難しい・・。

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それにしても、面白い花ですね。

サクラと名が付いていますが、バラ科スモモ属ではなく、フサザクラ科フサザクラ属だそうです。

2017年4月 1日 (土)

見たかった植物③(神代植物公園)

ヒスイカズラ(Strongylodon macrobotrys)・・数年前、この花の写真を送っていただき、一度は見てみたいと思っていました。やっとその夢が叶いました!

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藤の花のような感じに咲いていました。思ったように撮れませんでした・・

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説明書きでは、この花色を「青碧色(せいへきいろ)」と表現されていました。花色が、宝石の翡翠に似ている事から、この名が付けられたそうです。

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中と右は、開花の進んだ花のようです。上の写真より低い所に咲いていて、いくつか下に落ちていました。時間の経過とともに色が変化するのかな?

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顕微鏡モードで、ズームしてみました。まさに翡翠ですね。

ヒスイカズラは、マメ科の蔓性植物で、フィリピンのルソン島が自生地だそうです。送粉者は、この花色を好むオオコウモリだと書かれていました。

※ロシア語のコメントを頂きましたが、私にはロシア語は分かりません。URL Linkが貼られていましたので、他の来訪者の方に迷惑がかかるといけないので、恐縮ですが削除させていただきました。

見たかった植物②-2(神代植物公園)

【Dracula属】

コンデジで撮ったドラクラ属の花です。

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これは、Dracula inaequalis‘Superba‘(ドラクラ・イナエクリアス‘スペルバ‘)と書かれていました。inaequalisは、ラテン語で「不平等」という意味だそうです。何が不平等なんでしょう?

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Dracula bella(ドラクラ・ベラ)・・bellaは、ラテン語で「美しい」という意味だそうです。唇弁が貴婦人のドレスに見えるからでしょうか?私は、オラウータンを連想しました

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Dracula polyphemus(ドラクラ・ポリフェムス)・・polyphemusは、ギリシャ神話に出てくる一つ目の巨人から名づけられたそうです。白い唇弁が一つ目に見えるからだそうですが、私には猿の顔に見えます。

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上ばかり見ていたので、首が疲れました

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手を伸ばして、コンデジ・ズーム撮影です。

ドラクラ属は、主にコロンビアからエクアドルのアンデス山脈に分布し、熱帯~亜熱帯地域で、標高1,500m~2,500mにある霧が多く湿度の高い場所にある常緑樹林(雲霧林)の樹上に着生するそうです。

出来るなら、自生地の様子を見てみたいものです。きっとワクワク・ドキドキする事でしょう。

さて、次はヒスイカズラの登場です。

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