丸火自然公園の植物(7月その2)
(7月その2)では、二種類の野生ラン・・腐生蘭を観察してみました。
【オニノヤガラ】
ラン科オニノヤガラ属。ナラタケと共生する腐生蘭です。「地中にジャガイモのような塊茎があり、これを干したものを漢方で天麻といい、長寿と強壮薬に用いる」と図鑑に書かれています。こんな事を書くと、掘り起こされてしまうかも?
もっと標高の高いところに生え、ミヤマハンノキの根に寄生する「オニク(キムラタケ)」も強壮効果があると聞きました。他の植物から養分をもらっているのに強壮効果・・なんか変なヤツですね。
例によって薄暗いので、ストロボを使いました。 丈が高く、1m近くありました。
蕾が少し緑がかっています。茎が全体に青緑色になるものをアオテンマ、また全体に淡い黄色になるものをシロテンマと呼ぶそうです。
「葉は鱗片状で疎ら」・・蕾の付け根にあるのが葉かな?
花を拡大してみました。
この植物は、遊歩道の目立つ所に4本生えていました。その内、1本は切り取られ横になっていました。「なぜ、こんなに目立つ所に生えたんだよ!」心無い人は、どこにもいるものです。
【ムヨウラン属】
属としたのは、蕾しか確認できないためです。漢字で書くと無葉蘭。ムヨウランの仲間は、何種類かあって、何れも常緑広葉樹林下に生えるそうです。
ウチョウランの種にも似ています。この中に、粉のような種が入っていると思います。
こちらはもっと沢山実が付いていました。
ストロボを当てて・・。
ムヨウラン属の花期は5~6月だそうです。もっと早くこの場所に来ていれば、花が見られたかもしれません。来年は、忘れないで見に行こうと思います。
これは2009年4月6日に、浜松市春野町にある犬居城跡の山頂付近で見つけたものです。種が飛散した後ですが、ムヨウランの仲間ではないかと教えていただきました。
この日は、参議院議員選挙の投票を済ませた後、少しだけ丸火自然公園に寄り道してみました。腐生の野生ランが、二種類も見られて幸せでした。
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慶さん、今晩は。
腐生植物を気にしてみるようになると、いろいろ面白いことがあります。図鑑では栽培不可能と書かれたこの植物を栽培している人もいます。植物も人間もいろいろですね。
投稿: やまぶどう | 2010年7月15日 (木) 17時31分
おはようございます。
人知れずいろんな野生蘭があるんですね。実もそれだけ見たのでは何なのかぜんぜん見当もつきませんね。ひとくくりに何の仲間なんて言ってもこれ仲間?って言うものがいっぱいで、だいたいが、実がなっているなんで思いもしないで踏みつけて行ってしまうのでしょうね。またそれでも強く生きていくのでしょうが。でも切り取ってしまう人がいるのは悲しいですね。この花の事をわかってならなおさらです。細く長く生き抜け~~
投稿: 慶 | 2010年7月15日 (木) 10時02分