ヤマホトトギス

今日は、事情があってブログ記事の投稿が遅くなりました。

少し前から、近くの山林でヤマホトトギスの花が見られるようになりましたので、撮ってみました。

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蕾の様子です。良く似たヤマジノホトトギスの花は、葉腋にほぼ単生するのに対して、ヤマホトトギスは散房状に枝分かれしてつきます。

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花の様子です。ヤマジノホトトギスは、花被片が開出する(反り返らない)のに対して、ヤマホトトギスは、花被片が反り返るとあります。でも、良く見るとヤマホトトギスにも反り返らないものが見受けられます。

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ヤマジノホトトギスは、花糸や花柱の基部に斑点がありませんが、ヤマホトトギスは、斑点のあるものと殆ど無いものがあります。この場所もそうでした。斑点の有無だけでは、区別が難しい事になります。

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同じ場所でも、個体毎に花被片の斑点が違っています。

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こちらは、もう少し遅れて咲くヤマジノホトトギスです。愛鷹山系では、ヤマホトトギス、ヤマジノホトトギス、ホトトギスの順に咲きます。私の探索エリアでは、ヤマホトトギスに比べてヤマジノホトトギスは丈の低いものが多いように思います。

天涯の花

天涯の花・・徳島県剣山を舞台にした宮尾登美子さんの小説の題名です。そのドラマが、NHK総合テレビで放送されたのは、今から20年ほど前の事になります。当時、植物にあまり興味を持っておりませんでしたが、天涯の花がキレンゲショウマという名である事と、貴重な植物である事はなぜか記憶に残っていました。

それから10年ほど経った頃、箱根の湿生花園の売店でこの花に出会いました。我が家の環境で栽培出来るものなのか、不安もありましたが、挑戦してみる事にしました。ダメ元で地植えにしたところ、順調に育ち毎年花を咲かせてくれます。今では、かなりな大株になりました。

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葉は対生で、上部の葉は無柄ですが、下部は長い葉柄がついています。

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葉腋から円錐花序をだし、黄色い花をつけます。

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先端の一輪だけ開いていました。結構肉厚の花弁です。花の中を覗くと、行き場のない蟻が集団で訪れていました。「他の花に行けよ!」

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重なり合った花弁が、風車のようですね。良く見ると、オシベ15個、メシベ3個が確認出来ます。

周辺の樹木が大きくなり、日照も悪くなって来たので、毎年、移植株分けをしようと思いつつ時機を逸していました。今度は忘れないようにしなくては!

家に植えてある植物には、家族其々いろいろな思い入れがあります。だから、無造作に伐採や除草しないで、事前に確認しましょう!我が家なんか、みんな除去対象になってしまうので、口五月蠅く言っています。 

ツリシュスラン

樹上に生えるラン科シュスラン属ツリシュスラン(ヒロハツリシュスラン)の記事です。高い所に生えるため、見難い写真ばかりで恐縮ですが・・。

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この野生ラン探索は、木々の葉が落葉した晩秋から冬が一番です。こちらは似た写真ですが、違うブナの木に着生していました。それにしても、過酷な環境のしかも樹上を棲みかに選んだのはどうしてでしょう?

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こちらもブナです。溝の所に生えていて暗めの写真になってしまいました。高倍率のコンデジでデジタルズーム併用で撮ってみました。

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各々別のイタヤカエデの樹上に着生していました。蕾の時の様子です。花序は下を向いて伸びます。

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蕾が膨らみ始める頃には、花序が首をもたげて来ます。

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デジタルズーム併用で・・。かなり画質が荒くなってしまいましたが、右の写真で花の形が少し分かります。やっぱり、同倍率ならストロボの強いSonyの方が良いかな・・。

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こちらは、Sonyのコンデジで・・。終盤を迎え子房が膨らみ始めた頃です。右の写真で分かるように、どの子房も膨らんでいます。自動自家受粉するのでしょうか?

富士市植物仮目録には、ヒロハツリシュスラン(var. brachyphylla)の記載があります。「本州中部以北のものは、一般に葉が広くヒロハツリシュスランとされる」とあります。平成16年版の静岡県版レッドリスト及びRDB検索システムには、ツリシュスランの記載はなくヒロハツリシュスランが記載されておりますが、隣県の山梨県では、RDB検索システムに、ツリシュスランが記載されています。手元の古い図鑑には、詳しく記されておりません。日本のランハンドブック②の発売が待たれます。

ヒロハツリシュスランは、環境省RDB、静岡県共絶滅危惧ⅠB類(EN)に指定されています。

トンボソウ

今日も「天気予報コム」の一時間予報が大当たりでした。萌の夕散歩を、早めにしておいて良かった!

ツレサギソウ属の野生ランは、似たものが多くて迷ってしまいます。我が家の近くで見る事の出来るものに、オオバノトンボソウ(ノヤマトンボ)とトンボソウがあります。この日は、少し標高の高いところでトンボソウに出会いました。

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薄暗いところが好きなようで、スギやヒノキ林の下草の中で見る事が多い野生ランです。老眼には辛い、とても小さな花なので、フラッシュを暗めに調整して撮ってみました。

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隣に生えていたものと別のところで撮ったものです。どこで撮っても、上手く撮れません・・。

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花を接写してみました。T字形の唇弁が特徴です。目のように見えるのは葯(花粉袋)です。

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別のところで撮った花も掲載します。和名の由来は、花の姿をトンボに見立てたそうです。この小さな花からトンボを連想する想像力は、私にはありません。

トンボソウは、まとまって生えている事が多く、実生発芽したものかと思っていたら、「地中の根から不定芽を出して繁殖する」とあります。

ラン科ツレサギソウ属トンボソウ(Platanthera ussuriensis (Regel et Maack) Maxim.)。「トンボソウ属(Tulotis)とされる事が多かったが、DNA情報を用いた解析の結果、ツレサギソウ属に含める事が適当」とあります。日本のランハンドブック、Ylist共に前記を標準学名としています。

花に集る虫

予報に反して良い天気だと思っていたら、雲行きが怪しくなり夕方には降って来ました。時には、かなり激しい雨が降っています。

花の観察だけでなく、それを訪問する虫の観察も面白いです。名前は殆ど分かりませんが・・。

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道路脇で見る花の中では、このシシウドが一番訪問者の多い花だと思います。

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カミキリムシの仲間でしょうか?

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アブやカメムシの仲間もやって来ました。他にもいろいろ集っていましたが、風に揺られて上手く撮れませんでした。

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次は、マツカゼソウの訪問者です。ハナアブの仲間でしょうか?色の違う種もやって来ました。暗い所に咲く白い花に集る暗色系の虫を、上手く撮る術が私にはありません。

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良く見ると、複眼や前足・後足にも花粉がついています。花粉は、虫に運ばれやすくするために粘着性を持つそうです。ラン科植物は、花粉塊のまま頭やくちばしに付着して運ばれます。かなり粘着性が高いのだと思います。

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次は、ナガバノコウヤボウキです。写真を良く見ると、甲虫の仲間が写っています。機嫌が悪く、こちらを向いてくれませんでした。コウヤボウキに比べてナガバノコウヤボウキは、場所によってはレアな植物ですが、富士市域では比較的出会う事が容易です。

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こちらは、マルハナバチの仲間でしょうか?

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最後に、登場の機会が無かったので・・。このチョウは、ミドリシジミでしょうか?羽を広げるのを待っていたのですが、下山者が通りかかったため飛んで行ってしまいました。残念!

サワトラノオ観察記⑨

今日は、遠方に住む家族が帰って行きました。その後は、義母と実母の様子見に行って来ました。院内や車内が涼しかった分、屋外がとても暑く感じました。

お盆に台風やって来るというので、サワトラノオの実生床を車庫内に取り込みました。すると、予期せぬ変化がありました。

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こちらの写真は、8月9日に掲載した小粒赤玉土単用の実生床に生えたサワトラノオの苗です。上からしか撮ってありませんが、葉は水平に展開していました。

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こちらは、8月17日に撮りました。上からの写真でも上段との違いが分かると思いますが、葉が立ち上がって来ました。

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立ち上がった葉の裏には、こんな斑点が見えました。確認したところ、小さな苗の葉裏にもありました。

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小粒赤玉土単用の実生床は、一番先に蒔いたために成長が早いので、葉が立ち上がる時期に来たのかと思ったのですが、脱脂綿の実生床(根が上手く伸びていなかったため、挿木・種蒔き用土を振りかけてあります)の小さな苗も立ち上がっていました。こちらは、7月6日に播種し、7月12日に発芽を確認しています。

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そして、一番最後に蒔いた、挿木・種蒔き用土の実生床も葉が立ち上がっていました。7月26日に播種し、8月1日に発芽を確認しました。上の実生床の苗と比べると、葉の色が緑なのと株のサイズが大きくなっています(脱脂綿の実生床の苗を追い越してしまいました)。この違いは、以前気付いたように、根が上手く脱脂綿の中に伸びて行かなかったためだと思います。移植には、小さ過ぎるかと思ったのですが、早めの方が良いかもしれません。

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左は、残っていた種を追い蒔きしたものです。丸い果皮を指で潰して蒔いたつもりが、潰れなかったものがあったようです。自生地では、こんな感じで発芽する事も多いのではないでしょうか?生育の悪いものは、淘汰されていくと思います。右は、根かと思ったら種皮を被り発芽したばかりの茎でした。暗いところに置いたので、もやしのようになったのでしょう。

さて、8月13日に実生床を庫内に取り入れて、8月16日に葉が立ち上がったのに気づきました。苗のサイズではなく、どれも立ち上がったのはどうしてでしょう?屋外の置場は、直接日光の当たらない明るい庇下で、庫内の置場はそこから1mほど離れたシャッターを隔てた場所です。暗くなったから立ち上がったのか、気温の変化によって立ち上がったのか?短期間に現れた変化の理由が知りたい。

マネキグサ

今日は、もっとすっきり晴れると思ったのですが、愛鷹連峰や富士山には霧がかかっていました。まぁ、少しは涼しくて良いけど・・。

山の季節の移ろいは早く、お盆が過ぎると彼方此方で秋の気配を感じます。この日も、穂が姿を現したススキを見かけました。今年は、いろいろな花の時期が遅れているようですが、そろそろマネキグサが咲き始める頃だと思い覗いてみました。

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左のような状態を初めて見た時は、花が散って萼片だけ残ったのかと思いました。その数日後、再訪してこれから花が咲く事を知りました。時期をずらして訪れると、いろいろな事が学べます。

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花はこれからのようですが、気の早い個体が幾つかありました。

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少し下向きに咲くので、見上げるようにして上唇の中を撮ってみました。オシベやメシベを上唇が覆っていました。花冠の役目は、ポリネーターを呼ぶためだけでなく、オシベやメシベの保護にもなっています。横顔を見ると、筒部の長さが分かりますね。

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花を見比べると、裂片の形や色の濃淡、白い縁取りの幅などに違いがあって面白いです。この花は、裂片が丸みを帯びて幅広です。

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マネキグサの花は、正面から見ると奴凧みたいですね。

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以前撮った、訪問者の写真を掲載します。足場にしている下唇が、ラン科植物の唇弁のようです。
マネキグサは、環境省RDB、静岡県共準絶滅危惧(NT)に指定されています。ただ、分布している場所は限られますが、どこも群生しています。植物に興味の無い地主さんにとっては、除草対象の下草だと思います。

明日は、遠方から帰省していた家族が帰ります。楽しみにしていた時間は、あっという間に過ぎて行きます。また除草作業の再会です。早く涼しくならないかな・・。

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