フウラン①(焼津市)
寺社の境内では、他で見られないような巨木や珍しい植物と出会う事があります。焼津市にある曹洞宗の古刹「林叟院(りんそういん)」で見た気になる植物「その①」です。
境内に植えられたイヌマキの木に、セッコクとこのフウランが着生していました。着生している高さや幹の太さ等から、どうも、人の手によって着生させたものだと思います。
高い所にフウランが着生していました。右の株はかなり大きい・・。
ズームしてみました。良く見ると果実が確認出来ます。
写真を撮っていると、方丈様(住職)に声をかけられました。「何を撮っているんですか?」「フウランです。」
実生発芽したと思われる小さな株です。方丈様は、かなり植物好きの方らしく、ランの種子が発芽するのに蘭菌などが必要な事をご存知でした。
この巨木・・エノキかと思ったらムクノキだそうです。
「以前、この木にはフウランの大きな塊が着生していました。ところが、ある日境内を歩いていると、足元に数株のフウランが落ちていたのでおかしいと思い、ムクノキを見上げると、着生していたフウランが全て姿を消していました。屋根に上り、鉤付きの棒のようなもので盗ったのではないかと思います。」
盗られる前は、土嚢袋がいっぱいになるくらい生えていたとの事でした。とんでもない罰当りがいたものです。着生している姿を見たかった!
2段目と3段目の写真のフウランは、方丈様が着生させたものではなく、このムクノキに生えていた仲間だろうと話してくれました。
フウランは、こんな花が咲きます。とっても小さな花ですが、山百合のような芳香がします。
実は、この前の晩、富士市自然環境マップで「旧富士川町の特徴的な植物」のページで、「フウランは、旧富士市では見つかっておらず、旧富士川町で一ヶ所だけ確認された。」という内容の解説を読んだばかりです。
その翌日、我家の菩提寺と同じ曹洞宗の寺で出会えた事も不思議な縁です。
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