2013年も後少し、一年はあっという間です。
昨年は、ベニバナヤマシャクヤクを追い続け、ついに花を見る事が出来ました。そして、昨年秋から今年追い続けたのは、このコハクランです。
コハクラン探索は、昨年の9月1日に撮ったこの一枚の写真から始まりました。
野生ランらしき果実とシュロのような一枚葉。まだ出会った事の無い植物の名前が脳裏に浮かびました。この植物がコハクランだと教えて頂き、買ったばかりのGPSを持って再探索に出かけました。
亜高山帯の針葉樹林へ幾度か通い、周辺を広範囲に探しました。そして、当初の予想を上回る 「シュロのような一枚葉」と出会う事が出来たのです。全てGPSに地点登録してあります。
そして、稀な野生ランの更に稀な株を発見!
二枚葉のコハクランです。もちろんこの場所も登録しました。
でも、もうこの二枚葉に会えないであろう事は、後日の探索で知りました。それは、秋に葉の更新が行われるからです。球根の頂部に生えているこの葉は枯れ、球根の下の部分から新しい葉が伸びて来るのです(その途中から根が生え、新たな球根が出来ます)。その葉が二枚葉である事はまず無いでしょう。
晩秋頃からのコハクランは、白い主脈が赤みを帯びて来ます。そして冬には、地面に寝たようになっていた葉が、春先から初夏にかけて、右のように起き上って来ます。
右の株元に注目してください。私が初めて見たコハクランの花芽です。
花芽が見つかったので、何とか花を見る事が出来そうです。期待が膨らみます。右は球根の露出した幼苗です。子孫も増えているようです。
花を見逃すまいと、開花時期の前にも幾度か探索に行きました。そして、7月上旬・・ついに花を見る事が出来たのです。
薄暗い林床に咲くこの野生ランは、木漏れ日を浴びていろいろな姿を見せてくれました。
霜降り肉のような唇弁に、琥珀色の萼片・・忘れられない花です。
この斜面を幾度上り下りした事でしょう。感激の出会いでした。
ピントの合わせどころを変えて撮ってみました。素人カメラマンには、なかなか思ったようには撮れません。
台湾には、コハクランとそっくりな印度山蘭という野生ランが生えているそうです。機会があれば見てみたい!通い詰めたお陰で、いろいろな事が学べました。出会いを与えてくれた山の神様に感謝です。
ベニバナヤマシャクヤクにコハクラン、来年は何を追い求めようか・・。実は、もう見つけてあるんです。その植物は、初めて足を踏み入れた八ヶ岳に生えていました。それは後の記事で・・。
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