2014年の思い出(野生ラン①)
【ホテイラン】
2013年9月14日、初めて足を踏み入れた八ヶ岳の針葉樹林で見つけたシワシワの一枚葉・・その花を見る事が今年の目標でした。もう遅いかと思いつつ、休日出勤の代休を取って、小雨降る八ヶ岳某所へ向かいました。
そして・・。
ついに、ホテイランの花を見る事が出来たのです!間に合って良かった!
綺麗でしょ?かつては、富士山にも生えていたと聞きました。今でも、何処かにひっそりと生えていると信じて、探索を続けています。ホテイランは絶滅危惧種ⅠB類(EN)に指定されています。
【イチヨウラン】
イチヨウランも希少種の野生ランではありますが、亜高山帯の針葉樹林では、私の狭い探索範囲でも何ヶ所かで見る事が出来ます。
でも、それが標高600~700m(富士市)に生えていたとなると話は別です。情報を頂き、探索に行って来ました。なかなか見つからず、諦めかけて立ち止った足元を見ると・・。
イチヨウランを発見!本当に生えていた!
その近くには、アオフタバラン(右)も見つかりました。アオフタバランは、静岡県版レッドリストで要注目品種に指定されています。
花が咲いていました!間違い無くイチヨウランです。亜高山帯の針葉樹林から1,000mも標高の低いこの場所で、夏越え出来るなんて信じられません。
イチヨウランは、静岡県版レッドリストで絶滅危惧種Ⅱ類(VU)に指定されています。この場所で、子孫を増やし続けてほしいと願っています。
【コケイラン】
初めてのエリアを探索していて出会った野生ランです。名前が分からず、詳しい方にメールして教えて頂きました。
エビネを小さくしたような花でした。株元を見ても葉が無い!花の季節に葉の無い事があるそうです。ススキの高原に生えていました。
亜高山帯に咲くコハクランの花をも連想しました。
【コハクラン】
コケイランで連想したコハクランです。こちらは亜高山帯の針葉樹林に生えています。
昨年は花を見る事が出来、葉の更新時期も知りました。左の小さなのが球根の根元から伸びた新芽です。大きな葉は、やがて黄色くなり枯れて来ます。今年は、大雪のせいか開花がかなり遅れました。
小さいけど綺麗な花でしょ?環境省第四次レッドリストで絶滅危惧種ⅠA類(CR):ごく近い将来における絶滅の危険性が極めて高い種に指定されています。
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もこままさん、お早うございます。
私は自然観察の年数や時間の割に、珍しい植物と出会えていると思います。
山の神様のお陰だと思っています。
盗掘も株数を減らす大きな要因になっていると思います。
特にこのホテイラン等は連れ帰りたくなってしまう人も多いと思います。
そして、希少種はその場所でしか育たないから数が増えないのだと思います。
同じ針葉樹林の中でも、日照や土壌湿度等によって生えている場所が限られています。
持ち帰っても枯れるだけ・・山野に置けば、種を付け子孫を増やしてくれます。
そういう事の分からない人がまだまだ沢山いるようです。
自然環境の変化も希少種減少の要因の一つだと思います。
ササユリが沢山生えていた場所も、周囲の木が大きくなって数を減らして来ました。
シカの食害も放置できない問題だと思います。
葉が食べられたイチヨウランを幾度か見ました。
採取禁止を唱えるだけでなく、園芸農場等で培養して、栽培したい人はそれを買うようなシステムが充実されれば盗掘も減ると思います。
行政が絡まないと難しいのかもしれませんが・・。
投稿: やまぶどう | 2014年12月28日 (日) 07時34分
おはようございます。
ホテイラン、イチョウラン どちらも綺麗な花ですね!
やまぶどうさんは、日頃の行いが良いからこんな素晴らしい花に出会えるのですね!
絶滅危惧種と言う事は、乱開発と言うより 盗掘が原因なのでしょうね。
自然の中で咲いてこそ より素晴らしさが伝わってくると思うのですが。
投稿: もこまま | 2014年12月27日 (土) 06時40分